大変な結婚

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

大変な結婚原題 MARRIED TO THE MAFIA
2002年 韓国公開
上映時間 112分
映倫 PG-12
監督 チョン・フンスン
出演 キム・ジョンウン/チョン・ジュノ

お勧め度 ★2つ半

とうとう韓国コメディ映画にまで手を出してしまった。冒頭は目を覚ましたら隣には知らない女が寝ていた。エリートの男となんと女はやくざの娘という設定。

それで女の兄ちゃんもやくざなわけで、妹に手をだしたなら結婚しろとつめよる。というもの。やくざの家系に頭のいいエリートの血をという目的もあるらしい。

お兄ちゃんたちはバカなんだよね、でも家族思いでもあり妹思い。そんな中最初はやくざの一家なんて…と思っていたのに、デソはだんだんとなじんでいくのがおかしい。単純なドタバタ映画で気楽に観れるのだけど、後半つまらなくなっていく。というか長いんだよ。

いい加減最初の段階で、やくざの娘となんか結婚できないよっていうのを見せていて、そのわりにいろんな出来事により、知らず知らず嫌でも結婚に向かっていく、そんな様子はもう十分というところまできて、しぶとく同じことが繰り返されるので、もういい加減いいから、ラストはどーなのよ?ってイライラする。90分位にまとめてくれたほうが絶対に面白かったで終わったと思うんだけど。

それにデソには最初彼女もいたので、見知らぬ女とは結婚できないと思うのはよくわかる。だけどジンギョンがはっきりしないんだよね。ジンギョンだって見知らぬ男と結婚なんて出来ないって言っているわりには、強く否定するでもなく煮え切らない。兄ちゃんらの陰謀に対しても拒絶することもなく、では一目ぼれのようにデソのことが一発で好きになったのかというと、全くもってそんな事はない。ここでもイライラするんだよね。

ということで悪くはないが、ちょっと辛抱強く観ないといけない作品である。

【Story】
ソウル大学法学部を卒業し、今はITベンチャー企業に務めているエリートのデソ。ある朝目覚めると、隣にはジンギョンという見知らぬ女性が裸のまま横になっていた。だが2人とも昨夜の記憶が全くない。
Date : Thursday 31st August 2006 21:12
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ラブ・レター/パイランより

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

ラブ・レター~パイランより~原題 FAILAN
2001年 韓国公開
上映時間 116分
監督 ソン・へソン
出演 チェ・ミンシク/セシリア・チャン

お勧め度 ★3つ半

浅田次郎の原作『ラブ・レター』を韓国で映画にしたもの。日本でも中井喜一が主演で映画化されたみたい。

カンジェというチンピラと中国からやってきたパイラン。この二人は偽装結婚の相手同士なんだけど、一度も会うこともなくパイランが死んでしまう。(病死みたい)そうするとカンジェは一応戸籍上は夫なわけで、遺体を引き取りに行かなくてはならない、そこでパイランからカンジェに当てた手紙を読むことになる。

といった感じのストーリーなんだけど、途中で涙腺が緩む場面もあるし、カンジェはチンピラでどうしようもない男なんだけど、結構純粋な部分も持ち合わせていて、会うことのない二人の間に流れる何かを感じられる話ではある。

だけど前半が長いのだ。というのもカンジェのチンピラとして、下っ端扱いの様子とか、そういうことに多く時間が割かれ、なかなかパイランとのかかわりが出てこないので、だんだんとこれはチンピラ映画なのかと飽きてくる。

そう思っているとやっとパイランが数多く出てきて、パイランは何故韓国に来たのか、どうして偽装結婚することになったのかっていうことがわかってくる。ここまで来ると比較的スムーズに話しにのめりこむことが出来るんだけどね。

パイランが会ったことのないカンジェにほのかな愛情を持つのはわかるんだ。異国の地で夫と呼べる人の写真を見ていて、だんだんと淡い思いを抱くようになる。ある意味幻想ではあるんだろうけれど、我々だって会ったことのないスターとかに、恋心のような感情を持つことはあるから、それと同じようなものだ。といってもパイランは一枚の写真だけしか持っていないだけなんだけど。

