新しい人生のはじめかた

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新しい人生のはじめかた [DVD]原題 LAST CHANCE HARVEY
2010年劇場公開
アメリカ制作
上映時間 93分
監督 ジョエル・ホプキンス 
出演 ダスティン・ホフマン/エマ・トンプソン

お勧め度 ★5つ

すいませんこの映画ツボです。というか実に心痛い映画です。やけに主人公の気持ちがわかっちゃう映画です。多分若い人にはわかんない映画だと思います。

人生の盛りを過ぎたというか、年齢的には40代から50代くらいの独身女性をエマ・トンプソンが演じています。母と2人暮らし、恋人もいない。仕事と家を往復するだけの人生。そんなケイトに恋人でもと紹介してくれた男性とデートをするのだけど、お店でデートをしていると、彼の女友達とか男友達とかが現れ、一緒にどう?みたいな。

その時のケイトの疎外感。自分といるときより若くて綺麗な女友達と話す姿を見て、明らかに自分といるときより楽しそう。そんな時にトイレに言って声を押し殺しながら泣くケイト。でも表ではそんなそぶりは全く見せずにふるまうケイト。

いやー、もう痛くて痛くて。だってこんな気持ち若い人にはわかんないと思う。ケイトが言うの「人生には期待しない」期待さえしなければこんな思いをすることもない。淡々と日常生活が流れていくだけ。そのほうがどれだけ楽か。恋に期待なんかすると、こういう惨めな思いをしてしまう。

一方のダスティン・ホフマン演じるハーヴェイは、CM作曲家であるが、仕事では自分はまだまだいけると思っているのに、実際は若い作曲家に仕事をとられてしまう。さらに離婚し妻のそばにいる娘の結婚式には、実の父という事で招待こそされるけれど、娘にはバージンロードは母の再婚相手の義理の父と歩くと言われてしまう。

2人とも人生の折り返し地点を過ぎて、誰にも必要とされていないのではないかという孤独感。惨めさ。そんな思いをたっぷりと味わい尽くしした時に出会う。

会話を重ねながら少しずつ惹かれていくのだけど、実に2人の心情を浮き彫りにしたいい作品です。でも見に覚えのあるような感情のオンパレードなので、心にずきずききてしまいますので、メンタル的に落ち込んでいるときにはやめておいたほうがいいと思います。絶望感や惨めさ感にさいなまれ、さらに落ち込むからです。

でもラストはいい気持ちで終われます。そんな2人にも暖かい明日が待っています。映画だからかもしれません。現実はそんないい事など起きないかもしれません。それでも希望を持たせてくれるいい作品でした。

原題の通りのラストチャンス、あなたにもあるといいですね。もちろん私を含めてですけど。

【Story】
離婚したCM作曲家のハーヴェイは、娘の結婚式のためロンドンへと向かう。しかし親族の集まりの中でも疎外され、おまけに娘からはバージンロードは義父と歩くと告げられる。一方母親と2人暮らしの、人生に期待しない孤独な女性ケイト。ある時空港のバーで、やけ酒をあおっていたハーヴェイから声をかけられる。
Date : Sunday 19th June 2011 09:28
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それでも恋するバルセロナ

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それでも恋するバルセロナ [DVD]原題 VICKY CRISTINA BARCELONA
2009年劇場公開
スペイン・アメリカ制作
上映時間 96分
監督 ウディ・アレン
出演 ハビエル・バルデム/ペネロペ・クルス/スカーレット・ヨハンソン

お勧め度 ★4つ

もともとウッディ・アレン監督はあまり得意ではないのです。彼の作品はちょっと皮肉っぽくてね。ウッディそのものもあまり好きではないというのもあるのです。以前書いたかもしれませんが、養女にした娘とのちに結婚しちゃうっていうのが、生理的に駄目。←作品とは関係ありませんが。ですが、この映画は心ひかれるものがある上、出演者がかなりいいので見てみました。

親友同士のヴィッキーとクリスティーナ。性格はまるで正反対。堅実なヴィッキーは絵に描いたようなマジメな青年と婚約中。一方のクリスティーナは、自由奔放な情熱家。そんな2人はバルセロナでひと夏のバカンスを楽しむことになる。そこに現われたのが画家フアン・アントニオ。ヴィッキーとクリスティーナの2人は、一人の男に恋しちゃうんですよね。私でも恋に落ちるかも。制御できる自信ないです。←えっ?(笑)

