大いなる遺産

Sunday 14th August 2005 19:16
なん


この映画に出てくるフィンもエステラも、人間としては情けない人物だと思う。フィンは成功したとは言っても、人の力で手にした成功だし、エステラはフィンをじらしまくって嫌な女だと思う。でもフィンがエステラの事好きになってしまうのは、そりゃーよくわかるよ。多分私が男でも、翻弄されてしまうかもしれないと思う。グウイネスがエステラの役をやることにいろいろ賛否両論あるみたいだけど、私はぴったりだとおもう。というのも悪女過ぎることもないし、かといって普通のおねえちゃんでもないんだよ。あの不完全さがいいと思うんだな。セクシーすぎもしない。

二人の子供頃の時代の美しさが、またこの話を引き立てるような気がする。水のみ場でフィンが水を飲んでいると、横からエステラがそっと舌を絡ませるキスシーン、すげー官能的だよ。

これにはエステラのおばさんの復讐があるんだ。というのもそのおばさんは自分が若い頃、結婚式当日に男に逃げられた経験から、男への復讐だけを心の支えに生きているようなかわいそうな人なんだよね。そのターゲットがフィンなんだ。それもフィンが10才の頃からだよ。姪のエステラに引き合わせ、フィンは絶対にエステラを好きになると。そして最後はどんなに好きでも、エステラはフィンのものにはならない。その筋書き通りの結末になるんだ。

なんたってそのばあさん役にアン・バンクロフトだよ。しわしわの顔に、派手な衣装、そしてなおも真っ赤に口紅を引き、女であることを強調しながら、朽ち果てた屋敷で踊るんだ。そしてその裏切られた時に、私の心は壊れたのよって、フィンの手を自分の胸にそっと引き寄せる。そして月日が流れ、フィンがエステラは結婚すると告げられた時、今度は自分の胸に手を引き寄せ、心が壊れたって言うの。たまりません、心を雑巾で絞られたような気持ちになりました。そのときの老婆の表情がすごいです。
「I'm sorry」って言いながらのあの表情、うーんすばらしい。

フィンはエステラにふさわしい男になりたいんだ。自分は貧乏だったけれど、エステラのような金持ちになって、地位も名誉も手に入れたい。そして手に入れたときに、「I'm rich」って叫ぶの。心の底からの言葉だと思うよ。それはすべて君のためにって。でもその成功を手に入れたときに、残ったものは何もないんだよね。

育ての親のジョーがお祝いに来てくれた際、大声ではしゃぐジョーを少し疎ましく思ってしまったりするんだ。そして今までのジョーとの関係がきしむ。ジョーの寂しそうな顔、それを見たフィンの後悔する顔。失ってしまった関係。でもエステラのためならって思ったにもかかわらず、エステラは他の男と結婚してしまう。

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