人のセックスを笑うな

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

人のセックスを笑うな [DVD]原題 人のセックスを笑うな
2007年劇場公開
日本制作
上映時間137 分
監督 井口奈己
出演 永作博美/松山ケンイチ/蒼井優

お勧め度 ★3つ

山崎ナオコーラの原作を読んでいませんので、そのあたりと比べることはできません。というか、私って映画化された原作本って、ほとんど読んでないんですよねぇ。

この映画のタイトルは結構衝撃的(?)だけど、内容は年上の人妻に恋する大学生の話。別に不倫のどろどろでもなく、実にあっさりとした青春の一ページ。

美大生のみるめ(♂)は、ちょっと不思議ちゃんな女性ユリと出会う。このユリは39歳なのだ。永作博美って本当に童顔でかわいい感じなので、39歳の設定でもとてもその年には見えない。それでいて実に天然キャラ。

ユリは年上だけど、何故か守ってあげたいような、ほおっておいたら危なっかしい、そしてつかみどころのない不思議ちゃんで、きっとみるめはそんなユリにどんどん引かれていってしまったのがよくわかる。

ユリは実に自由奔放だ。猪熊さんという旦那さんがいる。旦那さんがいるけど、みるめに触ってみたかったんだもんという理由で翻弄する。でも彼女は悪女という雰囲気ではないのだ。子供っぽさと頼りなさ、だけど実は案外計算しているというというか、きっと自分では計算しているとは思ってない天然さ。ある意味こういう女こそ魔性の女なのかもと思った。みるめはユリに完全に嵌る。でもユリは実にあっさり。旦那さんのこともさらりと告げるし、悪びれるふうでもない。旦那さんは実にいい人というか、あの旦那だからユリと結婚生活を続けていられるんだろうと思う。旦那もユリの危なっかしい、頼りないところを十分に補ってあげたいという思いの強い男のようだ。

同じ女として、自分の恋人には絶対に紹介したくない女だ。絶対にとられそう。一度こんな小悪魔的な女になってみたいもんです。(笑)

永作博美と松山ケンイチの会話が、とても演技とは思えないというか、2人は本当につきあっていて、その様子を垣間見ているというような、その位自然な会話なのだよ。演技というよりアドリブじゃないかと思うくらい。だからよりいっそう、2人の年の差を感じさせない、そんな恋愛映画としてよくできている。

ただこの映画は起承転結というか、ラストはこうなりますみたいなはっきりした感じもなく、ゆるいままです。そんな雰囲気で終わります。ユリは旦那さんと別れるとかそんな気持ちは全く皆無だしね。ていうか、そんな狂おしい恋愛でもないんですよねぇ。みるめにとっては結構きついのかもしれないけど。おこちゃまのお遊びを描いた感じ。

映画そのものは結構長いです。137分です。私はそれ程苦痛もなく最後まで見れましたね。でもそんな単純な大学生の日常生活の一ページみたいな雰囲気なので、それが苦痛と思う人も多いでしょうね。

こういうのって、好き嫌いが分かれるかもしれないです。私は基本邦画は苦手だったんですけど、最近慣れてきたので、こういう映画案外大丈夫だったりします。

【Story】
19歳のみるめが通う美大に、非常勤講師としてやったきた39歳の猪熊ユリ。ある日ユリから絵のモデルを頼まれ、ユリのアトリエで2人は関係を持ってしまう。それ以来すっかりユリに夢中になってしまうみるめであったが、実はユリは結婚していた。
Date : Tuesday 5th July 2011 09:06
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さよならみどりちゃん

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

さよならみどりちゃん [DVD]原題 さよならみどりちゃん
2004年劇場公開
日本制作
上映時間90分
監督 古厩智之
出演 星野真里/西島秀俊

お勧め度 ★4つ

一言で言えば、ロクデナシのユタカに惚れた、これまた痛い女のゆうこの話。なんだけど、妙にこの2人の痛い部分に共感なんかしちゃった私がいる。(笑)

