ラブ・レター/パイランより
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

2001年 韓国公開
上映時間 116分
監督 ソン・へソン
出演 チェ・ミンシク/セシリア・チャン
お勧め度

浅田次郎の原作『ラブ・レター』を韓国で映画にしたもの。日本でも中井喜一が主演で映画化されたみたい。
カンジェというチンピラと中国からやってきたパイラン。この二人は偽装結婚の相手同士なんだけど、一度も会うこともなくパイランが死んでしまう。(病死みたい)そうするとカンジェは一応戸籍上は夫なわけで、遺体を引き取りに行かなくてはならない、そこでパイランからカンジェに当てた手紙を読むことになる。
といった感じのストーリーなんだけど、途中で涙腺が緩む場面もあるし、カンジェはチンピラでどうしようもない男なんだけど、結構純粋な部分も持ち合わせていて、会うことのない二人の間に流れる何かを感じられる話ではある。
だけど前半が長いのだ。というのもカンジェのチンピラとして、下っ端扱いの様子とか、そういうことに多く時間が割かれ、なかなかパイランとのかかわりが出てこないので、だんだんとこれはチンピラ映画なのかと飽きてくる。
そう思っているとやっとパイランが数多く出てきて、パイランは何故韓国に来たのか、どうして偽装結婚することになったのかっていうことがわかってくる。ここまで来ると比較的スムーズに話しにのめりこむことが出来るんだけどね。
パイランが会ったことのないカンジェにほのかな愛情を持つのはわかるんだ。異国の地で夫と呼べる人の写真を見ていて、だんだんと淡い思いを抱くようになる。ある意味幻想ではあるんだろうけれど、我々だって会ったことのないスターとかに、恋心のような感情を持つことはあるから、それと同じようなものだ。といってもパイランは一枚の写真だけしか持っていないだけなんだけど。
一方のカンジェは、パイランが死んで、彼女からカンジェに対する手紙を読んで、そのことで心揺さぶられる気持ちがわいてくる。今までは誰からも愛されていないし寂しい人生だった。そんな中唯一自分のことを好きですと言ってくれた偽装結婚相手の妻。「カンジェさんは結婚してくれて優しい」と何度も書いてある手紙。そんな手紙を読んで、こんな自分にも優しいと言ってくれる人間がいるとほろっときてしまった。なんとなくわかる。
手紙を読んでいるシーンはぐっと来るし、会うことのない二人だったけれど、二人とも幸せな気持ちが流れる事があってよかったとも思った。決して生きている間は交流することはなかったけれどね。パイランがあなたの妻のまま死んでもいいですか?と書くあたりはせつなかった。
だけどなぁラストはあまり納得いかない。唯一の救いは、カンジェの表情だけだった。優しい穏やかな顔だった。チェ・ミンシクって、『親切なクムジャさん』とか『オールドボーイ』とかに出ていたけれど、うまい役者だなぁとしみじみ思った。ものすごくくどくて、どっちかというと生理的にきもいおやじっていう印象なんだけどね。←褒めてんのかけなしているのか?
【Story】
カンジェはチンピラとして毎日暮らしていた。そんなある日妻が亡くなったという訃報を知らされる。相手は偽装結婚した妻だったことを思い出す。彼女はパイランという名の中国人で、カンジェは一度も会うことのなかったパイランの遺体を引き取りに彼女の住んでいた町へと向かう。
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