ハンニバル・ライジング
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > オカルト・ホラー
![ハンニバル・ライジング スタンダード・エディション [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41SvX17l2tL._SL160_.jpg)
2006年 劇場公開
アメリカ・イギリス・フランス制作
上映時間121分
映倫 R-15
監督 ピーター・ウェーバー
出演 ギャスパー・ウリエル/コン・リー
お勧め度

『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『レッドドラゴン』と続けてみてきたものにとっては、レクター博士のルーツ物語である、この『ハンニバル・ライジング』は非常に楽しみな作品でした。だけどいたるところで賛否両論、それでも見なくてはと使命感に燃えて(?)鑑賞しました。
この映画ががっかりする理由というのが、今までのハンニバル・レクターという人間のキャラクターが、私を含めた鑑賞者の中に出来上がっているものと、この映画で描かれている彼の生い立ちや、それに伴うトラウマなどにより、あのような狂気のカニバリズムになってしまったというのが納得いかないんですよね。
だって幼少期の戦争での悲惨なトラウマが、彼を復讐に駆り立て、そして殺人鬼を作り上げてしまったなんて、あまりにも当たり前すぎて、何もレクター博士じゃなくてもよかったのではと思わせてしまったのが敗因の原因ではないでしょうか。 だってこの手の映画を多数見ている人にとっては、そんな理由というのは日常茶飯事のようにでてきますので、レクターお前もか?と思ってしまったんですね。
レクターという人間は、普通の感覚では想像もつかないような怪物であったように思うのです。なので彼には超人的な理由があって欲しいという願望があり、その期待を裏切ってほしくないという、超我侭な私の理由が存在します。まぁ世間一般では、レクターの幼少期のトラウマは、怪物を生み出すのに十分という見方もあり、私が異常なのかもしれませんが。
青年期の彼と、大人になってからの怪物の彼の間には、深ーい川が流れているように思います。きっかけがあれであり、復讐により殺人を犯しているうちに、彼のキャラクターが出来たというのが、あまりに飛び越えていて、その溝を説明してくれない限り、たぶんこの映画には納得いかない気がします。世の中には理解不能な殺人鬼が存在します。それらを作りだしたのが幼少期のトラウマという正統派のオチではなく、どうにも理解できない天性の持って生まれた何かを描いて欲しかったというのが、この映画を見ての感想でした。
かなーりレクターについて語ってしまいました。(笑)
羊たちの沈黙などを見てない方は、殺人鬼の出来るまでという普通の映画としては楽しめるかもしれませんね。
【Story】
1944年のリトアニア。戦争で両親を亡くしたハンニバルは、幼い妹ミーシャと2人で山小屋に隠れ住んでいた。ある日ドイツの逃亡兵達が山小屋を乗っ取り、妹ミーシャは彼らに殺されてしまう。その後成長したハンニバルは、パリの叔父のもとへと向かう。しかし叔父はこの世を去り、未亡人の日本人女性レディ・ムラサキが、ハンニバルを迎えた。