ユタカはろくでなし。
ゆうこと初めて寝たときに「俺、彼女いるから」とか言っちゃうやつ。
みどりちゃんっていう彼女がいるけど、何故かゆうこのアパートに行っちゃったり、でもゆうこの事は都合のいい女扱い。バイトの真希ちゃんにまで手を出しちゃう。女にだらしないオトコ。ゆうこの真剣な告白も沈黙のまま「じゃあまたな」で終える。

思うにユタカはきっと愛される事が怖いのでしょうね。だから決して自分も愛を与えない。それは臆病だから。傷つくのが怖いから。だから女に対して残酷なことも平気でやっちゃう。きっとやつは一生こうだと思う。愛することも束縛もしない代わりに、人を振り回して生きてゆく。ものすごく哀れなオトコ。なのにもてる。女を錯覚させることにはピカイチ。

ゆうこちゃん
都合のいい女。セフレのような扱いをうけてるけど、それでもユタカの求めに応じるゆうこちゃん。だってユタカが好きだから。でもユタカは自分の事を好きになってはくれないから、行きずりの男とも寝ちゃうし、自分の事を大切に思ってくれる年下の太郎君の気持ちを利用して、太郎君とも寝ちゃう。でも心はユタカが好き。ユタカに誘われるとついていっちゃう。惚れた弱みで、どんなにそれがダメダメな男でもずるずると続けてしまう。

第三者の目で見ると、ろくでもない男だからやめろよとか、ぶんなぐってやろうかユタカめ。とか。本当はゆうこの事、特別な女だとおもってんじゃないの?何逃げてんだよとか、勝手なこと言えるんだけどね。

なのに私は、ユタカやゆうこのダメっぷりが、いちいちわかっちゃって参りました。せつなくってやるせなくって、たまんないっす。

ろくでなしでも好きなんだよねぇ。←ゆうこちゃん
一度位女とちゃんと向き合えばいいのにねぇ。←ユタカ

とユタカとゆうこちゃん、2人の痛い部分は、自分の心の中にも絶対にあると思ったな。

オトコとオンナの間は理屈じゃないから、絶対にないと言いきれる人は、ある意味とても幸せだよ。

なーんて思った映画だった。案外面白かったジャン。

【Story】
ゆうこは好きなユタカとついに結ばれる。ところがその直後、ユタカから「俺彼女がいるから」と告げられる。ユタカにはみどりちゃんという彼女がいた。それでもユタカから離れられないゆうこ。嫌われたくないからと、ユタカにすすめられるままにスナックでのバイトも始める。求められるままにユタカと過ごすゆうこだった……。
Date : Sunday 3rd July 2011 00:00
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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! スタンダード・エディション [DVD]原題 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
2010年劇場公開
日本制作
上映時間141分
監督 本広克行
出演 織田裕二/深津絵里

お勧め度 ★2つ

踊る大捜査線はドラマの時から大好きで、実はドラマのDVD全部持っています。もちろん映画もDVDを買ったりしていたのですが、このシリーズ3は買ってないです。楽しみにしていたんですけどね。

あれほど魅力的だったキャラクターたちが、なんか収まっちゃった感じ。まあ青島君やすみれさんを知っているだけに、安心して見れるというのはあるんですけどね。

7年も経ってしまったとは。それに歴代の逮捕者を全員出演させるという大風呂敷。凄いんじゃないかと思わせておいて、つまんないんですけど。キョンキョンなんて、あの第1作で強烈な印象を与えただけに、今回はなんだかなぁでした。

青島君も係長に昇進しちゃったりして。でもそういう年齢だよね。だから若い頃のような爆発的に熱いキャラが押さえ気味な感じがするんですよねぇ。

湾岸署が新しい湾岸署に引っ越すところからはじまります。引越しの指揮をとるのが青島君。そんな中引越しに紛れて拳銃を盗まれる事件発生。そんなマヌケなことあり?まぁ湾岸署ならありえそうですけど。犯人の要求は過去に捕まえた犯人9人の釈放です。こんだけのことをしでかす犯人は、どんだけどでかい犯人かというと、実はとってもしょぼいです。がっくりです。