お互いに惹かれあうが、彼女たちの前に突然現われたフアンの元妻マリア・エレーナ。天才肌で激情家のマリアの登場で、4人の運命は複雑に絡み合う。

たぶん人は自分の中に、ヴィッキーとクリスティーナの2面を持ち合わせると思うのです。自由奔放でいつも自分探しを続けているような自分と、堅実で道から逸れないようにと軌道修正しながら、冒険心を抑える自分と。私は多分2人を足して2で割った感じ。なんだそれ。

ひと夏のアバンチュール的な話かと思ったら、最後はウッディ・アレンらしいというのか、実にシニカルと思ったのは私だけでしょうか。想定内に収めちゃったあたりが、私には非常にシニカル。何でもなかったかのようなひと夏の出来事。それがとても皮肉だと思うんですよね。だってあれだけの出来事ってそうそうないだろう?四角関係みたいな恋愛模様。いくらバカンスで訪れたスペインでの出来事でも。

なのにそれは何事もなかったのですよ。これは結構奥深いもんだと思ったのは、たぶん私だけだと思われます。でもきっとそうなんですよね。あの夏の思い出なんて感傷にひたる事はないのです。やっぱりウッディです。(笑)

【Story】
ヴィッキーは堅実でマジメであり婚約中。クリスティーナは自由奔放でいつも何かを求めているような女性。そんな2人がスペインに旅行に行く。そこに現われたのが画家フアン・アントニオ。たちまち恋に落ちるクリスティーナに対し、最初は警戒心を持っていたヴィッキーも次第にフアンに引かれてゆく。
Date : Wednesday 15th June 2011 11:44
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PS.アイラブユー

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P.S.アイラヴユー プレミアム・エディション [DVD]原題 P.S. I LOVE YOU
2007年劇場公開
アメリカ制作
上映時間 126分
監督 リチャード・ラグラヴェネーズ
出演 ヒラリー・スワンク/ジェラルド・バトラー

お勧め度 ★4つ

これも原作はベストセラーだった本のようです。
私はこの手のお涙頂戴ドラマが好きだったりします。わかっちゃいるけど泣かされる。そしてありがちだと思いつつも絶賛するみたいな。

最愛の人との別れ。それも死をもってというのは、はかりしれない位辛いものだと思います。私も人並みに年齢を重ねているので、親の死や友人の死に直面した事もあり、この世の中から愛するものがいなくなる痛みというのはよくわかります。

この映画は最初から激重なのかと思ったらところがどうして、コメディなのかというような前半です。夫が脳腫瘍で亡くなるという話はほとんどさらりとしか描いてません。何で死んじゃったんだろう?と思ったら、葬式の場面で脳腫瘍でって言っているのを耳にして、そうなんだとわかるといった程度です。葬式のシーンもお笑いを取り混ぜています。なのでこれはコメディなのか?と思っても不思議ではない導入なんですね。

夫が亡くなり失意の日々を送っているホリーですが、あるとき家族がホリーの家に来て、亡き夫から預かったというテープを渡します。それを聞くと、明日から手紙が届くから、それに従うようにという夫からのメッセージでした。

ここからがホリーの再生へのスタートがはじまります。愛する妻を置いて旅立たなくてはいけない夫。そして残された妻。その2人の交流が手紙なんですね。夫がなくなった今、彼からの唯一の愛情表現を感じられるのがこの手紙です。

いつまでこの手紙が続くのか、その手紙を心の支えに日々生きていく。でも手紙が届くと幸せだけど、届くたびに夫はもういないという現実に打ちひしがれる。人はいつかは受け入れなければいけない現実があるのだけど、その一歩がなかなか踏み出せなかったりするものです。

この映画を見ていると、愛する人との今という時間を大切にして生きていかなくてはという気持ちにさせられます。いつなんどきその愛する人との別れが来るかもしれないのですから。

