オールド・ボーイ
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

2004年 韓国公開
上映時間 120分
監督 パク・チャヌク
出演 チェ・ミンシク/ユ・ジテ
お勧め度

『親切なクムジャさん』を先に観たのだけど、クムジャさんの映画の前に復讐三部作と言われる作品のひとつがこれ、ということで観てみた。2004年カンヌ映画祭のグランプリをとったみたいだ。タランティーのが絶賛していたらしい。
すげーの一言。ただストーリーとしては、んなことねぇーだろうと言いたくなったり、そんなことであーた??というようなこと満載なんだけど、それを差し引いてもすげー。
『親切なクムジャさん』の時も書いたのだけど、こういう復讐劇って、被害者に感情移入するには、それだけのことをされれば復讐したくなる気持ちもわかるよなーっていう出来事でないといけないわけだ。ところがこの映画の話は、ええーっ、それって逆恨みというか、頭がおかしいんじゃないの?つていう感じなので、復讐を成し遂げた方に対しての賛同はない。
クムジャさんの方は、復讐の方法そのものは単純だった。もちろん復讐するまでの計画の練りようはすごいものもあったけれど、今回のオールドボーイは、復讐の方法も、ありえないというか、他者を巻き込んで不幸にしたら、それは反則だろうがと思ってしまったんだよね。
以下ネタバレ→(だってさ復讐の動機というのが、学生時代に自分と姉との近親相姦的な関係をオ・デスに見られ、それを噂話のように喋られた。そのせいで姉は噂を苦にして死んでしまった。そしてウジンは復讐をオ・デスにすることを決心する。
この動機がいまいち。だってさ学校の中で、姉とあんなことすれば、オ・デスじゃなくても誰かに見られる恐れは大きいわけだし、確かに口は災いの元で言いふらす方もよくないが、自業自得という部分も大きいと思うのだ。
それで復讐がまたすごい。オ・デスを15年監禁するんだ。そして15年目に解放するのだけど、復讐は監禁で終わったわけではない。というのも催眠術をかけてマインドコントロールするわけ。そしてオ・デスとオ・デスの娘に催眠術をかけて、二人を愛し合うようにしてしまうというわけ。つまり15年の監禁は、娘の成長のために必要な期間というわけよ。娘も15年前に失踪した(当時4才)父のことなんて顔とかも覚えてないわけだし、二人が出会い愛し合ってしまうように仕向ける。
おいおい、自分たちが近親相姦だったからって、近親相姦になるように仕向ける復讐って。あまりににも歪んだ復讐の仕方だと思われる。それにさオ・デスの娘は関係ないわけじゃん。娘を巻き込むなよと言いたい。)
というようなストーリーはあまりにも破綻しているようなことなんだけど、なぜか引き込まれる。主人公にもその復讐劇にも納得いかないのに、ぐいぐいと最後まで見てしまう不思議さがある。ただ気分のいい映画ではないので、これ見て楽しい気持ちになることはない。衝撃度はかなりのもので、韓国映画ってすごいかもって思った一本ではあるが。
見る人を選ぶ作品ではある。ただここまで見たら、第一作の『復讐に哀れみを』も見てみようと思っている。どんな三部作なのか確認したくなった。
【Story】
妻と一人娘を持つサラリーマンのオ・デスは、ある日突然何者かに誘拐され監禁されてしまう。そのまま15年間監禁され続けた後、突然解放される。デスはふとしたことから知り合った若い女性ミドと、監禁した相手の正体を探り始める。そしていつしかミドとデスは愛し合うようなる。
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