一方のカンジェは、パイランが死んで、彼女からカンジェに対する手紙を読んで、そのことで心揺さぶられる気持ちがわいてくる。今までは誰からも愛されていないし寂しい人生だった。そんな中唯一自分のことを好きですと言ってくれた偽装結婚相手の妻。「カンジェさんは結婚してくれて優しい」と何度も書いてある手紙。そんな手紙を読んで、こんな自分にも優しいと言ってくれる人間がいるとほろっときてしまった。なんとなくわかる。

手紙を読んでいるシーンはぐっと来るし、会うことのない二人だったけれど、二人とも幸せな気持ちが流れる事があってよかったとも思った。決して生きている間は交流することはなかったけれどね。パイランがあなたの妻のまま死んでもいいですか?と書くあたりはせつなかった。

だけどなぁラストはあまり納得いかない。唯一の救いは、カンジェの表情だけだった。優しい穏やかな顔だった。チェ・ミンシクって、『親切なクムジャさん』とか『オールドボーイ』とかに出ていたけれど、うまい役者だなぁとしみじみ思った。ものすごくくどくて、どっちかというと生理的にきもいおやじっていう印象なんだけどね。←褒めてんのかけなしているのか?

【Story】
カンジェはチンピラとして毎日暮らしていた。そんなある日妻が亡くなったという訃報を知らされる。相手は偽装結婚した妻だったことを思い出す。彼女はパイランという名の中国人で、カンジェは一度も会うことのなかったパイランの遺体を引き取りに彼女の住んでいた町へと向かう。
Date : Monday 28th August 2006 09:51
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4人の食卓

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4人の食卓原題 THE UNINVITED
2003年 韓国公開
上映時間 126分
映倫 PG-12指定
監督 イ・スヨン
出演 チョン・ジヒョン/パク・シニャン

お勧め度 ★3つ

ホラーというカテゴリーみたいなんだけど、純粋ホラーとは違う。だって幽霊らしきものが出てはくるけれど、最初にちょっとっていうだけで、どっちかというとサイコサスペンスみたいなカテゴリーなのかも。

7才以前の記憶のないジョンウォン。それがある日電車の中で見かけた子供が電車の中で死んでいたという事件を知ってから、自分のアパートの食卓に、子供が二人座っている幽霊が見えるようになる。

と書くと怖い感じがするけれど、この幽霊あんまり意味がないんだよね。別に出てこなくても関係ないというのか。唯一関係があるのは、この姉妹の幽霊が見えるというヨンという女性に出会うということだけ。

でも結局はジョンウォンの目を背けたい過去のことや、ヨンが抱えている受け入れがたい現実、それらの駆け引きの話といったらいいのかなぁ。
ヨンは人の過去が見えるという能力があって、それを正直に伝えたことにより、その人間は苦しんでしまう。つまり人間は、受け入れられないものはその人にとって真実ではないということだ。ジョンウォンも過去を見てもらうのだが、それは真実を知らなければよかったというような辛い事実だった。

というような小難しいことが繰り返され、真実とはなんぞや?見たいな哲学的な事を追求した映画だった。かなり重苦しい雰囲気なので、見ていて爽快な気分にはなれないな。ラストもあまりに救いようがないし。悪い映画ではないのだけど、私はあまり好きにはなれなかった。

韓国映画なので、死体や死ぬ瞬間などはかなりリアルであるので、そういうの嫌いな人はみれないかも。

【Story】
ジョンウォンはある日、最終電車の中で眠っている幼い姉妹を目撃する。しかし翌日のニュースで姉妹が毒殺されていたことを知る。以来彼は食卓の椅子に姉妹が座っている姿を目にするようになるのだった。やがて、ジョンウォンは自分と同じようにその姿が見えるという女ヨンと出会う。
Date : Thursday 24th August 2006 21:23
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殺人の追憶

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

殺人の追憶原題 MEMORIES OF MURDER
2003年 韓国公開
上映時間 130分
映倫 PG-12指定
監督 ポン・ジュノ
出演 ソン・ガンホ/キム・サンギョン