たぶん踊るシリーズを1回も観てない人は微妙かもしれない。知っていればそれだけで、暗黙の了解で気にわかる部分もあるので、そこそこ見れるかとは思います。そうでないと141分って長いよ。(笑)

【Story】
湾岸署では高度なセキュリティシステムを導入した新湾岸署への引越し作業が行われようとしていた。その最中に湾岸署管内で次々と事件が発生、ついには湾岸署から青島やすみれらの拳銃が3丁盗まれることになる。
Date : Tuesday 28th June 2011 19:19
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ダーリンは外国人

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

ダーリンは外国人 [DVD]原題 ダーリンは外国人
2010年劇場公開
日本制作
上映時間 100分
監督 宇恵和昭
出演 井上真央/ジョナサン・シェア

お勧め度 ★1つ半

この映画は元は同題名の『ダーリンは外国人』というマンガの映画化である。これ本当の話で、原作者の夫が外国人。その国際的な違いから巻き起こる、文化の違いの笑いなどを取り混ぜた、とても面白いマンガです。

それの映画化なのでちょっとだけ期待してみました。ですがつまんない。というか、ものすごく悪いわけではないんですが、マンガが面白かっただけに、それと比べてしまっていう感じでしょうか。

かといってマンガ家志望の日本女性とアメリカ人の男性とのラブコメディにしちゃぁ、かなり物足りないです。
どうせなら、徹底的に日本とアメリカの文化の違いをコメディ超にして、これでもかという位笑わせてほしかったなぁと思ったりもします。

ストーリー的には2人が愛をはぐくみ、結婚という一つの目標に向かっていくのですが、そこに家族の反対などがあり…というありきたりな展開の、のんびりしたゆるい話です。ハイ。それだけ。平凡すぎて面白くない。


【Story】
漫画家志望ののさおりは、アメリカ人のトニーと出会い、交際がスタートする。同棲し結婚に向かい両親への紹介という段階で、父の反対にあってしまう…。
Date : Thursday 9th June 2011 09:05
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サヨナライツカ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

サヨナライツカ [DVD]原題 サヨナライツカ
2009年劇場公開
韓国制作
上映時間 134分
映倫 R-15+
監督 イ・ジェハン
出演 中山美穂/西島秀俊/石田ゆり子

お勧め度 ★3つ

ミポリンの復帰作ということである。映画そのものはつっこみどころ満載で、こりゃあちょっと勘弁してくれという部分も多々あるのだけど、でもこの話は原作を読みたくなるかもと思います。

これあとから知ったけど、日本映画じゃなくて韓国作品なのね。出演者が全員日本人というだけで。監督が韓国人とは思いませんでした。

婚約者がいながら魔性の女ちっくな沓子に引かれ、お互いに逢瀬を重ねるわけです。このときからお互いにひかれて愛していたわけですが、まぁ豊は婚約者を捨ててまで沓子に走る事はしなかったわけですね。ある意味利口で計算した生き方ではあります。

そして時は経ち25年後…。
25年ずーっとお互いに忘れられない存在で、たまたま2人の出会ったバンコクで偶然にも再会してしまうのですよ。あのときにどうしても愛してるという言葉を言えなかった2人ですが。さすがに年とってますので静かな愛が流れ渡るのですけど。

私には25年も忘れられない人はいないけど、そんなに好きなら、25年前に愛してるって言えばいいのに。←それ言っちゃ身も蓋もない言い方だし、話が成り立たないけどさ。

これは幸いというか25年後に再会できて、お互いの気持ちをわかりあえる時間があったわけだけど、へたすりゃ25年の間に死んじゃうかもしれないわけです。それすごく嫌じゃないですか?だって設定的には、30歳前後くらいで出会って25年だよ。50代までずーっと好きなんだよ。それくらい好きで、25年後に我慢できなくなるなら、25年前にどうにかしようよ。

