アメリカン・サイコ
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

原題 AMERICAN PSYCHO
2000年 アメリカ公開
上映時間 102分
監督 メアリー・ハロン
出演 クリスチャン・ベール/クロエ・セヴィニー
お勧め度

実はこの映画のレビューを書き終えた瞬間、せっかく書いた記事が全部ふっとんだんですよね。その瞬間この映画の主人公の気持ちがわかったような気がしたような。私も同類なのかもしれないなんてね。でねまた書かなくちゃいけないんだけど、もう二度と同じものは書けないので、いいかげん嫌になっているんだけどねぇ。
この映画は非常にダークな風刺の効いた映画です。アブノーマルで私としては、気分が悪くなった映画です。オカルト・ホラーとか、サイコ・スリラーって類のものではないんです。だけど結構すごい殺人の場面などが登場するので、心臓の弱い方はやめた方がいいかもしれない。原作は残酷なシーンが多すぎるとか、かなりの問題作扱いされたみたいで、発禁になったのかそれ寸前までいったのか?だけど、相当だったらしい。
【STORY】
若くして成功した超エリートな男が、突如殺人の衝動に駆られ、夜の街でホームレスや娼婦を次々と殺害していく。
ここから先は完全ネタバレ注意、よろしければどうぞ
この映画は完全にネタバレで書いていますので、お読みになりたくない方はお戻りになってください。
1980年代のウォール街で、一流企業で働くパトリックは27歳。朝はエクササイズで自分の肉体を鍛え上げ、男性コスメにもこだわりをもち、肌はサロンで小麦色に焼くイケメンな男。高級オフィスでは個室をもち、美人秘書もいる。才色兼備な婚約者もいるが、女との浮気にも事欠かない。いっけん誰もが羨む生活を送っている。
ライバルとは名刺がいかにかっこよく作るかという事で競い合い、予約の取りにくいレストランの予約を取ることに命をかけていたり、仕事はいつやってんの?と思わなくはないが、そんな毎日が淡々と流れてゆく。というのが前半なんだけれど、中盤に入ってから、突如してそんなパトリックが、いとも簡単に殺人を犯してしまうのだ。深夜にホームレスに対して、「仕事につけよ、アル。消極的な生き方をしていたらいけない。しっかりしろ、力になるよ」など言うような励ましを言う。ホームレスは「だんなは親切な人だ、ありがたい」と心を許した途端、にっこりと笑いながら「俺たちは違いすぎる お前は負け犬だ」と暴言をはいて、いきなりぶすっとナイフを突き立てる。
それからは理由などあってないようなことで、娼婦から挙句には自分の友人まで斧でめったぎりにしてしまうのだ。それもレインコート着て、床には新聞紙ので引いてだよ。もう無差別殺人の域。
彼の殺人は、快楽殺人とは違うんだよ。殺しを楽しんでやっているわけではない。殺人によってエクスタシーを感じようとかそういう事ではなく、ストレス解消でスカッとするために、簡単に殺人をしてしまうのが、パトリックなんだ。遊びやゲーム感覚。そこが非常に怖い。にっこり笑いながらだよ。首を冷蔵庫に保管したり。もう異常極まりない。だけど外では実に好感度の高いいい人なんだ。こういう人が自分の周りにいるかもしれないという思いと、そうなったら被害者にもなりうる恐怖、なんか不条理な出来事が耐えられないのよ。だって理由なんかないことで、頭跳ね飛ばされてごらんよ。
この映画は非常にポイントポイントで、凝った作りにはなっている。彼が借りてきた映画のビデオは『悪魔のいけにえ』だっりするんだけど。テレビにラストシーンが映っていたりして、それと平行するように、全裸なのに足にはスニーカー履いて、チェーンソーを振り回して、女を殺しちゃったりするんだよね。
それになんといっても、ものすごいナルシスト。女たちとセックスしながら、なんと力こぶを作り、鏡に映ったマッチョな自分に酔いしれているんだよ。人間というのは、欲しいものをすべて手に入れると、自分の内在に向かい、そして自己愛の塊になるとともに、虚栄心がどんどんと膨らんでいって、とうとう自己のバランスが崩れ爆発してしまう。物は満たされているけれど、心はぽっかりと穴が開いているといったそんな感じ。そうしてその穴から今まで見えなかった狂気が露呈するのだろうなと思う。
そうすると自分だって、そうならないとは限らな上、こういう人はごまんと存在するであろう事を考えると、非常に暗い気持ちになる。空しさがふつふつと湧き上がってきて、私は非常に後味が悪かった。
そしてラストなんだけど、これだけの殺戮を繰り返したパトリックはどうなるかというと、なんとこれは彼の頭の中での妄想の出来事だったのだ。つまり殺人は彼の心の中の出来事。でもみかけはあんなにスマートな人なのに、心では他人をめったぎりにしたいという思いが渦巻いているというわけさ。くだらない毎日に対する破壊願望というのだろうか。それは妄想であるがゆえに、彼の中ではこれからも永遠に繰り返されることになるのだ。これまた終わりのない苦しみを心に抱えているわけでもある。強烈に風刺の効いたブラック・ユーモアという終わり方。現代人の哀しさを表している。
