きみに読む物語

Thursday 8th December 2005 08:17
なん


つまり愛した妻は認知症なのかアルツハイマーなのか、昔の愛し合った楽しい思い出をどんどん忘れていってしまう。夫のことも子供のこともすべて忘れている。物語を読み聞かせているじいさんは、彼女の夫なわけだ。毎日妻のもとに通い、せっせと昔の思い出話をするんだ。妻はそれを物語だと思って聞いている。

だけどそんな妻が、一瞬昔を思い出すときがあるんだ。そのときだけは、目の前にいるじいさんは自分の夫だとわかる。とても愛している自分の夫だと。子供のことを気にかけたり、昔のままの妻がそこにいる。だけど悲しいかな、その瞬間は10分ともたない。またすぐに「あなたはいったい誰?」って感じで忘れてしまう。でも夫はその記憶の戻る一瞬のために、せっせと毎日読み聞かせる。

うーん、いい話だよね。映画はそんな二人の出会いから結婚するまでを描いているんだ。どんなことがあり、どんな形で愛をはぐくんできたか。ふたりの歴史のような物語。それがラストが私はできすぎだと思う。ああいう終わり方でなくても、十分いい話じゃないのって思うんだけど。

どっちにしても綺麗な映画だった。風景画は絶景だし、そこに繰り広げられる愛。人間結婚するならこういう結婚をしたいなぁと思う。ごく平凡な二人が出会い、そして愛した。そういう話。だから別に泣くことはないのだ。でもじいさんの愛の深さには、心打たれるものがあるのは事実。

静かに暖かい気持ちで終わる、それでいいと思った。なのでへんな期待をして見る必要はないかな。泣かなくても、とてもいい話であると切実に思う。

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