カル

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

カル原題 Tell Me Something
1999年 韓国
上映時間 118分
監督 チャン・ユニョン
出演 ハン・ソッキュ/シム・ウナ

お勧め度 ★4つ半

これは評価が分かれるかもしれないが、私は相当嵌った。というのも見終わったあとに、また見たくなるからだ。そして隅から隅まで注意深くみていると、いたるところに伏線が張り巡らされていて、いろんな解釈が生まれる。私がこうであろうと理解したことがもしかしたら違っているかもしれないのだけど、犯人の動機や背景そして目的などを推理しながら見ていくと実に奥深い映画だった。

ただかなーりグロイ。殺人や死体のシーンがリアルなので、そういうのが一切駄目な人は見れないと思うし、また謎が多くわかりにくいのが苦手な人は、たぶん面白くないと感じる映画かと。『セブン』とかの雰囲気があるかなぁ、雨のシーンも多いし。

それにしても二転三転していく中で、すっかりこの映画にやられちゃったといったらいいかな。ソウルで起きた猟奇殺人事件。バラバラ死体が発見されるんだけど、そのバラバラの遺体は一人の人間ではなく複数の人間のものなのだ。

そして三人目の死体の身元がわかった時点で、3人ともスヨンという女性の元恋人だったということがわかるんだ。ここまででもわくわくするような展開だった。スヨン(シム・ウナ)は非常に綺麗な人で、寂しそうな表情がまたこの迷宮の謎に引き込まれるゆえんかもしれない。

この映画の解釈はいろいろネットでも言われているし、どれが正解なのかはわからない。何でも『カル』の謎解きの本まで出ているらしいが、今では廃刊にて手に入らないみたいだねぇ。古本屋とかでもしかしたら運良く買えるかもしれないけど。

ここから先は私が解釈したもの→完全ネタバレにて要注意、"続きを読む"からどうぞ。

【Story】
ソウル市内で3つのバラバラ殺人事件が起こる。どの死体も身体の一部が摩り替わっている事件だった。被害者すべてと関わりのあるスヨンという女性が浮かぶ。
続きを読む>>
Date : Saturday 29th July 2006 20:25
author : なん :: comments (6) :: trackbacks (0)

バンジージャンプする

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

バンジージャンプする原題 Bungee Jumping of Their Own
2001年 韓国公開
上映時間 100分
監督 アトム・エゴヤン
出演 イ・ビョンホン/イ・ウンジュ

お勧め度 ★1つ

すごい拍子抜けした映画。それにどうにも理解不能な映画。イ・ビョンホンとイ・ウンジュは美男美女のカップルで、甘いラブストーリーかと思っていたら、ありえない展開になってしまった。イ・ウンジュさんはのちに自殺しちゃって、なんか映画のことをいろいろ言われていましたねぇ。

一言で言うと生まれ変わりの映画なんだけど、愛していた人が突然自分の目の前から消えてしまう。それも何故消えたのかわからない。燃え上がった恋の炎はくすぶり続ける。これが振られたのならまだいいのだけど、突然いなくなるから、嫌われたのかそれとも違うのかもわかんないんだ。

それから15年くらい経って、恋人の生まれ変わりと思える人物に出会うことになる。相手はそんなこと全く実感していない。自分だけが愛しい昔の恋人の生まれ変わりだと感じる。

ネタバレ→(その生まれ変わりってのがさ、なんと自分の教え子なのよ。それなら教師と生徒の禁断の恋っていうのを想像しちゃうでしょう?ところががってん、その生徒は男なわけ。世間的にみたら教師と生徒というだけでスキャンダルな事件なのに、相手は男。同性愛っていう目で見られちゃうの。生徒の方だって、最初は自分が先生の恋人の生まれ変わりなんて知らないわけで、男の先生に変な目で見られて気持ち悪いし迷惑な話だよね。またどうして女性として生まれ変わらず、男に生まれ変わる設定にしたのかがわかんない。