私にはあまり納得いかなかったです。だって25年間、豊の妻は別の女を心で愛した人と寄り添ってきたわけですよ。でもって夫は昔の女の元に行っちゃった…って。家族としては納得いかんですよ。ついで沓子もあれ以来ずーっと豊以外の人を愛することもなく、ひたすら自分の元を去っていった豊を愛し続けるのですよ。

でも豊の妻は肝のすわった人で、豊に沓子という愛する人がいることもわかっていて結婚、そして25年後沓子の元に行く豊をも送り出せる、ある意味すげーオンナではあります。

沓子も光子(妻)も、形は違えど豊を愛しているわけですが、それ見ていると、逆に豊よしっかりしろよお前!と言いたくなってくるんですよね。お前の優柔不断さが原因か?みたいな。

と文句たれてるけど、最後は不覚にも泣いちゃったけど。(笑)
まっ、なんだかんだとこき下ろしているのですが、25年も忘れられない人である存在になれたら、それはそれで幸せなのかもしれないですねぇ。

【Story】
バンコクの高級ホテルのスイートルームに暮らし、奔放に生きる沓子。ある日バンコクに赴任してきた若きエリートビジネスマンの豊と出会う。結婚を目前に控えていたが、謎めいた沓子の魅力に抗えず、2人は逢瀬をかわすようになる。
Date : Tuesday 7th June 2011 09:54
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今度は愛妻家

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

今度は愛妻家【通常版】[DVD]原題 今度は愛妻家
2010年劇場公開
日本制作
上映時間131分
監督 行定勲
出演 豊川悦司/薬師丸ひろ子/水川あさみ

お勧め度 ★3つ

いやいやどうしたんでしょう。この私が邦画続き。次も邦画の予定です。最近は洋画に1本位邦画を紛れ込ませて借りてます。

私は常々、自分の愛するものには口に出して愛していると言えと言っている。こっぱずかしいとか、言わなくてもわかるだろうというのが日本人だ。そういう私だって照れ屋なので、口に出すのは勇気がいるというのもよくわかる。しかしである。愛する人に伝える手段がなくなったら、どんなに言いたくても言えないのだ。絶対に後悔するだろう。

いや例えばだ。自分の好きな人間が、他の人間を好きだとしよう。自分がそこで好きだという事で、相手を苦しめてしまうというのなら、あえて口に出さない優しさ、それは理解できる。墓場までその気持ちを言わずにもって行けばいいのだ。

しかしである。お互いに愛しているのに言わない。夫婦だからいまさらだから言わない。それよくないと思うのだ。
と映画の話から大きくズレだ。すまない。(笑)

ろくでなしの亭主である、カメラマンの俊介は、妻のさくらは空気みたいなもん。あってもありがたみを感じていない。妻が旅行に行くというのをいい事に、女優志望の蘭子を家につれこんだり、そこを妻のさくらにみつかったり。カメラマンの仕事はたいしてしていない。そうぐうたらなやつなのだ。

結婚10年ともなるとそうなってしまうのか?こんな日常は永遠に繰り返される退屈な日々なのか。結婚って何なんだ?

これ号泣映画だと聞いていたんだけど、そうでもない。でも私の結論は、空気みたいなパートナーかもしれないけど、失ったら嫌でしょう?そう思うなら、今すぐ言おうよ「愛してる」

そういう映画だと思う。

【Story】
かつては売れっ子カメラマンだった北見俊介だが、今は写真も撮らない日々。一方の妻さくらは、旅行前にそんな夫に対し、子どもを作る気がないなら、別れて欲しいと告げる。その後旅行に行ったさくらはなかなか戻らず。
Date : Sunday 5th June 2011 14:12
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告白

