クライシス・オブ・アメリカ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

クライシス・オブ・アメリカ スペシャル・コレクターズ・エディション
原題 THE MANCHURIAN CANDIDATE
2004年 アメリカ公開
上映時間 130分
監督 ジョナサン・デミ
出演 デンゼル・ワシントン/メリル・ストリープ

お勧め度 ★3つ半

これは洗脳やマインドコントロールを政治に利用しようという話。さらにこれに利用されるのが、副大統領候補であるレイモンド。そのマインドコントロールの裏にあるものは?結構面白かったよ。

戦場で起きた出来事は、自分の脳に埋め込まれた別の記憶だったとしたら。日常生活でも自分が思っている記憶が、実は現実とは異なり、そう思いこまされていたとしたらなんて考えると、結構興味をそそる話だよね。

マインドコントロールされているという事は、本人は気がつかないんだよ。自分で決めて自分で人生を選択して歩んでいると思っていても、影でコントロールされている操り人形だったしたら。でも記憶を塗り替えても、本当の自分は必ず存在する。その本当の自分が現れるのが夢の中。夢の中までは変えられない。

この洗脳を受けているのは何もレイモンドだけではない。レイモンドが湾岸戦争でクウェートに行ったときの部隊の仲間たち全員もそうなのだ。マルコ少佐(デンゼル・ワシントン)も、そのういう別の記憶を埋め込まれてしまっている。だがそんなことに気がついた時、彼は真実を追究しはじめるんだ。こういう洗脳との戦いって、現実にはたいへんだろうなと思うよ。だって信じ込んでいるものを変えるっていう事ですら、容易にはできないわけだし。まして相手は洗脳の事実を信用しないし。

マインドコントロールをかけるキーワードって言うのもあるんだよ。ある言葉を言うと、それを聞いた途端暗示にかかり、そこで言われたことを実行してしまう。つまり人を殺せと言ったら、知らぬ間に人を殺していたり。でも自分はそのときの記憶はないんだ。そりゃあ恐いことだよ。自分の知らないところで、自分を操られてしまっているようなものなんだから。

【STORY】
湾岸戦争で英雄となったレイモンド・ショー。彼は政界に入り、副大統領候補にまで登りつめる。そんなレイモンドの演説を元上官のマルコ少佐は複雑な思いで見ている。彼は最近、戦闘時の悪夢にうなされていた。

ここから先は完全ネタバレ注意、よろしければどうぞ
どうしてこんなことになるかというと、すべては息子溺愛の母親の異常な愛情のため。息子を大統領にしたい母。どんな手をつかってもって感じ。また息子もそんな母に最終的には逆らえないんだ。母親の野望と息子への溺愛。これがこの映画の根底にあるもの。

なにかおかしいと思っても自分の記憶も曖昧で、何が真実かわからなくなってゆく。そしてラストは悲しいかな、ああいう選択しかないよなぁという終わり方。つまり今の自分は変えられないけれど、芯の部分は真実を知っているしそれにしたがって生きようってこと。だけどこの地獄のようなことを終わりにさせるには。母を切り捨てるしかない。そしてその方法は…。
なんかせつない終わり方だった。とても悲しい終わり方で、私は苦しかったな。

副大統領に立候補するレイモンドが、洗脳されていることによる苦悩と悲哀を見事に演じていると思う。

やっぱさマザコンになるまで、息子を愛しては駄目だよ。そして息子もここまでいっちゃう前に母を捨てる勇気持たないとさ。なんてことまで思ってしまった映画だった。でもそれにしても恐い映画だ。実際にもしもこんなことが起きていたらと考えるとね。
Date : Friday 9th December 2005 16:59
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