スイミングプール
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

原題 Swimming Pool
2003年 フランス・イギリス公開
上映時間 102分
監督 フランソワ・オゾン
出演 シャーロット・ランプリング/リュディヴィーヌ・サニエ
お勧め度

フランス映画嫌いだっつーに、それでもまた借りてくる私って変?
でもさもしかしたら、これは面白いかもって思って借りちゃうんだよ。でもいっつも裏切られるんだけどね。で今回はというと、たぶんハリウッド映画に慣れていると、恐ろしくつまらないかも。テンポがゆっくりしているし、解釈は見る人にゆだねますという映画だから。
でもさ私のツボには嵌るんだよね。こういう映画って、あとからじわじわくるんだ。不思議ともう一回見てみようかなんて思っちゃったりなんかして。妄想と現実の区別のつきにくい映画と言うのかな。サキイカみたいに、かめばかむほど味が出るというのかなぁ。
一般的に「楽しいから見てみて」なんて言う映画ではないのは確か。でもものは試しに見てって言いたいかな。好みがあるから、好き嫌いは真っ二つにわかれるだろうけど。
ターコイズブルーのスイミングプールが実に怪しい。ビジュアルとして、非常に美しいし、その美しさの中に、静かに横たわるシニカルさというのかなぁ。非常に余韻の残る映画。
【STORY】
ミステリー作家のサラは、出版社の社長にフランスにある別荘に誘われる。そこに社長は来ないかわりに、娘のジュリーがやってきた。自由奔放なジュリーは、毎晩ちがう男を家に連れ込んでいる。サラはそんなジュリーを疎ましく思う反面、次第にジュリーから目を離せなくなってゆく。
ここから先は完全ネタバレ注意、よろしければどうぞ
サラはもうすでに枯れ果てて、実に堅物な女なの、それとは対比的にジュリーはまばゆい若さと美しさを持っている。サラはそんなジュリーに対して、非常にジェラシーを感じているんだよね。
まどろむような光の中で、プールにきらきらと乱反射するターコイズブルーの水に飲み込まれる、現実と妄想の狭間。そのボーダーラインが非常に曖昧なんだけど、これは謎解きのミステリーという話ではないはず。
人間の中に潜む、嫉妬、憎悪、憧れ、そんなものが、二人の女性の対比として描かれている。複雑な心理が鮮明にそして静かに表現されている映画かなと思う。
リンチの映画はテンポよく、次々に映像がシャッフルされていく展開に対して、こちらのオゾンの映画は淡々と静かに流れていく。ちっとも難解ではないはずなのに、ラストへの持って行き方は、見る人によって、あれは現実の話なのか、それとも妄想なのか、どちらでもいいんですよって言ってるような気がする。
ある夏の暑い、そしてまどろんだような日々の中、私の解釈としては、あれはサラの妄想の出来事。でもジュリーとの日々は、サラ自身でもある。そうサラの中にはジュリーという存在も成立する。そう思う。妄想でもあるが、ある意味現実でもある。そう曖昧な境界を行ったり来たりするんじゃないかって思う。そんなことを通して、サラは自分の一番欲しいものはなんなのか、そしてそれを手に入れる方法は、手探りで自分の人生を探しあててゆく。それがラストにつながるんだろうなぁって。
シャーロット・ランプリングってもう60才に近い年齢らしいんだけど、すごいです。全裸になっても年を感じさせないよ。オールヌード、ヘアもありの映画。と書くとエロチックな画像を期待する人もいるかもしれないけれど、全然違いますね。そんな映画じゃないのは確か。
フランス映画、大嫌いだったけれど、この一本で見る目変わったかも。
レンタル返す前に、もう一度見よう。
まどろむような光の中で、プールにきらきらと乱反射するターコイズブルーの水に飲み込まれる、現実と妄想の狭間。そのボーダーラインが非常に曖昧なんだけど、これは謎解きのミステリーという話ではないはず。
人間の中に潜む、嫉妬、憎悪、憧れ、そんなものが、二人の女性の対比として描かれている。複雑な心理が鮮明にそして静かに表現されている映画かなと思う。
リンチの映画はテンポよく、次々に映像がシャッフルされていく展開に対して、こちらのオゾンの映画は淡々と静かに流れていく。ちっとも難解ではないはずなのに、ラストへの持って行き方は、見る人によって、あれは現実の話なのか、それとも妄想なのか、どちらでもいいんですよって言ってるような気がする。
ある夏の暑い、そしてまどろんだような日々の中、私の解釈としては、あれはサラの妄想の出来事。でもジュリーとの日々は、サラ自身でもある。そうサラの中にはジュリーという存在も成立する。そう思う。妄想でもあるが、ある意味現実でもある。そう曖昧な境界を行ったり来たりするんじゃないかって思う。そんなことを通して、サラは自分の一番欲しいものはなんなのか、そしてそれを手に入れる方法は、手探りで自分の人生を探しあててゆく。それがラストにつながるんだろうなぁって。
シャーロット・ランプリングってもう60才に近い年齢らしいんだけど、すごいです。全裸になっても年を感じさせないよ。オールヌード、ヘアもありの映画。と書くとエロチックな画像を期待する人もいるかもしれないけれど、全然違いますね。そんな映画じゃないのは確か。
フランス映画、大嫌いだったけれど、この一本で見る目変わったかも。
レンタル返す前に、もう一度見よう。
comments
また来ちゃいました。
映画、大好きなのです。
この「スイミングプール」、まったくもって頭の整理がつきませんでした。
そこで、皆さんの感想を知りたく検索していたら、なんさんのHPにたどり着きました。
いや〜、すばらしいレビューですね。
私の頭はスッキリ。
なんさん、物書きさんでいらっしゃるのかしら。。
kanaさんも映画見るの好きなんですか?なんだかうれしいです。
映画って意味がよくわかないものってありますよね。このスイミングプールも私の考えで合っているかはわかりませんが、なんとなく何度も見直して、そうなんじゃないかなぁって思ったわけです。
時々、私にはわけがわからない、誰か教えてというレビューもあります。
ちなみに物書きでもなんでもないです。文章書くのは好きですけれど。
kanaさんは、どんな映画がお好きなんですか?