お勧め度 ★4つ

韓国で1986年〜1991年の間に、10人の女性が犠牲になった、連続猟奇殺人事件があったそうだ。それを元にして、刑事達の苦悩とかを描いた作品。ただこの犯人はいまだに捕まっていないそうだ。

ノンフィクションの事件ということで、結構リアルな作りになっていて、なんか死体の様子とか、すごいリアルなの。日本映画だともう少し作りもんという印象を与えて、グロさを和らげるような配慮(?)があるのだけど、韓国映画ってかなり本物ちっくというか、死体発見現場にアリがむらがったりする様子なんて、うわって思ったよ。

それにしてもこの事件、本物としたらすごい猟奇的というか、こういう事件って普通のなんでもない人間が犯す怖さというのをあらわしている。でも前半は、犯人を追い事件解決を望むあまり、誤認逮捕して自白を強要したり、拷問して白状させたりっていうシーンが多くて、これじゃあ犯人取り逃がすだろうなぁとか思ってしまった。時代的にもそういう背景があったんだろうけれどね。

でもそのあたり、地元の刑事のパクとソウルからやってきたソ刑事のアンバランスが絶妙で、暴走しがちなパク刑事と冷静なソ刑事という組み合わせはかなりこの映画を面白くさせている。

かなり面白い作品であるが、ちょっと長くてダレル感じがしないでもない。中盤がちょっとなぁイライラするんだよね。(笑)それに犯人がわかんないまま終わるわけで、だから誰が犯人なんだよ、やっぱりあいつなのか?証拠がないから逮捕できないだけなのか?それとも全然別のところに真犯人はいるのか?という消化不良な部分があるにはある。まぁ実際に犯人は逮捕されていないわけだから、映画でも犯人がわからないのはしかたないのだけど。でもこの殺人の犯人は、今もどこかで普通の顔をして生活しているわけで、そのあたりの怖さをラストで雄弁に語っている。

【Story】
1986年10月とある農村で、手足を縛られた若い女性の無惨な変死体が発見される。地元の刑事パクらが捜査にあたるが、一向に有力な手掛かりが掴めない。そんな時ソウル市警から派遣されたソ刑事は、パク刑事とは性格も捜査手法もことごとく対称的で、2人はたびたび衝突してしまう。
Date : Wednesday 23rd August 2006 20:22
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箪笥-たんす-

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箪笥-たんす-原題 薔花、紅蓮
2003年 韓国公開
上映時間 115分
監督 キム・ジウン
出演 イム・スジョン/ムン・グニョン

お勧め度 ★4つ

これは「号泣ホラー」だそうだ。だがこの映画どこで泣くのかよくわかんないよ。というか泣ける場面なんてあるのか?それにしても最近韓国映画を見るようになったのだけど、結構凝ってるね。

これは前半というか1時間くらい、淡々と話が進み、私はちょっと退屈になってしまった。所々ビクッとする場面はあるよ、でもそれは音響効果によるもので、場面としてはそんな怖くなるようなものでもない。

そしていよいよ話の本筋に行くというときに、一言「スヨンは死んだ」えっえーっ!!なんだよこの展開って形にはいり、話は転がりだす。

以後完全ネタバレ→(いやはや、今まで存在していたはずの妹スヨンは死んでた???じゃああれは幽霊なの?と思ってみていくと、結局はスミの妄想の産物というか、スミは多重人格だったというおちか?

つまり実母が箪笥の中で首吊り自殺をして、それを発見した妹スヨンは、母を助けようとした瞬間バランスを崩し、箪笥が倒れてくる。箪笥の下敷きになったスヨンは息絶える。何かもの音がしたと、のちの継母であるウンジュが見に行くと、そこには箪笥の下敷きになっているスヨンの姿を発見。しかしウンジュはそのまま部屋を出てしまう。おいおいお前見殺しかよとつっこみを入れたい。部屋を出るとスミと出くわすウンジュだが、スミはウンジュのことを快く思っていないので、ひどい言葉をなげつける。そこでウンジュは言う「この瞬間をあとで後悔する」と。やっぱウンジュは見殺しにするんだ。

