ONCE ダブリンの街角で
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブストーリー・ロマンス

2006年劇場公開
アイルランド制作
上映時間 87分
監督 ジョン・カーニー
出演 グレン・ハンサード/マルケタ・イルグロヴァ
お勧め度

いろいろ評価が分かれているみたいですが、私にとっては傑作です。私こういう話好き。ただそれだけです。
何でもアメリカでは2館の公開だったのが、口コミで広がり140館まで上映されるまでになったという曰くつきの映画らしいです。スピルバーグも絶賛した作品だとか。私は常々、ささやかな日常を切り取った作品というのが好き。この映画もそうなんですねぇ。
一応ラブストーリーと言えるのですが、恋というよりも男と女の友情というか友達以上恋人未満のふたりのお話です。キスシーンもドラマティックな恋の展開など何一つありません。穴のあいたギターを使って演奏する街角のストリートミュージシャンと、チェコからやってきた移民の女性との、本当にささやかな心の通じ合うお話です。映画の中では男と女の名前すら出てきません。名前なんて必要ないのです。
人生の中のひと時男と女が出会い、でも本当に大切で宝物のような出会い。"人生でたった一度心が通じる相手に出会えたら"予告編に流れるキャッチコピーです。音楽映画なんですが、映画の中を流れる音楽がまたすばらしい。ラストではまさに久々にうるっと泣いてしまった映画です。恋が実ってとかそのでの映画ではありません。アイルランドという国そしてイギリスとの関係、このあたりをからめて出来上がった、実に地味だけど、心にしみる優しい手触りの感じられる人間愛的ないい作品です。
映画の中に流れる音楽もなかなかすばらしいのです。いい意味でせつなさを盛りあげています。
【Story】
男は穴の開いたギターで街角に立つストリート・ミュージシャン。そんな男の前に花売りのチェコからの移民の女。二人はやがて一緒に演奏することで絆を深めていく。