さらに最後がいけない。二人でバンジージャンプする。いやバンジーではない、あれは二人で端の上からダイブよ。つまり死んじゃった。また生まれ変わって今度こと男と女で愛し合おうって。ありえねぇーよ。そのあたりはぼかして描かれてはいたよ、軽く見れば二人でバンジージャンしに行ったのかって。でもそんなことありえないよ、二人でバンジージャンプするためだけに、ニュージーランドに行くのかよってつっこみたくなるもん。あれは死のダイブ。

ふざけた話と、ラストははらただしくなった。だってさ二人はいいよ、生まれ変わったら一緒になんていって死んでさ。残された彼の家族と子供は?少年の家族は?いったいなにがなんだかわかんないまま、同性愛を苦に二人で自殺っていうのだけが残されるじゃん。あまりにも身勝手な話で、むかついた。

ああいう話の展開なら、二人で同性愛者と世間には見られても、強く生きていってほしいものだ。
)

うーん、この映画はネタバレに全部書いちゃったんだけど、なんていうのかありえない突拍子もない話なので、甘ーいラブストーリーというのを期待していると裏切られるし、では悲劇の悲恋かというと、そうは呼びたくないような話である。

お国柄なのだろうか?私には理解の範囲を激しく超えた映画だった。

【Story】
1983年のある雨の日、インウの傘にテヒという一人の女性が飛び込んできた。インウは彼女に一目惚れし、やがて二人は愛し合うようになる。だが彼が兵役に行く夜、見送りに来るはずのテヒは何故か姿を見せなかった。2000年インウは結婚もし子供もいる高校の国語教師となっていた。
Date : Wednesday 19th July 2006 00:40
author : なん :: comments (0) :: trackbacks (0)

親切なクムジャさん

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

親切なクムジャさん プレミアム・エディション原題 Sympathy for Lady Vengeance
2005年 韓国公開
上映時間 112分
監督 パク・チャヌク
出演 イ・ヨンエ/チェ・ミンシク

お勧め度 ★3つ半

何でもこの映画『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』に続くパク・チャヌク監督の復讐三部作の完結編と言われる作品だそうだ。私は前述の2作品は見たことがない。なのでどんなもんなのかわかんないんだけど、この映画確かに復讐の作品だ。

無実の罪で刑務所に入ったクムジャさんという女性が、刑務所にいるときにとても親切にして、それで親切なクムジャさんと言われるようになっていたのだ。だが親切の裏には、恩を売っておいて出所したら、自分の目的のために親切にしていた元受刑者仲間に復讐を手伝わせるというもの。

私としてはいくら恩があるといっても、そのために復讐の手伝いはできんと思うのだけど、この映画の皆はクムジャさんにマインドコントロールされているかのごとく従っていくんだよね。

ネタバレ→(私としては、この映画にあまり感情移入できなかったんだ。というのも復讐するものへの共感ができないのだよ。それは復讐は駄目よといういい子ちゃん発言ではなく、こういう映画って誰もが被害者とか被害者の身内の気持ちになって、私だって殺してやるーっていう気持ちの盛り上がりができて、それで初めて成り立つと思うのよ。だけどなんだかその気持ちの盛り上がりがほとんどないまま復讐に突入なんだよね。あとから考えれば、確かにひどいやつだ、死んでくれって思うのだけど、そこに持っていくまでがいまいちなんだ。

さらにそのあと復讐してもむなしいというのを言いたいのか、ダラダラと続いて、そんななら復讐なんてすんなよと言いたくなるのだ。確かに復讐して大満足って言うことはないだろう、そんなことしても心は空虚だって言うのはわかっている。それでもあえてそうしないともう自分は生きていられないのだという、悲痛な心の叫びが聞こえてこないのだよね。私としてはそんなありきたりなことをわざわざ見せてどーすんだよって思ってしまった。