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

告白 【DVD特別価格版】 [DVD]原題 告白
2010年劇場公開
日本制作
上映時間 106分
映倫 R-15+
監督 中島哲也
出演 松たか子/木村佳乃/岡田将生

お勧め度 ★4つ半

誰もがこの映画は衝撃的だと言ってました。ラストがそうきたかと思うと。邦画が好きな友達もそういいました。なのでさぞかし凄い映画なんだと期待満々。なんたってアカデミー賞の最優秀作品賞をとったくらいの作品ですからね。

えっ?想定範囲内のラストなんですけど。

と思ったのは私くらいなんでしょうか?あれありだよね?全然意外でもないし、刺激的でもないです。期待がでかすぎて、ちょっとがっくりきました。

とは言え、この作品は非常にうまいです。
自分の愛する子供を殺された母の気持ち。少年法という壁。それならば殺人者である少年を、自分と同じところにまで引き上げてやろうという復讐劇。とはいっても単に報復してやるというだけではなく、それは単なる建前的な部分だ。したくてしているわけでもなく、松たかこ演じる悠子は、子供を失うという引き裂かれるような気持ちを、少年に対して同じように味わわせるところまでせざるを得ないというのだろうか。決して彼女もまた心の開放はないのである。だからして、あの絞りだすような嗚咽シーン。どこまでいっても終わりのない思いをかかえ、そして生きていかねばならないのだ。

私は神のような人間ではないので、残酷なことをされたなら同じことをしてやってもいいのではと思う非情な部分ももちあわせている。はっきり言って今の日本では死刑廃止賛成ではない。死刑にかわる法がないから。しかし犯人が死刑になったらそれでおしまいなのだろうか?

きっとどこまでいっても楽になんかなれないだろう。それは犯人の死をもってしてもだ。悠子の復讐は的確だ。相手の少年らの急所をみごとに突いている。その展開に、きっと誰もが驚くのかもしれないと思った。

ラストのセリフ、あれに全てが凝縮されているといっていい。ゲームオーバーだ。
これは現代だからこそできた映画なのかもしれない。一昔前だったら、命の尊さを問う、熱血教師的な展開しか容認されなかったと思う。救いのなさを淡々と描写しているこれは、今だからこそなのであろう。
非常によくまとまっている、できた邦画であると思う。

【Story】
1年B組の担任の森口悠子は、告白を始める。一人娘の愛美がプールで死亡した事件は事故ではなく、このクラスの生徒であるAとBによる殺人だったと。そして少年法に守られた2人を自分自らの手で罰すると宣言する。
Date : Saturday 4th June 2011 20:07
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アマルフィ 女神の報酬

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]原題 アマルフィ 女神の報酬
2009年劇場公開
日本制作
上映時間125分
監督 西谷弘
出演 織田裕二/天海祐希/戸田恵梨香/佐藤浩市

お勧め度 ★3つ

悪くはない展開ではじまりました。そこそこ観れる話ではあります。織田裕二もこの主人公の外交官黒田という役を一応はこなしていると思われます。でも少々違和感を感じるのは私だけ?
クールで切れ者のキャラなんだけど、織田さんが演じるとむすっとしているだけというか、「何か気に触りました?怒ってる?」って聞きたくなるというのでしょうか。

イタリアのローマで、外務大臣の会合が行われるため、外交官の黒田康作が日本大使館に着任する。そこへ観光に来ていた矢上紗江子の娘のまどか迷子になる。実はそれは誘拐事件だった。邦人の誘拐事件という事で、黒田もかかわることになるのだけど、このあたりは比較的引き込まれつつ観れたんですよね。それが何のために一般の観光客の子供を誘拐しなくちゃいかんの?みたいな疑問からつながる動機がねぇ。大風呂敷広げて、そんなもんなんだ。それにしちゃあ、あんな程度の犯行じゃあねぇって感じなんですよ。ラストなんて、それでおしまいかよと思ってしまいました。

ネタバレ→(テロの被害者が犠牲になった妻の無念を晴らすため。外務大臣は知っていて事件をもみ消した。許せん。でもって外務大臣に真実を告白させてから殺そうと大計画を練るんだけど、結局殺せないまま諦める。)

黒田という外交官は切れ者なんだというのはわかりますが、あのような人がいたらさぞかしたいへんでしょうなぁ。イタリアの警察がぼんくらに見えてきちゃいますし。
ついでに自分の会社に、黒田さんがいたらやりにくいよねぇ。あの人人間関係築くの大変そうだもん。←えっ?

