東京タワー

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブストーリー・ロマンス

東京タワー プレミアム・エディション
原題 東京タワー
2005年 日本公開
上映時間 126分
監督 源孝志
出演 黒木瞳/岡田准一

お勧め度 ★3つ半

えーと、いい年して岡田君好きだったりするんだ。てへへ。この映画は二つの不倫カップルの話だ。一方はおしゃれで、仕事もうまくいってる女。もう一方は主婦という面を前面に出した女。そして相手はどちらもかなり年下。

詩史はずるくて欲張りすぎと思った。私はぶっちゃけ不倫は好きではない。というのもとくにどちらか一方が家庭持ちというのが駄目だ。なんでかというと、どんなに冷めているような家庭であっても、家庭という守りの中にいて、いざとなれば逃げられる家庭をもちながら、というのがどうにも駄目なんだ。配偶者にはないものを求める気持ちが、ふとした瞬間にあるのだろうが、すべてを捨てる事もできないのに、おいしいところだけ得ようとするのが嫌なんだ。まして片方が独身で片方が既婚だと、独身の方だけが我慢したりしなくてはいけないことが多くなる。

お互いに恋愛のおいしいとこだけ味わえればいいという、割り切った遊び前提ならば文句もないし、それを貫いて楽しい恋愛生活を送ればいいと思うけれど、結局は人の気持ちというものは、最初はそうであったとしても、どちらかの気持ちが強くなっていったりするものだったりする。もちろん不倫から発展して、本当に心から愛する人とであったという事もあるだろう。ただしそれならばお互いに離婚するべきで、離婚するにはしがらみがとかどうとか言い訳している内は、それが真剣だと言ったとしても、裏切り行為以外なにものでもないと思う。まっ、それでも恋は既婚でも未婚でも落ちてしまうものなんだけどね。

とここで私の不倫論を語ってもしかたないのだが、男が家庭持ちというのでなく、どちらも女の方が家庭もちというのがみそである。両方とも家庭環境は微妙に違うものの、子供がいない家庭というパターンだ。

透はもう若さ故どこまでも突っ走ってしまっているほどのめりこんでしまっている。あそこまで透を振り回すのはひどい。私の嫌いな不倫の典型。

つまりエリートの夫がいて、生活には不自由がなく、仕事も自分で店を経営して順調だ。夫は不器用なので、愛情表現がいまいちなのだが、詩史のことを愛しているにはいる。逃げ出したいようなDV夫とか、浮気しまくりの夫という事もない。なので多少の不満はあっても、そこそこ夫との生活も維持はしているのだ。そういう逃げ場を作っておいて、若い透との情熱的な恋愛の蜜だけ味わっている。

一方の喜美子はちょっと違う。喜美子の夫は駄目だありゃあ。妻のことなんてなんとも思ってない。単に家で家事をやってくれる存在程度にしか考えていないような夫だ。そんな日常の寂しさの中、駐車場で車の車庫入れを手伝ってくれた耕二に恋してしまう。耕二はどうも年上の女が好きみたいで、遊び半分の気持ちもあったようだ。だけど遊んで捨ててやろうというほどひどい男でもない。若いから人妻を夫から奪ってどうのという所までの真剣さまでもてないだけなんだろうな。耕二なりに喜美子のことは愛していたとは思うが、喜美子の愛と耕二の愛は点で交わっても、線で交わることはないと思う。なのでこの二人の未来は最初から見えているよなぁ。

といったような不倫が展開されて、それぞれの最後が描かれている。

映画としてはどうなのかと思うが、綺麗にまとまってはいるよ。ああいう終わり方で正解なんだろうなとも思うし、東京の夜景も美しくおしゃれだし。ただ現実にはあんなふうに恋愛は進まないだろう。もっとお互いに傷つけあいどろどろになるのが人間だし。なので不倫を美しく仕上げていて、そういうのに浸りたいなぁと思う時はいいと思う。つまらなくはないけれど、これは究極の不倫映画よというほどのものでもない。

【STORY】
エリートの夫を持つ詩史は、自身もセレクトショップを経営している。そんな詩史は3年前から、店を訪れた友人の息子で当時18才の透と恋に落ちる。そして現在も、大学生になった彼と愛し合っている。一方、透の高校時代からの友人である耕二も、同年代の彼女がいながら、人妻の喜美子と関係を持ち始めるのであった。

ここから先は完全ネタバレ注意、よろしければどうぞ
詩史は黒木瞳が演じているのだけど、41才という設定で、あんなに美しい41才だったら若い透も恋に落ちるかもしれないとは思った。でも現実にはあそこまでというのはなかなかないだろうねぇ。

喜美子を演じる寺島しのぶは35才くらいの女の役だけど、二人とも子供がいないので、恋に溺れる時間があるんじゃないかとも思う。だって子育てしながら若い男と会うというのは非常に困難をきたすと思うんだよ。だって子供を置いてラブホに行く時間確保だってたいへんだよ。さらに相手が大学生なので時間の融通もつけられる。社会人だったら絶対に無理のような気がするんだ。子供のいる主婦が、相手の男の仕事が終わってから、子供を誰かに預けて会いに行くなんて、やろうと思っても出来そうもないと思う。

つまり不倫を隠して、家庭のことや子供のことも手抜きしないでやろうと思ったらよほどのことがないと無理なんじゃないかという事だよ。

その点この不倫は、相手は学生、女は子供なし、という好条件がそろったから成り立っているようにしか思えないんだよな。もちろん世の中には、子持ちの主婦と不倫をする社会人の男という図式で恋愛しているカップルもいるだろうけど。

ラストはどうなっていくのかというのは、映画を見てもらうとして、ロマンチックな気分に浸って、ちょっと現実から逃避したくて、甘ーい恋を味わいたくてという人にはお勧め。あと岡田君と松本君のファンとか。

ラスト「明日あなたの心が離れても、あなたを愛してる」綺麗なせりふですねぇ。そのせりふとともに、山下達郎の歌声が…。一気に盛り上がる。場所はパリ。ありえねぇーだろ。でも嫌いじゃないよ、この映画。(笑)
Date : Friday 21st October 2005 23:11
author : なん :: comments (4) :: trackbacks (0)

comments

kana | Mon 24/10/2005 15:48
これ、本で読んだんですが、詩史は透の未来を考えてあげているんだろうかと、本気で心配になりました。

一時の恋愛をエンジョイするのもいいのですが、、、江國さん、「恋は落ちるもの」って言ってましたね。
あ、ご本人が確か不倫していると聞きました。

個人的には不倫に興味ないです〜。間違いなく刃傷沙汰ですわ。
なん | Mon 24/10/2005 17:32
映画の中でも、恋は落ちるものって言ってました。落ちたら許されるってもんじゃありませんと思いました。(笑)江國さん、不倫中なんですか、ほほーっ。

詩史は何も考えてないと思います。そして透と別れたとしても、彼女はまた同じことを繰り返すと思います。欲張りな人は、求めて求めて、さらにそれ以上を求めるものだし。原作も映画と同じような終わり方なんでしょうか?
kana | Tue 25/10/2005 10:22
本のラストは、、、(映画は分かりませんが)
詩史の方はずるずると続いてました。
喜美子の方は別れました。で、耕二はもう一人の彼女にも振られました。そして、新たに別の女の物色を考えてました。

喜美子役が寺島しのぶって、かなり興味あります。役にはまってそう。
なん | Tue 25/10/2005 21:25
映画とにたような感じではあるんですね。微妙に違うといえば違うけれど。寺島しのぶ、あの役あってると思いました。機会があったら、見てみてくださいませ。

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