レオポルド・ブルームへの手紙
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ヒューマン・ファミリー・ドラマ

原題 LEO
2002年 イギリス・アメリカ公開
上映時間 103分
監督 メヒディ・ノロウジアン
出演 ジョセフ・ファインズ/エリザベス・シュー
お勧め度

なんか見終わったあとに、やりきれない思いが残った。切ないというのか、心が痛いというのか。
二つの物語が同時進行していくのだ。15年の刑期を終えて出所してきたスティーブンという囚人がシャバに出てからの出来事と、レオポルドという母親に愛されない少年の話。この二人は囚人との文通という事でつながっているのだけど、物語が進むにしたがって、ふたりの出来事がシンクロするときには、なんとも言えない気持ちになった。
またレオポルドの母も、毎日の結婚生活の中で、くすぶっていた思いがあって、夫と子供のために自分の夢をあきらめているといったことから、近所の人の告げ口で夫が浮気していると思ってしまう。あてつけのように、家の修理に来ていたペンキ屋と関係を持ってしまう。結局夫は浮気などはしておらず、おなかの子はペンキ屋の子か夫の子かわからない、いやペンキ屋の子と思っているため、息子を愛することができない。
レオポルドもスティーブンも心の中にずーっといだき続けていたことが、物語が進むことで折り合いをつけ、そして解放されていくのだけど、なんというのかな私は辛い気持ちが先にたってしまった。この二人の話を見事にラストまでもっていく様はすごいなぁと思うのだけど、すっきり爽快という気分にならないので、なんか胸がちくちく痛み、落ち着かないのだ。
いい話というのか、深く考えさせられる話であるので、見て損することはないのだけど、感動した!泣いた!っていう言葉で終わらせることができないので、見る時期を選ぶかもしれない。明るい気持ちになりたいとか、そういうことで見ると辛いので、物事を深く考えたいとき、軽い話に飽きたときに見るといいかもしれない。
ちなみに映画に出てくるジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』という本と、この映画に出てくる台詞や主人公の名前などは、引用している部分があるらしい。なのでこの本を読んでいるとまた違った意味合いで感じれるものかもしれないが、私は読んでないし、でも読んでないからと言って意味がわからないという事はない。
【STORY】
15年の刑期を終えて出所したスティーヴン。彼の心の支えは少年レオポルド・ブルームへ向けて手紙を書くことだった。レオポルドは学校の課題で手紙を書くという事で、囚人に向けて手紙を書いていた。レオポルドの母は、彼が生まれたときに夫と娘を亡くしたことで、息子を愛せなくなっていた。スティーブンの夢は自分に手紙をくれたレオポルド少年に会うことだった。
comments