ひとえに映画でなくてもよくない?みたいな感じを受けたのは私だけでしょうか?
イタリアは綺麗な町で、一度行って見たいなぁとは思うのだけど、だからといってイタリアの観光地の映画っていう雰囲気でもなく、さらにあのとってつけたようなサラ・ブライトマン登場は何なんでしょうか?
イタリアの景色に流れる、あの美しい歌声はすばらしいとは思うのですけど、この映画と何の関係が?むりやりこじつけた感があるような。

ボロクソに書いているようですけど、ひどすぎるとは思いません。まあまあです。←とうていそう思えない感想文

【Story】
イタリアで外交官の黒田康作が大使館に派遣された。だが一人の観光客、矢上紗江子の娘まどかが失踪する。邦人の誘拐事件ということで、外交官の黒田は通訳担当となる。犯人からの電話に出る黒田。とっさに誘拐された子供の父親と名乗ってしまう。そこから事件に巻き込まれていくことになる。
Date : Monday 16th May 2011 21:58
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悪人

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悪人 スタンダード・エディション [DVD]原題 悪人
2010年劇場公開
日本制作
上映時間139分
映倫 PG-12
監督 李相日
出演 妻夫木聡/深津絵里/岡田将生

お勧め度 ★5つ

私は邦画って苦手だったりします。ですがこれは文句なしの5つ★です。これほど心の奥深くに切り込んでくる作品はないです。私の中では最高傑作です。

地方の閉塞感という鬱々とした中で生活する裕一と光代。そんな田舎から飛び出した佳乃。でも3人の心の中は満たされない思いでいっぱいだ。母に捨てられ祖父母に育てられた裕一は、肉体労働と祖父の介護に明け暮れる毎日。光代は紳士服の店で、働くだけの毎日。恋人がいて毎日楽しそうな妹とは裏腹に。佳乃は都会に出て保険外交員をしているが、ナンパされた大学生の増田を恋人だと友達に嘘を言いつくろう毎日。見栄を張るしか自分の存在をアピールすべを知らない。ぼんぼんである増尾は、何でも手に入れたような錯覚で、人を傷つけ乱暴に扱うことしか知らない。

このような心の渇望感を満たすために、出会い系サイトで知り合う主人公ら。「誰かに出会いたかった」その一言につきる。今のこの息の詰まるような日常から抜け出せるためには、そこから出してくれる誰かに出会いたかった。

何も裕一や光代ばかりではない。佳乃も都会に出てはいるものの、いつも心に満たされない思いを抱えている。それは都会という享楽の場に存在していてもだ。そんな中出合った裕一と光代。2人はその心の隙間を埋めるように求め合う。そして裕一の告白。ここから2人の逃避行がはじまる。

これは誰もが感じる孤独感だ。私だって一人暮らしをする前は、親元での生活にうんざりしていた。早く都心で一人暮らしをするんだって思っていた。光代が「国道沿いから一度も離れたことがない」と言う。その求めても求めても、そこから離れることのない生活への絶望感。でも佳乃のように、都会に出てもなんら変わりはないのだ。今までの欲求不満を解消するために、派手に遊んだとしてもそれも満たされない。

主人公らの孤独感や疎外感、このまま一生こうなのかという絶望感と息苦しさ。そこから出たいともがくのに出れない、息のつまるような毎日。それらが共鳴した2人。そして悪とされるものの、真の悪とは?みたいなひりひりとした感覚が、私にとっては非常に揺さぶられるものがありました。

