明日へのチケット
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ヒューマン・ファミリー・ドラマ

2005年 劇場公開
イタリア・イギリス制作
上映時間110分
監督 エルマンノ・オルミ
出演 カルロ・デッレ・ピアーネ/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
お勧め度

列車を舞台にして3つのドラマが展開されます。監督さんも3人で、それぞれに作っているみたいです。完璧に3つの話が独立しているというわけでもなく、微妙にリンクする部分もあります。
一番目のエピソードは初老の大学の教授の淡い恋の話です。列車の中でパソコンを開いて彼女に手紙を書くための文章を作成し始めるのです。なかなかうまく自分の気持ちを文章にできずもどかしい様は見ていて、なんだか胸がきゅんとしてきます。
二番目のエピソードは、ものすごい傲慢な女性というか、たまにいるかもこんな人っていうような迷惑なおばさんと、彼女の世話をする若者との話。電車の中で自分の買ったチケットの席ではないところに堂々と座り、その席を予約した人物がクレームをつけると、ここは私の席だと譲らない。相当なおばちゃんです。
そして三番目のエピソードはサッカーを見るために列車に乗っていたのだけど、チケットをなくしてしまう3人組み。これは移民の子供が盗んだんだとエキサイト。移民の家族は家族なりに事情を抱えていて、さてこの3人、葛藤が渦巻きます。自分らもお金はないので、簡単にくれてやるとは言えない状況で、彼らはどうするのか。
何の変哲もない列車の中で繰り広げられる、それぞれの人生模様そして、ほんの一齣の出来事ですが、なかなか心温まる仕組みになっています。多数の人生が集まる場所が駅でもあるんですよね。ドラマティックな展開はありませんが、ほのぼのとさせてくれます。どのお話が好きかはそれぞれにあるでしょう。ローマへ向かう列車の旅を一緒に味わうようなお話です。
【Story】
オーストリアのインスブルック駅。飛行機が飛ばずに列車でローマに帰ることになった大学教授。将軍の未亡人と、彼女に付きそう青年フィリッポ。そしてスコットランドからやって来た、セルティックのサポーター3人組みがローマを目指して列車の中で繰り広げる出来事は。
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