人のセックスを笑うな
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 日本映画
![人のセックスを笑うな [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51MxEp2729L._SL160_.jpg)
2007年劇場公開
日本制作
上映時間137 分
監督 井口奈己
出演 永作博美/松山ケンイチ/蒼井優
お勧め度

山崎ナオコーラの原作を読んでいませんので、そのあたりと比べることはできません。というか、私って映画化された原作本って、ほとんど読んでないんですよねぇ。
この映画のタイトルは結構衝撃的(?)だけど、内容は年上の人妻に恋する大学生の話。別に不倫のどろどろでもなく、実にあっさりとした青春の一ページ。
美大生のみるめ(♂)は、ちょっと不思議ちゃんな女性ユリと出会う。このユリは39歳なのだ。永作博美って本当に童顔でかわいい感じなので、39歳の設定でもとてもその年には見えない。それでいて実に天然キャラ。
ユリは年上だけど、何故か守ってあげたいような、ほおっておいたら危なっかしい、そしてつかみどころのない不思議ちゃんで、きっとみるめはそんなユリにどんどん引かれていってしまったのがよくわかる。
ユリは実に自由奔放だ。猪熊さんという旦那さんがいる。旦那さんがいるけど、みるめに触ってみたかったんだもんという理由で翻弄する。でも彼女は悪女という雰囲気ではないのだ。子供っぽさと頼りなさ、だけど実は案外計算しているというというか、きっと自分では計算しているとは思ってない天然さ。ある意味こういう女こそ魔性の女なのかもと思った。みるめはユリに完全に嵌る。でもユリは実にあっさり。旦那さんのこともさらりと告げるし、悪びれるふうでもない。旦那さんは実にいい人というか、あの旦那だからユリと結婚生活を続けていられるんだろうと思う。旦那もユリの危なっかしい、頼りないところを十分に補ってあげたいという思いの強い男のようだ。
同じ女として、自分の恋人には絶対に紹介したくない女だ。絶対にとられそう。一度こんな小悪魔的な女になってみたいもんです。(笑)
永作博美と松山ケンイチの会話が、とても演技とは思えないというか、2人は本当につきあっていて、その様子を垣間見ているというような、その位自然な会話なのだよ。演技というよりアドリブじゃないかと思うくらい。だからよりいっそう、2人の年の差を感じさせない、そんな恋愛映画としてよくできている。
ただこの映画は起承転結というか、ラストはこうなりますみたいなはっきりした感じもなく、ゆるいままです。そんな雰囲気で終わります。ユリは旦那さんと別れるとかそんな気持ちは全く皆無だしね。ていうか、そんな狂おしい恋愛でもないんですよねぇ。みるめにとっては結構きついのかもしれないけど。おこちゃまのお遊びを描いた感じ。
映画そのものは結構長いです。137分です。私はそれ程苦痛もなく最後まで見れましたね。でもそんな単純な大学生の日常生活の一ページみたいな雰囲気なので、それが苦痛と思う人も多いでしょうね。
こういうのって、好き嫌いが分かれるかもしれないです。私は基本邦画は苦手だったんですけど、最近慣れてきたので、こういう映画案外大丈夫だったりします。
【Story】
19歳のみるめが通う美大に、非常勤講師としてやったきた39歳の猪熊ユリ。ある日ユリから絵のモデルを頼まれ、ユリのアトリエで2人は関係を持ってしまう。それ以来すっかりユリに夢中になってしまうみるめであったが、実はユリは結婚していた。