手紙
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

2006年 劇場公開
日本制作
上映時間121分
監督 生野慈朗
出演 山田孝之/玉山鉄二
お勧め度

これ実際の刑務所でも上映された映画なんですってね。ニュースかワイドショーか忘れましたがそんなことやっていました。原作はこれまた読んでないのですが、東野圭吾さんの作品って結構映画化されていますよね。一度読んでみましょうかなんて思いました。
話の筋は、一言で言うと、兄が強盗殺人で刑務所で服役中。本人は罪を犯したのだから自業自得なのですが、自分の肉親が罪を犯すということは、自分の親族まで不幸に至らしめるというものです。
兄の犯した犯罪のせいで、弟は形見の狭い思いをしていきます。自分はなんら関係ないけれど、殺人犯の弟ということで、仕事も辞めなくてはならなくなったり、もちろん好きな女の子ができてもうまくいきません。結婚して子供ができても、その子供さえ犯罪者の肉親ということで、仲間はずれにされたりします。
つまり罪を犯すということは、自分と被害者の人生以外にも、被害者の肉親そして自分の肉親の人生をも変えてしまうということを認識すべきだと問うているわけです。
玉山鉄二さんの演技はすばらしいの一言ですね。鼻たらしながらの迫真の演技でした。たぶん皆さんここらで泣きのツボを刺激されるのでしょうが、私にとってのこの映画のツボは、被害者の息子が"許す"というシーンの方が強烈に心に残りました。決してそんな気持ちになることなどないと自分は思うので、それだけでそこの部分では、わたしく号泣。彼らは一生母親を殺されたことを抱えて生きていくのですが、それでももういいという言葉の重みには、果てしなく心が痛みました。決して心から許したわけではないと思うのですが、人間界で生きていく上で、一番難しいのが"赦し"なのではないかと思われます。
たぶんこの映画、犯人である兄は、自分の犯した罪をいたく反省しており、そしてとても悔いて刑期を勤めているから、皆さんこの弟にもかわいそうに、兄のしたことなのにという思いになると思うのです。でももしこの犯人である兄が、ふてー態度だったら、反省の言葉もなく、ふてぶてしくお天道様の下に出てくる日を心待ちにしながらわざとらしく反省しているように見せかけているような、あくどいやつだったら、弟に同情的な目を向けたでしょうか?
号泣しておいてなんなのですが、これいろんな視点から見てみると面白いかもしれませんね。いろいろと細かい部分でも、この映画は含蓄のある言葉が出てきますので、お時間のある方は原作と映画両方見比べるといいかもしれないですね。
【Story】
武島直貴の兄である剛志は、強盗殺人を犯し、無期懲役を言い渡されている。剛志の犯した罪により、直貴はいわれなき差別に苦しんでいた。
comments
ランキングからお邪魔させていただきましたm(_ _)m
この映画、私も観賞しました。小説もその前に
読んだのですが、映画では弟の最初の職業が
『漫才コンビ』ですが、小説では『バンドのボーカル』でしたが、最後の玉鉄兄さんの号泣シーンには、返って『漫才』の方が、対照的で良かったのかもしれません。
人が人を許す・・という行為。
一番大切なことだと、私も思います。
犯罪を犯した者は、自分の罪の反省だけではなく、自分に係わる全ての者達にも、迷惑を掛けるものだし、
その全部の責任もひっくるめて、生涯反省して行かなければ、いけないという教訓が残りましたね。
この映画、私も泣きました。
そして、沢尻エリカの奥さんも、陰ながら
凄い内助の功役で、良かったです。
ああいう、奥さんに憧れました。
では、お初ながら長々と失礼いたしました。
そしてはじめまして。(^^)
小説のほうは微妙に違う部分があるんですね。確かにバンドよりも漫才の方が、ラストの部分ではひきたった感じがしますねぇ。
お涙頂戴だろうなんて、高をくくっていたら、まんまと嵌り号泣したのはこの私です。(^^;)
そうそう、この映画江尻さんがとてもすばらしい女性でしたね。あの人がいたから救われた部分大きいと思います。私も原作を読んでみようと思っています。本でも号泣ものかしら?