ジェラルド・バトラーは反則ですね。あの人の優しい目にみつめられたら、ノックアウトです。優しいそしてコミカルな夫を実に上手く演じています。それだけで満足してしまいました。

アイルランドの美しい風景も圧巻です。タイトルだけでもどんな話か想像ついちゃいますけど、それでも見終わっていい意味での余韻が感じられる映画でした。見てよかったです。

【Story】
ホリーは夫ジェリーと幸せに暮らしていた。だがある日突然、ジェリーは脳腫瘍でこの世を去ってしまう。それから3週間、ホリーは悲しみのあまり引きこもり状態になってしまう。そんなホリーの30歳の誕生日に、家族や親友たちから、ケーキとテープレコーダーが入った贈り物が届く。何とその差出人は、今は亡きジェリーだった。
Date : Sunday 27th March 2011 17:49
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恋愛小説家

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恋愛小説家 [DVD]原題 AS GOOD AS IT GETS
1998年劇場公開
アメリカ制作
上映時間 138分
監督 ジェームズ・L・ブルックス
出演  ジャック・ニコルソン/ ヘレン・ハント

お勧め度 ★4つ

あけましておめでとうございます。
昨年は映画を見ても、ちっとも感想文が書けませんでした。今年は少しずつでも、もう少し更新できたらと思っていますが、どうなることやらです。

新春一発目は、去年見た『恋愛適齢期』のジャック・ニコルソンのもう一つの作品『恋愛小説家』です。こういう人っていますよね、素直になれなくてわざと相手の嫌がることを言ったりしちゃうっていう人。好きな人に意地悪するみたいなパターンの人間関係バターン。毒舌ばっか吐いて、人に嫌われちゃうのがジャック・ニコルソン演じるメルヴィン。ホント偏屈おやじなんですよ。

ただ彼は嫌なやつなんだけど、心底憎々しく思われないのは、たぶん皆が本当はそんなに嫌なやつでもない、ただ不器用なだけだというのが感じられるからだと。

メルヴィンはそんな性格だけど、やっぱり人並みに恋はするわけでする。不器用だからキャロルに好意を持っていてもなかなかうまく行きません。そのもどかしい過程をメルヴィンとともに歩むのがこの映画じゃないかと思います。

また周囲の隣人や犬とのかかわりを含めて、人間関係が展開していってラストに持っていく様は、なかなかお見事だと思います。甘々な恋愛映画ではなく、大人の不器用なそしてちょっとビターで、でもほっこりするドラマです。だいたいジャック・ニコルソンのあの怖い顔がいいんですよね。これが超ハンサムな役者が演じたらどうなっていたか。

大人の恋が見たい方はどうぞ。

【Story】
偏屈で嫌われ者のベストセラー作家のメルヴィンは、バツイチで子持ちのウェイトレスのキャロルに恋をしてしまう。
Date : Sunday 3rd January 2010 22:40
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恋愛適齢期

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恋愛適齢期 [DVD]原題 SOMETHING'S GOTTA GIVE
2003年劇場公開
アメリカ制作
上映時間 128分
監督 ナンシー・マイヤーズ
出演  ジャック・ニコルソン/ダイアン・キートン/キアヌ・リーヴス

お勧め度 ★3つ半

結構中年以降の人には美味しい映画ではないでしょうか。だってなんだかんだ言っていくつになっても人に愛される、恋愛し続けるってというのは憧れなんじゃないではしょうかねぇ。若い人ならいざしらず、やはり年を重ねると愛だ恋だというのは二の次になりそうですし。(そうでない人もたくさんいますが)

この映画に出てくるジャックニコルソン演じるハリーみたいな男性はたくさんいそうですよね。自分よりはるかに年若い女性と恋愛するって。でも女性の場合は、なかなか自分よりはるかに年下の男性と恋人になるってできなそうです。でもダイアン演じるエリカはなーんとキアヌ演じる年下の男性からも愛されちゃうのです。いいなぁ、キアヌだよ。えっ?そういう問題?