でも復讐シーンは、確かにこんな風に殺してやりたいと思うことを実践はしていると思うよ。誰だって愛するものを殺されたら、それと同じ苦しみを相手に与えてやりたいって思うからさ。
)

だけどこの映画は映像が美しい。復讐に美しさがあるのではなく、映像が美しくとられているのだ。冒頭から私は、これはすごいと思ってしまった。色のバックに赤のモチーフ。すばらしい。

ということで、法の裁きを受けるのが正解なのか、それとも己が裁いてやると思うのか、興味のある人は見てちょーだい。

【Story】
クムジャは、ペク先生が犯した幼児誘拐殺人の罪を背負わされて投獄される。刑務所では誰に対しても親切で「親切なクムジャさん」と慕われていた。しかし彼女の目的はただ一つ、ペク先生に復讐を果たすことだった。
Date : Monday 17th July 2006 21:05
author : なん :: comments (2) :: trackbacks (0)

四月の雪

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

四月の雪 (通常版)原題 APRIL SNOW
2005年 韓国公開
上映時間 107分
監督 ホ・ジノ
出演 ペ・ヨンジュン/ソン・イェジン 

お勧め度 ★3つ

韓国の葬式にびっくりした。女は白のチマチョゴリを着ていた。お線香をあげて、お祈りするのに、土下座のようなお祈りもしていた。どうも韓国では土下座が最高の礼儀らしい。ところ変わればなんとやらだ。

でこの映画、ダブル不倫の話。といっても全体を通して暗い。不倫もお遊び感覚ではなく、お互いの配偶者が不倫していたという事実を突きつけられるところからスタート。それも事故という不運な出来事で、なんでこの人らが一緒にいるの?みたいな始まり。

青天の霹靂とはこういうのを言うのだろう。お互いにショックは隠せない。なんたって不倫の事実のビデオまで出てきてしまうのだから。とはいうものの、傷をなめあうように、お互い不倫に陥るのは、なんだかなぁなので、いまいち二人の心情には心動かされなかった。なんていうのかな、好きで好きでたまらない、いけないとわかっていながらも惹かれあってしまう、なーんて感じがないので、いまいちのめり込めない。

まぁヨン様は、泣きのシーンで鼻たらしての熱演。そして鍛えたいい体。そのあたりは見て損はない。だけどこの映画の翻訳がへたくそすぎ。せりふがどこかの教科書のような棒読み調というのか、日本語のテキストかよって思ってしまったくらい、へたくそなんだ。だから余計に感情移入できなかった。これなら吹き替えで見たほうがよかったのかもと思った。

ヨン様ファンのための、ヨン様の映画であろう。

【Story】
インスは妻スジンの交通事故の知らせを聞き、病院へ駆けつける。その病院の廊下には、夫が交通事故に遭ったという女性ソヨンがいた。やがて彼らは、互いの配偶者が不倫関係にあり、同じ車に乗っていたという事実を突きつけられるのだった。
Date : Wednesday 12th July 2006 21:51
author : なん :: comments (0) :: trackbacks (0)

マラソン

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

マラソン
原題 MARATHON
2005年 韓国公開
上映時間 117分
監督 チョン・ユンチョル
出演 チョ・スンウ/キム・ミスク

お勧め度 ★4つ半

実に綺麗な映画だった。韓国の映画ってほとんど見ないし、韓流スターとかも興味ないので、『スキャンダル』位しか見たことなかったんだけど、この映画は結構面白かった。

本作は実話をベースにしているらしいのだけど、自閉症であるチョウォンとそれを取り巻く周囲の話である。チョウォンはシマウマとチョコパイとジャージャー麺が好き。走ることも大好き。

