クラッシュ
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 社会派ドラマ

2004年 アメリカ公開
上映時間 112分
監督 ポール・ハギス
出演 サンドラ・ブロック/ドン・チードル/マット・ディロン
お勧め度

アカデミー賞をとったからといって、面白い映画とは限らない。だけどこの映画はなかなかのものだと思う。一言で言えば人種差別の映画。日本のような単一民族の国ですら差別は存在する。ましてやいろんな人種のるつぼと言っていいアメリカではなおのこと複雑だ。
自分ではそういう差別はしない、差別する人間に嫌悪感を抱いていると思っている人間ですら、根本には差別が存在してしまうという、実に根深いものが現実にはあるということを見せている。
この映画は群像劇になっているのだけど、主役というのは誰とは言えない。各々の日常で起こるドラマが、少しずつ接点になっており、そしてすべて関連づいている。人種差別は何も白人と黒人というだけではなく、アジア人であったり中東系であったりヒスパニックでもある。実に細かい差別がある。映画の中で「俺はアメリカ人だ」というせりふがある。これがすべてを物語っているのではないか。
かなりメッセージ性の高い作品であるが、堅苦しさはなくあれよあれよというまにラストまできてしまう。人間というものは人種という差別だけではなく、普段でもイメージで人を見てしまうということは多々ある。偏見の塊のようなものなのだ。それでもそうではない人としての感情もそれぞれには存在するということ。そこに一筋の救いもあると言える。
お勧めの映画である。
【Story】
ロサンジェルスは人種のるつぼ。黒人刑事グラハムと同僚のヒスパニックの恋人リア。ペルシャ人の雑貨店経営者ファハド。黒人青年のアンソニーとピーター。地方検事のリックとその妻ジーン。差別主義者の白人警官ライアンと同僚のハンセン。黒人夫婦キャメロンとクリスティン。彼らは点で結ばれていく。
comments
この作品はすばらしいですね。映画は社会を変えられるかもしれない、と思いました。
人種差別はまさに偏見や思い込みから成っていて、一触即発状態。それを見事に描いていました。さらに、その人自身が認識していない差別を盲点として描いている所も圧巻でした。
終盤、人々が目覚めてゆく流れには感動しました。
ホントこの映画はすばらしいですね。日本人をやっていると、普段自分が人種差別を受けているなんてことはなかなか自覚しないものですが、いろいろな差別が人間の中にはあるし、考えさせるものでしたね。こういう映画がたくさん出てくるといいなぁって思いました。