まあこう世界もあるでしょうが、ある意味幻想でもあるような気がします。現実はもっとしょぼいでしょうし。←夢がない。

でも面白かったですよ。微妙な距離の取り方とかは、若い頃の恋とは違いますし。私ならジャック・ニコルソンじゃなくてキアヌを選ぶでしょうけど。←単に自分の好みじゃんかと言わないように。(笑)
【Story】
ハリーは30歳以下の女性としか付き合ったことがない63歳の独身プレイボーイ。ある時ハリーは恋人のマリンと海辺の別荘にきていた。そこへマリンの母エリカもやって来る。エリカは人気劇作家でバツイチの54歳。自分よりも年上の男と付き合う娘に面食らう。そんな時ハリーが心臓発作で倒れてしまう。
Date : Thursday 15th October 2009 21:24
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ONCE ダブリンの街角で

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ONCE ダブリンの街角で デラックス版原題 ONCE
2006年劇場公開
アイルランド制作
上映時間 87分
監督 ジョン・カーニー
出演 グレン・ハンサード/マルケタ・イルグロヴァ

お勧め度 ★5つ

いろいろ評価が分かれているみたいですが、私にとっては傑作です。私こういう話好き。ただそれだけです。

何でもアメリカでは2館の公開だったのが、口コミで広がり140館まで上映されるまでになったという曰くつきの映画らしいです。スピルバーグも絶賛した作品だとか。私は常々、ささやかな日常を切り取った作品というのが好き。この映画もそうなんですねぇ。

一応ラブストーリーと言えるのですが、恋というよりも男と女の友情というか友達以上恋人未満のふたりのお話です。キスシーンもドラマティックな恋の展開など何一つありません。穴のあいたギターを使って演奏する街角のストリートミュージシャンと、チェコからやってきた移民の女性との、本当にささやかな心の通じ合うお話です。映画の中では男と女の名前すら出てきません。名前なんて必要ないのです。

人生の中のひと時男と女が出会い、でも本当に大切で宝物のような出会い。"人生でたった一度心が通じる相手に出会えたら"予告編に流れるキャッチコピーです。音楽映画なんですが、映画の中を流れる音楽がまたすばらしい。ラストではまさに久々にうるっと泣いてしまった映画です。恋が実ってとかそのでの映画ではありません。アイルランドという国そしてイギリスとの関係、このあたりをからめて出来上がった、実に地味だけど、心にしみる優しい手触りの感じられる人間愛的ないい作品です。

映画の中に流れる音楽もなかなかすばらしいのです。いい意味でせつなさを盛りあげています。

【Story】
男は穴の開いたギターで街角に立つストリート・ミュージシャン。そんな男の前に花売りのチェコからの移民の女。二人はやがて一緒に演奏することで絆を深めていく。
Date : Thursday 24th July 2008 21:24
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プロヴァンスの贈りもの

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プロヴァンスの贈りもの原題 A GOOD YEAR
2006年劇場公開
アメリカ制作
上映時間 118分
監督 リドリー・スコット
出演 ラッセル・クロウ/アルバート・フィニー

お勧め度 ★3つ

一部のお金持ち以外は、この日本ではありえない世界の話です。というのも誰しもがこんな人生送りたいという夢のような生き方だけど、この貧乏性で勤勉な日本人には無理でしょう。

若い頃に死ぬほど働いて、早期リタイヤして残りの人生のんびりと過ごす。だけど今の日本は、若い頃死ぬほど働いても、早期リタイヤなんてできないです。年取ったら若いとき以上に働いている私はどうするの?

証券会社に勤めるエリートトレーダーのマックスは、叔父さんが亡くなり、彼の近親者ということで、遺産や叔父さんの持っているぶどう園のことも含めプロヴァンスへ向かう。とっとと売り払い、早く仕事に戻らねばという気持ちで行ったのだけど…。

都会で暮らすマックスは田舎はあわないと思いつつも、何故かプロヴァンスの美しい風景とのんびりとした時間の流れ、そして美しいファニーという女性に出会う。そして彼の選択はいかに。

いやぁプロヴァンスは美しい、確かにスローライフに憧れる現代人にとっては、ほっとするような映像の数々。そういう意味では見る価値のある映画だと思います。ただ話の内容的には可もなく不可もないというのでしょうか。話の展開は何のひねりもないストレートそのもの。私はこの手の映画なら『トスカーナの休日』の方が好きかなぁ。