結局スミは妹がそんなことになっていることに気がつくことなく、出かけてしまい。自分のせいで妹が死んだと精神を病んでしまうというのが話の大筋でないかと思われる。

前半のスヨンは死んだと父が言うまでの出来事は、すべてスミの中の多重人格が演じていたということだ。だから父はそんな娘にだんだんと耐えられなくなっていくのだ。
)

『カル』の時もそうだけど、かなり凝った作りではある。だから二転三転するような話で、意外性を楽しむにはいいと思う。また映像は実に綺麗だ。レトロな雰囲気に落ち着いたカラー、奇妙なアングルといい、このあたりは見て損はない。ストーリーも一度見ただけだと????ってな感じの部分も多く、これももう一度巻き戻してみようかってことになるかと思う。

それにしても韓国映画は、複雑な話になっていて、映画プラス謎解きの本がある。といってもどれもこれも全部本があるというわけではないが、『カル』もこの『箪笥』も本があるみたいで、映画を見たならそのあとで本を読むことで、謎が埋まるらしいよ。私も今度その本探してみようかな。
【Story】
ある日スミとスヨンの姉妹は、ある一軒家に帰って来た。2人を笑顔で迎える継母のウンジュ。新しい母親に対し、姉妹は嫌悪と警戒心を抱く。
Date : Wednesday 16th August 2006 06:39
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H [エイチ]

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

H[エイチ] 特別版原題 H
2002年 韓国公開
上映時間 106分
映倫 R15指定
監督 イ・ジョンヒョク
出演 ヨム・ジョンア/チ・ジニ

お勧め度 ★3つ半

まあまあなサスペンスだったけれど、私は最初の段階でラストのオチがわかったのと、犯人誰だか推測ついちゃった。たぶんあいつだって思いながら見ていたので、やっぱりそうかで終わってしまった。まっ、この手の話を見慣れている人には物足りないかも。そうでない人は、『羊たちの沈黙』の雰囲気はあるので、それなりに楽しめるかもしれない。『カル』と比較すれば、断然『カル』の方が面白いのだけど、これも雰囲気は似ている。なんたって『カル』に出演しているヨム・ジョンアが出ているし。

連続殺人がおこり、その殺人の手口は、今連続殺人犯として服役しているシン・ヒョンの手口とそっくりということで、カン刑事はシン・ヒョンに面接することになる。このあたりレクター博士のパクリ?サイコな犯罪はサイコ野郎の聞けっていうことで。

以下ネタバレ→(なんで最初の段階でわかっちゃつたかっていったら、殺人犯のシン・ヒョンと面接したときに、シン・ヒョンの言った言葉でわかっちゃった。だって『羊たちの沈黙』のレクター博士そっくりだよ。というか言葉にヒントが隠されているって言うのはすぐにわかるんだもん。

ひとつわからないのは、なんで殺人犯は催眠術をかける必要があったのか。自分は死刑になってしまうから、自分の代わりに殺してくれる人を探していたのか。でも自分は思いを遂げて、6人もの人間を殺して服役しているんだもんなぁ。世の中の中絶をしたりする人間を成敗してやるっていう、桃太郎侍みたいな気持ちなのか。だとしても、自分は死刑によりいずれ死んでしまうので、死ねばそれまでだよね。催眠術かけられる人いないわけだし。

というわけで、思い切りネタバレ。そう殺人犯のシン・ヒョンはカン刑事に催眠術をかけて、殺人をさせていたというわけ。
)

タイトルの意味はラストにわかるんだ。なるほどねという意味なんだけど。これは私もわかんなかったよ。DVDの特典にもうひとつのオープニングが収録されているんだけど、私はこのもうひとつのオープニングの方が好きだなぁ。

まああまり語るとネタバレするので、グロイのが苦手でない人でサスペンス系が好みの人は見てみて頂戴。
【Story】
雨の日のゴミ捨て場で、妊娠中の女子高校生の死体が発見された。被害者の体内からは胎児が出されていた。その事件の1ヵ月後、今度はバスの中で腹部を引き裂かれた臨月の女性の死体が発見される。どちらの犯行も1年前の連続猟奇殺人事件によく似ていた。
Date : Sunday 13th August 2006 09:53
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オールド・ボーイ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