不器用な生き方しかできない裕一の愛。殺人を犯した裕一の悪と、法的にはとがめられない増尾の悪。そして老人らを騙す悪徳商法の悪。加害者の家族をつるし上げるマスコミの悪。

沢山の悪と善との狭間に、胸を締め付けられる思いがする。非常に考えさせられる作品でした。裕一の最後の決断に号泣したのはこの私です。被害者の父の搾り出すような言葉「あんた、大切な人はおるとね」の言葉に、胸をズドンと打ち抜かれたのも私です。そして原作を買い、一気に読みふけり。そしてまた泣いたのも私です。

多くの人に見てもらいたい映画です。この中の主人公に心合わせる部分を少しでも持っている 人は、共鳴できる作品だと思います。
邦画も悪くないじゃん。

【Story】
長崎の漁村で母に捨てられ、祖父母に育てられた清水祐一。土木作業員をし、祖父母を面倒見るだけの毎日。そんなある日、出会い系サイトで知り合った石橋佳乃を殺害してしまった。ところが捜査線上にには裕福な家庭の大学生、増尾圭吾が浮上してきた。そんなある日、祐一のもとに、一通のメールが届く。かつて出会い系サイトを通じてメールのやり取りをしたことのある馬込光代からのものだった。やがて2人は直接会うことになる。
Date : Sunday 15th May 2011 09:44
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クワイエットルームにようこそ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)原題 クワイエットルームにようこそ
2007年劇場公開
日本制作
上映時間 118分
監督 松尾スズキ
出演 内田有紀/宮藤官九郎/蒼井優

お勧め度 ★3つ半

久しぶりに日本映画の感想です。松尾スズキさんの作品は今回で2回目ですが、前回が苦手だったので今回もびくびくしながら見てしまいました。

フリーライターの明日香は、ある日のこと目覚めるとそこは精神病院の閉鎖病棟にいました。どうもどうしてここにきたかわからない???話のよると睡眠薬の過剰摂取ということらしい。

という場面から始まり、明日香と他の患者たち、また病院のスタッフやこの病院の規則をからめ、コミカルというオブラートに包んで、だけど誰しもが持つ心の奥底に潜ませているダークな部分を露呈させる映画です。

笑いが実にブラックでディープなんで、ワハハと笑えないのです。なんていうのか笑ったらいけないような居心地の悪さがあり、実に怖い。人間の心に潜む深くて暗い闇の部分がわかるだけに怖い。

閉鎖病棟に入院している患者は様々です。拒食症あり、逆の過食症あり、明日香のような薬の過剰摂取あり、でも皆それらの奥に潜むできれば見たくない部分とどう折り合いをつけていくかに翻弄されているのです。

外の世界ではその危うさをなんとかバランスを保ちながら生きているのですが、それが崩れたらどうなるか。危うい綱渡りのような生き方。その中で自分をみつめ再生していかねばならない。明日香が抱えていた本当の問題、そしてそこから未来に向かって歩いていく様を描いています。

なのでバカ笑いできないですねぇ。たぶんこの笑いとヘヴィな部分のアンバランスさが何とも私を落ち着かなくさせているそんな気持ちになる映画ですが、明日香役の内田由紀さん、結構いい女優になりましたねぇ。昔はお人形みたいな人なんだと思っていましたが、人間って変わっていくもんですね。

評価は難しいです。娯楽作品でもなくストレートな社会派物語でもないので、たぶん見る人のメンタル状態によって左右されるかもしれないなぁと思いました。

【Story】
フリーライターの明日香は、ある日目覚めると、見知らぬ部屋でベッドに拘束されていた。そこは精神科の閉鎖病棟にある保護室(クワイエットルーム)だった。彼女は薬とアルコールの過剰摂取で昏睡状態となり、運ばれて来たのだった。
Date : Monday 25th August 2008 09:23
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