駄目だよこういうムカムカするような映画は。笑いながら、それも淡々と無差別殺人というのがかなり苦手。何かしらの理由があってというのでないと駄目なんだ。パトリックの微笑みながらの殺人は、いくら妄想だとはいえ、どうやっても不快でしかたないんだ。パトリックは非常に見栄っ張りだから、ブランド物のスーツに身につけていて、自分を飾ることに対してはものすごく貪欲なんだよね。殺人もファッションみたいな感覚でさ、いゃー駄目だ。マジで胸くそ悪くなる映画だった。
実はどんな話かわかんなかったから、『アメリカンサイコ2』まで借りてきてしまったんだよ。これもこんな感じの不愉快な映画なんだろうか。失敗したよ。
1980年代のウォール街で、一流企業で働くパトリックは27歳。朝はエクササイズで自分の肉体を鍛え上げ、男性コスメにもこだわりをもち、肌はサロンで小麦色に焼くイケメンな男。高級オフィスでは個室をもち、美人秘書もいる。才色兼備な婚約者もいるが、女との浮気にも事欠かない。いっけん誰もが羨む生活を送っている。
ライバルとは名刺がいかにかっこよく作るかという事で競い合い、予約の取りにくいレストランの予約を取ることに命をかけていたり、仕事はいつやってんの?と思わなくはないが、そんな毎日が淡々と流れてゆく。というのが前半なんだけれど、中盤に入ってから、突如してそんなパトリックが、いとも簡単に殺人を犯してしまうのだ。深夜にホームレスに対して、「仕事につけよ、アル。消極的な生き方をしていたらいけない。しっかりしろ、力になるよ」など言うような励ましを言う。ホームレスは「だんなは親切な人だ、ありがたい」と心を許した途端、にっこりと笑いながら「俺たちは違いすぎる お前は負け犬だ」と暴言をはいて、いきなりぶすっとナイフを突き立てる。
それからは理由などあってないようなことで、娼婦から挙句には自分の友人まで斧でめったぎりにしてしまうのだ。それもレインコート着て、床には新聞紙ので引いてだよ。もう無差別殺人の域。
彼の殺人は、快楽殺人とは違うんだよ。殺しを楽しんでやっているわけではない。殺人によってエクスタシーを感じようとかそういう事ではなく、ストレス解消でスカッとするために、簡単に殺人をしてしまうのが、パトリックなんだ。遊びやゲーム感覚。そこが非常に怖い。にっこり笑いながらだよ。首を冷蔵庫に保管したり。もう異常極まりない。だけど外では実に好感度の高いいい人なんだ。こういう人が自分の周りにいるかもしれないという思いと、そうなったら被害者にもなりうる恐怖、なんか不条理な出来事が耐えられないのよ。だって理由なんかないことで、頭跳ね飛ばされてごらんよ。
この映画は非常にポイントポイントで、凝った作りにはなっている。彼が借りてきた映画のビデオは『悪魔のいけにえ』だっりするんだけど。テレビにラストシーンが映っていたりして、それと平行するように、全裸なのに足にはスニーカー履いて、チェーンソーを振り回して、女を殺しちゃったりするんだよね。
それになんといっても、ものすごいナルシスト。女たちとセックスしながら、なんと力こぶを作り、鏡に映ったマッチョな自分に酔いしれているんだよ。人間というのは、欲しいものをすべて手に入れると、自分の内在に向かい、そして自己愛の塊になるとともに、虚栄心がどんどんと膨らんでいって、とうとう自己のバランスが崩れ爆発してしまう。物は満たされているけれど、心はぽっかりと穴が開いているといったそんな感じ。そうしてその穴から今まで見えなかった狂気が露呈するのだろうなと思う。
そうすると自分だって、そうならないとは限らな上、こういう人はごまんと存在するであろう事を考えると、非常に暗い気持ちになる。空しさがふつふつと湧き上がってきて、私は非常に後味が悪かった。
そしてラストなんだけど、これだけの殺戮を繰り返したパトリックはどうなるかというと、なんとこれは彼の頭の中での妄想の出来事だったのだ。つまり殺人は彼の心の中の出来事。でもみかけはあんなにスマートな人なのに、心では他人をめったぎりにしたいという思いが渦巻いているというわけさ。くだらない毎日に対する破壊願望というのだろうか。それは妄想であるがゆえに、彼の中ではこれからも永遠に繰り返されることになるのだ。これまた終わりのない苦しみを心に抱えているわけでもある。強烈に風刺の効いたブラック・ユーモアという終わり方。現代人の哀しさを表している。
駄目だよこういうムカムカするような映画は。笑いながら、それも淡々と無差別殺人というのがかなり苦手。何かしらの理由があってというのでないと駄目なんだ。パトリックの微笑みながらの殺人は、いくら妄想だとはいえ、どうやっても不快でしかたないんだ。パトリックは非常に見栄っ張りだから、ブランド物のスーツに身につけていて、自分を飾ることに対してはものすごく貪欲なんだよね。殺人もファッションみたいな感覚でさ、いゃー駄目だ。マジで胸くそ悪くなる映画だった。
実はどんな話かわかんなかったから、『アメリカンサイコ2』まで借りてきてしまったんだよ。これもこんな感じの不愉快な映画なんだろうか。失敗したよ。
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