オールド・ボーイ (HD-DVD)原題 Oldboy
2004年 韓国公開
上映時間 120分
監督 パク・チャヌク
出演 チェ・ミンシク/ユ・ジテ

お勧め度 ★4つ

『親切なクムジャさん』を先に観たのだけど、クムジャさんの映画の前に復讐三部作と言われる作品のひとつがこれ、ということで観てみた。2004年カンヌ映画祭のグランプリをとったみたいだ。タランティーのが絶賛していたらしい。

すげーの一言。ただストーリーとしては、んなことねぇーだろうと言いたくなったり、そんなことであーた??というようなこと満載なんだけど、それを差し引いてもすげー。

『親切なクムジャさん』の時も書いたのだけど、こういう復讐劇って、被害者に感情移入するには、それだけのことをされれば復讐したくなる気持ちもわかるよなーっていう出来事でないといけないわけだ。ところがこの映画の話は、ええーっ、それって逆恨みというか、頭がおかしいんじゃないの?つていう感じなので、復讐を成し遂げた方に対しての賛同はない。

クムジャさんの方は、復讐の方法そのものは単純だった。もちろん復讐するまでの計画の練りようはすごいものもあったけれど、今回のオールドボーイは、復讐の方法も、ありえないというか、他者を巻き込んで不幸にしたら、それは反則だろうがと思ってしまったんだよね。

以下ネタバレ→(だってさ復讐の動機というのが、学生時代に自分と姉との近親相姦的な関係をオ・デスに見られ、それを噂話のように喋られた。そのせいで姉は噂を苦にして死んでしまった。そしてウジンは復讐をオ・デスにすることを決心する。

この動機がいまいち。だってさ学校の中で、姉とあんなことすれば、オ・デスじゃなくても誰かに見られる恐れは大きいわけだし、確かに口は災いの元で言いふらす方もよくないが、自業自得という部分も大きいと思うのだ。

それで復讐がまたすごい。オ・デスを15年監禁するんだ。そして15年目に解放するのだけど、復讐は監禁で終わったわけではない。というのも催眠術をかけてマインドコントロールするわけ。そしてオ・デスとオ・デスの娘に催眠術をかけて、二人を愛し合うようにしてしまうというわけ。つまり15年の監禁は、娘の成長のために必要な期間というわけよ。娘も15年前に失踪した(当時4才)父のことなんて顔とかも覚えてないわけだし、二人が出会い愛し合ってしまうように仕向ける。

おいおい、自分たちが近親相姦だったからって、近親相姦になるように仕向ける復讐って。あまりににも歪んだ復讐の仕方だと思われる。それにさオ・デスの娘は関係ないわけじゃん。娘を巻き込むなよと言いたい。
)

というようなストーリーはあまりにも破綻しているようなことなんだけど、なぜか引き込まれる。主人公にもその復讐劇にも納得いかないのに、ぐいぐいと最後まで見てしまう不思議さがある。ただ気分のいい映画ではないので、これ見て楽しい気持ちになることはない。衝撃度はかなりのもので、韓国映画ってすごいかもって思った一本ではあるが。

見る人を選ぶ作品ではある。ただここまで見たら、第一作の『復讐に哀れみを』も見てみようと思っている。どんな三部作なのか確認したくなった。
【Story】
妻と一人娘を持つサラリーマンのオ・デスは、ある日突然何者かに誘拐され監禁されてしまう。そのまま15年間監禁され続けた後、突然解放される。デスはふとしたことから知り合った若い女性ミドと、監禁した相手の正体を探り始める。そしていつしかミドとデスは愛し合うようなる。
Date : Friday 11th August 2006 00:34
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スカーレットレター

