悪人

Sunday 15th May 2011 09:44
なん


image[悪人 スタンダード・エディション [DVD]]原題 悪人
2010年劇場公開
日本制作
上映時間139分
映倫 PG-12
監督 李相日
出演 妻夫木聡/深津絵里/岡田将生

お勧め度 image[★5つ]

私は邦画って苦手だったりします。ですがこれは文句なしの5つ★です。これほど心の奥深くに切り込んでくる作品はないです。私の中では最高傑作です。

地方の閉塞感という鬱々とした中で生活する裕一と光代。そんな田舎から飛び出した佳乃。でも3人の心の中は満たされない思いでいっぱいだ。母に捨てられ祖父母に育てられた裕一は、肉体労働と祖父の介護に明け暮れる毎日。光代は紳士服の店で、働くだけの毎日。恋人がいて毎日楽しそうな妹とは裏腹に。佳乃は都会に出て保険外交員をしているが、ナンパされた大学生の増田を恋人だと友達に嘘を言いつくろう毎日。見栄を張るしか自分の存在をアピールすべを知らない。ぼんぼんである増尾は、何でも手に入れたような錯覚で、人を傷つけ乱暴に扱うことしか知らない。

このような心の渇望感を満たすために、出会い系サイトで知り合う主人公ら。「誰かに出会いたかった」その一言につきる。今のこの息の詰まるような日常から抜け出せるためには、そこから出してくれる誰かに出会いたかった。

何も裕一や光代ばかりではない。佳乃も都会に出てはいるものの、いつも心に満たされない思いを抱えている。それは都会という享楽の場に存在していてもだ。そんな中出合った裕一と光代。2人はその心の隙間を埋めるように求め合う。そして裕一の告白。ここから2人の逃避行がはじまる。

これは誰もが感じる孤独感だ。私だって一人暮らしをする前は、親元での生活にうんざりしていた。早く都心で一人暮らしをするんだって思っていた。光代が「国道沿いから一度も離れたことがない」と言う。その求めても求めても、そこから離れることのない生活への絶望感。でも佳乃のように、都会に出てもなんら変わりはないのだ。今までの欲求不満を解消するために、派手に遊んだとしてもそれも満たされない。

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