サイドウェイ
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > コメディ

原題 Sideways
2004年 アメリカ・ハンガリー公開
上映時間 123分
監督 アレクサンダー・ペイン
出演 ポール・ジアマッティ/トーマス・ヘイデン・チャーチ
お勧め度

一言で言うと、中年の男たちのロードムービー。アカデミー賞の脚色賞を受賞している。マイルズは離婚して二年経つが、まだ前妻のことが忘れられず、英語教師をしながら小説家になることを夢見ているがうまくいかない。なんかいじいじした男。そしてジャックは、一週間後に結婚式を控えているのに、結婚前のアバンチュールに命をかけている、売れない役者。
そんな二人が、ジャックの結婚前の一週間に、ワインをしこたま飲んで、ゴルフをする旅に出かけるわけさ。最初はつまらなかったよ。というか平坦な話で飽きちゃって、でもどうして後半は結構面白くなって、最後はなんかうるうるきちゃって、こりゃあどんな映画じゃって感じだった。
中年のいい年した男二人が旅に出るのはいいとして、旅の費用を実家の年老いた母親のへそくりを盗んで出かけるって、それはありえねぇーだろって思っちゃった。それはやっちゃいかんだろうと、私の倫理観を大いに刺激してくれたシーンよ。さらにジャックなんて、結婚まであと一週間なのに、ワイナリーで知り合った女とアバンチュール。マイルスはいつまでも女々しく前妻を思うんだけど、それはそんなすぐに割り切れないというのはしかたないとは思うよ。さらに小説の出版の話が流れたりして落ち込むのもわかる。でもいつまでも、俺は駄目な男なんだって暗くいじいじしているのは、いい加減にしてくれと言いたくなるくらいなんだ。さらにハゲで腹も出ていて、決していいルックスでもないんだな。
またワインのことがとても多く出てきて、ワイン通にはそれも楽しめるのだろうけど、私は酒飲まないし、ワインの銘柄を言われてもさっぱりなんだ。唯一わかったのは、オーパスワンっていうワインのことだけ。お高いワインだよ。
ワインの話題と人生を掛け合わせた会話とか、大人の映画だと思う。つまり若さ溢れるエネルギッシュな話ではなく、中年の人生折り返し地点にきた男達が、今までの人生を見つめなおしていく話なので、地味で黄昏てる話。ただジャツクがおバカなキャラなので、笑いありのエピソードも交えてるので、異様に暗いという事はない。
でもさ、人間だからそんなときもあるよなぁなんて思わせちゃうのが、この映画のすごいところかもしれない。人間はかっこ悪いところもたくさんあって、そんなとこもみんな見せちゃって、でも最後はちょっと勇気を出して踏み出してみようかっていう映画。私としては見終わったあとに、結構いい映画じゃんって思った。笑えるところもあり、ほろりとくるところもありの、中年映画はどうでしょうか?
【STORY】
小説家志望の中年のバツイチ英語教師マイルスと、売れない役者のジャックは、ジャックの結婚一週間前に二人でワイナリーを巡る旅に出かける。マイルスは旅先のレストランでマヤと再会する。マヤも離婚していたのだ。一方のジャツクは、ワイナリーでステファニーに出会うことになる。
ここから先は完全ネタバレ注意、よろしければどうぞ
マイルスは妻との10年の結婚祝いの時に飲もうと思って、取っておいた61年のシュヴァル・ブランを、離婚してもいつまでもあけれないでいた。なんだけど、妻との事を決別したとき、彼はこのワインをあけるんだよね。そう妻は別の男の妻になり、子供もできて、決して自分の人生と交わることのない存在になってしまったという現実を受け入れるしかないときに。あのときにマイルスの表情はいいねぇ、なんか切なくなるよ。人生って、ワインの熟成のように、喜びや悲しみ、いろんな感情が、時間の経過とともにうまく絡み合って、そして飲み頃を迎えるんだろうなぁ、なんてうんちくを言いたくなったりして。
40代って微妙な年なんだと思う。自分のこれまでの人生を振り返り、何も自分は達成していない。もう若くもない、自分の限界は自分がよく知っている。何か新しいことにチャレンジする勇気ももてない、いつも逃げて後ろ向きになっている。でもたった一人の自分のことをわかってくれる人がいたなら、少し勇気を出すことができる。それがマイルスにとっての、マヤであり、ジャックにとっては婚約者なんだよね。
派手さはなく、地味でとても現実的なんだ。夢がないような感じなんだけど、根底にはたった一つの愛があるならば…っていうのが溢れている映画だと思う。なので見終わった時に、なんか心に残るものがあるんだ。若者向きではないけれど、きっとこの年代に差し掛かった人には共感できる部分があるんじゃないかなぁとも思った。
40代って微妙な年なんだと思う。自分のこれまでの人生を振り返り、何も自分は達成していない。もう若くもない、自分の限界は自分がよく知っている。何か新しいことにチャレンジする勇気ももてない、いつも逃げて後ろ向きになっている。でもたった一人の自分のことをわかってくれる人がいたなら、少し勇気を出すことができる。それがマイルスにとっての、マヤであり、ジャックにとっては婚約者なんだよね。
派手さはなく、地味でとても現実的なんだ。夢がないような感じなんだけど、根底にはたった一つの愛があるならば…っていうのが溢れている映画だと思う。なので見終わった時に、なんか心に残るものがあるんだ。若者向きではないけれど、きっとこの年代に差し掛かった人には共感できる部分があるんじゃないかなぁとも思った。
comments
しかし この2人は 強い友情で結ばれてて 100歳になっても 友達のような気がする。
マイルスの悲しそうな目。旅行が終わって ジャックと別れる時の 彼の目は 悲哀に満ちてた。淋しそうだったよ。
なんか 解決できそうもない事が起こると マイルスが ワインをバケツのまんま飲んだり 猛烈にダッシュしながら ボトルを煽り走りまくったり。
禿げて 中年ではあるが 可愛い気もした。マイルス ガンバである。(^^)
不思議な映画ですよ、これは。
前半とても退屈で、見るのやめようかと思ってしまいましたが、後半に入ると、ほろ苦さと甘さを兼ね備えた不思議さがあります。
未練タラタラ男と本能のおもむくままの男たちの、悲哀に満ちた人生劇場といったらいいのでしょうか。とても人間くさい映画です。私は嫌いじゃないです、本作みたいなやつ。