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

スカーレットレター原題 朱紅文字
2004年 韓国公開
上映時間 119分
映倫 R15指定
監督 ピョン・ヒョク
出演 ハン・ソッキュ/イ・ウンジュ

お勧め度 ★4つ

イ・ウンジュさんが自殺した原因がこの映画じゃないかって言われているみたいだけど、うーんそうなの?ウンジュさんかなり演技うまいよね。惜しい才能を無くしたと残念に思っているのは私だけじゃないはず。

ストーリーはちょっと散漫かも。いろんな話の軸があって、中途半端になってしまっている部分は惜しいなぁと思う。一応それぞれに絡み合ってはいるのだけど、掘り下げ方が足りないというのか。

とある殺人事件と三角関係の話が平行して描かれる。そして三角関係のそれぞれの関係。つまり愛人と不倫相手の関係、妻と夫の関係、そして愛人と妻の関係。これらが複雑に絡み合う。愛というより愛憎に近い映画なのかなぁ。

ギフンという男は、つつましいタイプの妻と激しいタイプの愛人とうまくやっていた…つもり。なのにタイミング悪く、妻と愛人が同時に妊娠。家庭を壊す気もないなら、愛人を妊娠させるなよ!と言いたいが、これらのことで愛人は壊れてゆくし、妻との関係もギクシャクする。そしてクライマックスは狂気の世界に嵌ってゆく。

それにしても意外だったのは…ネタバレ→(妻スヒョンと愛人のカヒは昔愛し合っていた。つまりレズ。だけどカヒはギフンという男の恋人ができる。だけどギフンはなぜか純情なスヒョンを妻に選ぶ。スヒョンはなんでギフンと結婚したかというと、愛するカヒの恋人であったギフンと結婚すれば、ずっとカヒのそばにいられると思ったから。究極のねじれた愛情。そしてカヒはスヒョンと結婚したギフンをずーっと愛し続けている。このあたり私にはわからない。

そして壮絶なラストが待っている。なんと妻のスヒョンは妊娠していて、ギフンや周りから祝福される妊娠である。かたやカヒも妊娠してしまう。でもこちらは望まれない妊娠。カヒはギフンをどこまでいっても愛しており、最後はわざとギフンとじゃれあったすきに、車のトランクに入ってしまう。つまり出られないという状況。たぶんカヒは出られなくなり、そして最後は二人で死んでしまうことも覚悟していたような。半分心中を狙っていたのかなぁ。

そこでギフンの正体みたり。人間死ぬかもしれないという状況になったら、本性現れたりとなるものだけど、エゴ丸出しで、普段カヒを愛していると言っていたにもかかわらず、カヒのことを罵倒し、今更ながら妻のことを愛しているようなことを言う。結局二股かけるような男だから、妻にも愛人にも不誠実であるということだ。そしてカヒはこの状況で、トランクの中で流産してしまう。血まみれになりながら、ギフンの銃を自分に当てて、殺してくれと。そして壮絶な死。
)

うわー、すざまじい情念というのか、でも私はこの映画嫌いではない。だがギフン、あんなことがあったのに普通の生活に戻れるあんたはすごい。これにつきる。でもその後のそれぞれの人生はどうなんだろうか。ギフンたち夫婦の関係は?もう一方の殺人事件の方は?ギフンとカヒの出来事が衝撃的すぎてその後がわからない終わり方。

韓国映画って、結構グロイ描き方をするので、人によっては気持ち悪いと取るかもしれない。

【Story】
写真館の店主が頭を殴られ殺される事件が発生する。事件を担当することになったギフン刑事は、店主の妻ギョンヒを容疑者として捜査を開始する。ギフンは妻スヒョンがありながら、スヒョンの学生時代からの親友であるカヒとも不倫の関係にあった。
Date : Monday 7th August 2006 06:31
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八月のクリスマス

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

八月のクリスマス原題 Palwol Ui Christmas
1998年 韓国公開
上映時間 97分
監督 ホ・ジノ
出演 ハン・ソッキュ/シム・ウナ

お勧め度 ★4つ半

なんともせつない映画ではあった。ラストが心痛むというのだろうか。もうすぐ自分の命がなくなると知ったら人間はどうするか?後に残るものに対してや、残された仕事などの整理に当たるだろうか。