それでも非日常を忘れるにはいい映画かと思います。実際私もこんなところでのんびりしたいなぁと思いますしね。都会のギスギスした生活や仕事オンリーの生き方を思えば、これは理想郷でしょう。マックスは別に仕事に執着しなければ、金持ちだしいつだって隠居できる身ですしねぇ。

【Story】
マックスは子供の頃、毎年夏になると南仏プロヴァンスにいるヘンリーおじさんのもとを訪れていた。やがてマックスはロンドンでは有名なトレーダーとして多忙な日々を送っていた。そんなある時おじさんが亡くなるという訃報が届く。遺産相続者となっていたマックスだったが、全て売却するつもりでプロヴァンスへ向かうことに。
Date : Monday 14th July 2008 10:41
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幸せのレシピ

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幸せのレシピ 特別版原題 NO RESERVATIONS
2007年劇場公開
アメリカ制作
上映時間 104分
監督 スコット・ヒックス
出演 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/アーロン・エッカート

お勧め度 ★4つ

これはドイツ映画の『マーサの幸せレシピ』をリメイクしたどっちかというとラブコメディ的な映画。オリジナルの方はラブストーリーも絡めているけれど、ヒューマンチックな方を軸にしています。

料理の腕はピカ一だけど、神経質で人付き合いの下手な主人公が、おおらかな同僚と付き合うようになって、段々と心開いていくという話しだけど。これはラブストーリーとしてはハリウッドらしくいいとは思います。ただドイツのオリジナルと比べちゃうとアプローチの視点が違うし、オリジナルに軍配があがってしまうでしょう。

ドイツバージョンのマーサは本当に社会性がないくらいの神経質で堅物で思い込みが激しくプライドは果てしなく高い。こりゃあすごい女だなぁという人物像で、それを姪のリナとのかかわりや新入りのマリオによってどう変化していくのかが実によく描かれていたけど、今作の主人公ケイトはマーサほど極端ではないです。まぁ料理に関してのプライドの高さや、人に甘えることが苦手だったりする部分は共通していますが。

そんなケイトがおおらかでユーモアのあるニックによって、自分の殻を破り人に寄り添うことを知っていく、そんな中愛が芽生えていく様は、ラブストーリーの王道でしょう。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズは美人だし、ラブストーリーとしてまとめたところは誰が見てもハッピーなお話として楽しめると思います。私はこれはこれで好きです。マーサとは別のお話としてみれば十分いけると思います。なんとなくにんまりとするほほえましいラストですし。

【Story】
マンハッタンの高級レストランで、超一流の腕前を持ったシェフのケイト。しかし完璧主義が過ぎるところがあり、客とぶつかるところもしばしば。そんなある日、姉が事故で亡くなり、ケイトは9歳の姪ゾーイを引き取り一緒に暮らすことになる。なかなか心を開いてくれないゾーイに苦悩しているところへ、仕事場にはケイトの知らないうちにニックという副料理長が仲間として新たに加わり、職場の雰囲気がニックに染まっていくことに焦りを覚える
Date : Tuesday 17th June 2008 16:22
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ショートバス

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ショートバス スペシャル・エディション原題 SHORTBUS
2006年 劇場公開
アメリカ制作
上映時間101分
映倫 R-18
監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演 ポール・ドーソン/スックイン・リー

お勧め度 ★3つ半

R-18指定です。過激な描写のセックスシーンが多いです。別にアダルト映画というわけではありませんのでエロいことを目的に見ても何も感じないと思われます。というかこれは私が女だから?わかりませんが。セックスは単に人間の抱える心の闇や口渇感みたいなものをそれで満たそうとする手段でしかないという感じというのでしょうか。

ストーリーはオーガズムを感じたことのない恋愛カウンセラーのところに通うゲイカップルがいて、彼らに誘われて「ショートバス」というサロンに行くのです。そのショートバスにはいろんな人間模様があるのです。身体を重ねても心を重ねられない、またその逆もあり。一見見ていると乱交パーティのように見えるシーンも多く、モザイクものが多いです。なので映像そのものはものすごくリアルなので、引いてしまう人も多いと思われます。というかゲイカップルの3Pなんて、あまりにアクロバット的で想像もつかない映像でしたし。

