麦の穂をゆらす風

Wednesday 23rd May 2007 09:47
なん


image[麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション]原題 THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
2006年 劇場公開
イギリス・アイルランド・ドイツ・イタリア・スペイン制作
上映時間 126分
監督 ケン・ローチ
出演 キリアン・マーフィ/ポードリック・ディレーニー

お勧め度 image[★4つ半]

キリアン・マーフィが出ている映画はとても気になるので、これも見たかった作品です。イギリスとアイルランドの関係がわかっているとよいのですが、私は詳しくは知りませんでした。『プルートで朝食を』でもアイルランドの立場というものが平行して描かれていましたが、これもいかにアイルランドがイギリス政府の圧政に苦しめられてきたかというのを前面に打ち出しています。

前半ではイギリス軍の極悪非道な様子が描かれています。ほとんどいいがかり状態にもかかわらず、アイルランド人を殺していきます。母の前で子を殺すなんていうのも朝飯前の非道ぶりです。単に仲間同士で集まっていただけでも、軍はいちゃもんつけてきます。

デミアンは医者であり、ロンドンの病院に行く予定だったのだけど、自分の友人らが殺されたり、ロンドン行きの列車に乗ろうとしたら、イギリス軍が車掌に暴力を働いていたり、そんな様子を見て彼は義勇軍に入ってしまうのです。

彼の人生はここで狂いはじめます。優しいデミアンも、イギリス軍を追い払うのを目的に戦ってはいきますが、裏切り者にも銃を向けるのです。戦いにおいては愛しているものだろうが、親や兄弟だろうが関係ないのです。

最初はイギリス軍がこのアイルランドの地から去ってくれることを目的に戦っていくのだけど、しまいには内戦へと発展していってしまうアイルランド。そんな中でデミアンをめぐる周囲の人々、その者たちとのかかわり、そして引き裂かれていく関係。

私は戦争ものってほとんど見ないのです。とてもむなしく思ってしまうのと、見ていると心が痛くなって苦しくなってくるからです。やはりこの映画も辛い展開が待っています。

戦いが最後に残したものは悲痛な思いです。


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