何の病気かわからないが、ジョンウォンは街の小さな写真屋で、いつもニコニコと笑顔を絶やさずに生きてきた。きっと心の中は張り裂けそうな思いがあっただろうに。それでも自分が天国に去ったあとに残される父親に、ビデオデッキの使い方を紙に書いたり、自分の遺影写真を撮ったり、うーんとても心が痛い。

私ももしあと一年くらいの命と知ったら、後に残るもの(今で言えば母だけど)のために、身辺整理はするだろうと思うけれど、そうする時の自分の気持ちは計り知れないものがあると思う。人間だから死への恐怖が皆無ということはないだろうし。

そんな中、写真屋に通う婦人警官のタリムとのたわいのないおしゃべりに、とても心穏やかな気持ちがわいてくる。せつないせつなすぎるな。この映画実に淡々と流れるんだ、盛り上がる恋心に派手なラブシーンというものは一切ない。ただあるのはジョンウォンの笑顔だけ。

私があまり好きではない部分は、タリムがちょっとヒステリックな気質だからかな。ちょっと自分勝手なことを押し付けすぎたり、窓ガラスを割ったりとかって言う行動があまり好きになれない。ただそのあたりを差し引いても、悲しいなぁと思う。あれでいいのだろうとは思うのだけど、ちょっと見終わったあと、心が痛くて仕方なかった。喫茶店の窓越しにタリムの姿を追うジョンウォンとか、思い切り感情移入してしまった。

普段の他愛もない日常の積み重ね、それが人生なんだっていうことにあらためて気づかされてしまう。それはいつか誰もが失うものだから、はかなく美しいんだって、そんな静かな印象のある秀作だった。

【Story】
ソウルで小さな写真館を経営しているジョンウォンは、余命わずかの独身青年。残された日々を明るく過ごしているが、そんなある日、店に婦人警官のタリムがやって来た。それから毎日のように訪れるタリムと他愛のないおしゃべりを楽しむジョンウォン。
Date : Friday 4th August 2006 10:30
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シュリ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

シュリ原題 SWIRI
1999年 韓国公開
上映時間 124分
監督 カン・ジェキュ
出演 ハン・ソッキュ/チェ・ミンシク

お勧め度 ★4つ半

北朝鮮と韓国に南北分断された二つの国の悲劇といったらいいかな。これは韓国でないと作れない作品だよ。南北統一を願うのは北朝鮮の人間でも韓国の人間でも一緒だが、現実にはまだまだ先のことなんだろう。何でもこの映画は、韓国でタイタニックを抜くほどの大ヒット作品だそうだ。

ストーリーは先が読めるし、案の定という展開ではあり、意外性という面からいったら全く物足りないかもしれないのだけど、韓国諜報部員と女スパイとの愛はなかなかひきつけられるものがあった。政治的な絡みと個人的なロマンスが展開されていく。

好きとか嫌いという感情も、国家のために翻弄されてしまうってなんだかせつないよなぁ。祖国統一という同じ気持ちを持ちながらも、結局は争い続けることになる。ミンヒョンの表情が辛さを倍増させる。本当に好きなんだろうなって。敵とか味方とか、そんなことで愛が引き裂かれるのはやるせない。

ネタバレ→(つまり一年以上も恋人としてつきあって、結婚まで約束した女が敵国のスパイだったというわけ。ラストは自ら自分の手で恋人を殺してしまう。というかあれはミンヒョンは自分を撃って欲しかったんだと思う。そうでもしないとこの地獄のような二人の恋は終わらないだろう。ただしあそこで撃てるか?と言われると、自分だったら絶対に撃てないとは思う。)

朝鮮半島の現状とかを少し理解してから見ると、また違った感想になるのかなぁ。私の知識なんて米粒位なものしか知らないし、あとは想像だけの世界なんだけどね。

【Story】
韓国の情報部員のジョンウォンは、恋人ミョンヒョンとの結婚を1カ月後に控えていた。そんな中北朝鮮の女工作員イ・バンヒを追っていた。そんな矢先液体爆弾CTXが強奪される事件がおきる。
Date : Tuesday 1st August 2006 08:27
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