ですがこの映画はアダルトビデオではないので、きわどいシーンは多いけれど、根本は自分の心や性の開放をうたった作品ではないかと解釈しました。ただ見る人はものすごく選ぶと思います。

なんていうのか実に不思議な映画でして、私は主人公たちに感情移入という形はなかったのですが、なんだろうなぁ自分の心のどこかに持っているであろう、ある一部分を刺激されるような気持ちになってくるという、実に抽象的な表現なんですが、そこはかとなく哀愁ただような、そんなそんな作品です。

心に抱えている暗闇を、一つ一つの灯火が大きな愛となっていく、それをNYの町並みとあわせ、アーティスティックに描いた映画でした。

ものすごく好き嫌い分かれそうな映画ですので、見るときは覚悟してみたほうがいいかもしれませんね。

【Story】
孤独を感じるSMの女王セヴェリン、恋愛カウンセラーなのに、夫とのセックスでオーガズムを一度も感じたことのないことを悩むソフィア、ソフィアの元にカウンセリングにやってきた、ゲイのカップルのジェイミーとジェイムス。彼らはサロン「ショートバス」に集う。そこは多種多様な思いを持った人間が開放を求めて、セックスに身を委ねる場所であった。
Date : Sunday 30th December 2007 10:44
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グッド・ガール

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原題 THE GOOD GIRL
2002年 劇場公開
アメリカ・オランダ・ドイツ制作
上映時間93分
映倫 PG-12
監督 ミゲル・アルテタ
出演 ジェニファー・アニストン/ジェイク・ギレンホール

お勧め度 ★3つ半

ジェニファー・アニストンですから、明るいキャピキャピラブコメなのかと思ったんですが、TSUTAYAの紹介ではわりと重めの話のようなことが書かれていて、でもいい映画みたいな…。それで借りてきました。

うむー、これはラブコメではありません。倦怠期の妻の浮気と言ってしまえばそれだけで終わってしまいそうなんですが、一言で言うとそれです。

ただこの主人公が感じる息のつまる先の見えない苛立ちみたいなものはよくわかります。夫は決してハンサムでしゃれた人ではないです。どっちかというとずんぐりしているし、仕事から家に帰ってくれば、同僚とマリファナ吸いつつ、テレビを見てゴロゴロ。自分はスーパーの仕事を終えて帰ってくると、こんな夫の様子を見て爆発。

こんな気持ちは、世の奥様たちは一度は経験があるかもしれませんね。でも旦那は悪い人ではありません、妻がイライラして、テレビがうまく映らないことに怒りの矛先を向けて怒っているのを見れば、ちゃんと直してくれます。ただ言われないと気がつかない夫なので、そういうところが苛立ちの原因なんでしょうね。それにテレビに怒りを向けているけれど、それは単なるきっかけでしかないといいますか、鈍感な夫に対する不満満載という感じです。

この先の未来もたかが知れている、そんな鬱々とした日々に、同じスーパーで働く22才のちょっと孤独な影のある年下ボーイに引かれるジャスティン。ありがちです。でもこいつは駄目です。子供過ぎて暴走します。

なんていいますか、この映画妻であるジャスティンの気持ちは理解はできるのですけど、それほど共感はできないんですよね。よーくわかるのイライラしちゃう気持ちとか、若い年下君と火遊びしちゃうってのも、そして失敗してあちゃーってなるのも、浅はかな考えが人を傷つけることも。もしかしたら自分だってそうならないとは限らないかもって。なんだけどあまりに現実的で、映画見ていてすっきり爽快感という気持ちになれず、なんだか重々しく終わってしまったのですね。それにジャスティンの行動もそれは行き過ぎというのもありますし。

今旦那に不満があって、浮気しちゃいそうな人にはいいかもしれません。教訓として。

【Story】
ジャスティンは地元のディスカウントショップで働く30歳の主婦。同じことを繰り返すだけのウンザリする毎日を送っていた。そんなある日、ジャスティンは同じ職場で働くホールデンと心を通い合わせるようになる。やがて2人の関係は不倫へと発展していく。
Date : Monday 26th November 2007 13:57
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