母親は息子の自立と長所を伸ばすことが生きがいのような人だ。障害を持った子供を持つ親として、息子よりも一日だけ長く生きたいと願う。母は息子のためと思ってやってきたことが、実は押し付けではなかったのか?息子のためという名目で、実は単なる自己満足でしかなかったのではないか?というような葛藤も取り混ぜているので、深く考えさせられるテーマでもある。

母は一方通行であると思っている息子への愛、だけど息子は母の教えを体で感じているんだよね。自閉症という障害のために理解できない部分というものも数多くあるけれど、母が子供の頃に教えてくれた、雨が降るという事や母が入院して悲しいという気持ちがどういうものか、それらがわかる瞬間、私は涙がどーっ。

障害者の子供がいるという事で、弟は愛情のすべてを兄にとられていると思っているし、夫も自分のことはないがしろにされていると思っている。そんな家族の葛藤もあり、それぞれの思いがぶつかり合って、そしてお互い本心をさらけ出すことで、家族が一つになっていく様をよく描いていると思う。号泣の嵐というほどではないけれど、心が温かくなる話である。

映像も綺麗でね、涙腺を刺激するようなカットが多数あり。見て損はしない一本だと思う。

【STORY】
ユン・チョウォンは、自閉症の20歳の青年である。息子より一日だけ長く生きることが願いである母キョンスクは、チョウォンにマラソンの才能を伸ばしてあげようと、元有名ランナーのチョンウクにコーチを依頼する。
Date : Sunday 16th April 2006 14:04
author : なん :: comments (0) :: trackbacks (0)

スキャンダル

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

スキャンダル
原題 THE SCANDAL (스캔들-조선남녀상열지사)
2003年 韓国公開
上映時間 124分
監督 イ・ジェヨン
出演 ペ・ヨンジュン/イ・ミスク

お勧め度 ★3つ半

映像がとにかくすばらしい。李朝時代の衣装や美術品などのクオリティも高く、全体的に貴族社会の優美な雰囲気と怠惰な暮らしのスキャンダラスな部分が非常によく描けていると思う。また女性人が美人の一言で終わらせるにはもったいないくらいの美しさ。ため息が出るといったらいいのだろうか。韓国の女性って綺麗なのね。

この映画はペ・ヨンジュンのきわどいシーンばかりがとりあげられたり、事実R18指定なんだけど、実際はちょっと悲しいラブストーリーなんだよね。フランスのラクロ原作の『危険な関係』のリメイク版だというのを、この映画を見て知った。原作がフランスものですから愛を描いている。そして人間のエゴとかジェラシーとかが貴族社会の堕落した雰囲気とマッチしていて、ラストはそれぞれの純愛にせつなく胸が痛くなる。

さらにエンドロールの最後の最後までお見逃しなく。

【STORY】
18世紀末の李朝時代の話。ペ・ヨンジュン演じるチョ・ウォンは狙った女性は必ず落とすと言われる男。いとこのチョ夫人とある賭けをする。結婚前に夫が急死した未亡人のヒヨンを落とすこと。そしてヒヨンを振り向かせるためにあらゆる手をつくす。ゲームが本気になったとき。
Date : Saturday 16th October 2004 17:38
author : なん :: comments (0) :: trackbacks (0)
INFORMATION
  • 映画・DVD・ビデオなどの感想を書いているブログです。
    好き嫌い書き放題で、ネタバレありです。未見の方はお気をつけ下さい。
  • Profile
  • E-mail←コメントなど書き込めない方はこちらから
  • ブログランキング参加中です。投票いただけると励みになります♪
  • FC2 Blog Ranking
  • にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
  • 携帯サイトはこちら(携帯からコメント書き込めますが、何故か携帯で改行しながら文章を入力して送信すると、文章が吹っ飛ぶという不具合がありますので、携帯からコメントを書く場合、ずらずらと改行せずに書いて送信してください。最近のスマートフォンやフルブラウザだと問題ないかもしれません。)
  • 携帯サイト
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACKS
ARCHIVES
RECOMMEND
OTHERS