クワイエットルームにようこそ
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画

2007年劇場公開
日本制作
上映時間 118分
監督 松尾スズキ
出演 内田有紀/宮藤官九郎/蒼井優
お勧め度

久しぶりに日本映画の感想です。松尾スズキさんの作品は今回で2回目ですが、前回が苦手だったので今回もびくびくしながら見てしまいました。
フリーライターの明日香は、ある日のこと目覚めるとそこは精神病院の閉鎖病棟にいました。どうもどうしてここにきたかわからない???話のよると睡眠薬の過剰摂取ということらしい。
という場面から始まり、明日香と他の患者たち、また病院のスタッフやこの病院の規則をからめ、コミカルというオブラートに包んで、だけど誰しもが持つ心の奥底に潜ませているダークな部分を露呈させる映画です。
笑いが実にブラックでディープなんで、ワハハと笑えないのです。なんていうのか笑ったらいけないような居心地の悪さがあり、実に怖い。人間の心に潜む深くて暗い闇の部分がわかるだけに怖い。
閉鎖病棟に入院している患者は様々です。拒食症あり、逆の過食症あり、明日香のような薬の過剰摂取あり、でも皆それらの奥に潜むできれば見たくない部分とどう折り合いをつけていくかに翻弄されているのです。
外の世界ではその危うさをなんとかバランスを保ちながら生きているのですが、それが崩れたらどうなるか。危うい綱渡りのような生き方。その中で自分をみつめ再生していかねばならない。明日香が抱えていた本当の問題、そしてそこから未来に向かって歩いていく様を描いています。
なのでバカ笑いできないですねぇ。たぶんこの笑いとヘヴィな部分のアンバランスさが何とも私を落ち着かなくさせているそんな気持ちになる映画ですが、明日香役の内田由紀さん、結構いい女優になりましたねぇ。昔はお人形みたいな人なんだと思っていましたが、人間って変わっていくもんですね。
評価は難しいです。娯楽作品でもなくストレートな社会派物語でもないので、たぶん見る人のメンタル状態によって左右されるかもしれないなぁと思いました。
【Story】
フリーライターの明日香は、ある日目覚めると、見知らぬ部屋でベッドに拘束されていた。そこは精神科の閉鎖病棟にある保護室(クワイエットルーム)だった。彼女は薬とアルコールの過剰摂取で昏睡状態となり、運ばれて来たのだった。