迷宮の女

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

迷宮の女
原題 DEDALES 
2003年 フランス公開
上映時間 99分
監督 ルネ・マンゾール
出演 シルヴィー・テステュ/ランベール・ウィルソン

お勧め度 ★4つ

フランス版の多重人格社の話なんだけど、この手に話を見すぎている私は、途中からからくりがわかってしまったんだ。いろいろなところに、伏線が隠されていて、注意深く見ているとラストがわかってしまう。でもさらっと流すように見ていると、最後にまんまと騙されたと思うかもしれない。このあたりは人によって違うしね。でもかなり楽しめる1本だと思うよ。

冒頭から多数の殺人事件の犯人は、多重人格ではないかという事で、精神鑑定を受けるという所から始まる。そして犯人と刑事と精神科医のやり取りを通したものが続けられる。このあたりがかなり複雑に絡み合って面白いんだ。逮捕されてからの話と逮捕される前の話が交互に出てきて、一瞬混乱してしまうかも。

迷宮の女に騙されるというキャッチフレーズみたいなので、騙される人も多いかと思う。大どんでん返しの映画みたいだよ。騙された場合はね。私のように騙されるかという目でみないで、さらりと見た方が絶対に面白いと思う。

フレンチサスペンスなので、ちょっと雰囲気は暗いかも。

【STORY】
殺人の被害者に共通点はなく、殺人現場にはサイコロが転がっていた、だが死体はあとかたもなく消えていた。ある日プロファイリング捜査官マチアスによって、クロードという女が逮捕される。彼女は多重人格者だった。そんな彼女の精神鑑定にブレナックが鑑定を始めることになる。
Date : Thursday 6th April 2006 14:49
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ハード・スキャンダル

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ハード・スキャンダル
原題 Crusader
2004年 スペイン
上映時間 100分
監督 ブライアン・ゴーレス
出演 アンドリュー・マッカーシー/マイケル・ヨーク

お勧め度 ★2つ半

これはビデオシネマみたいなものみたいだ。小粒なクライムアクションといったらいいだろうか。やっぱりこの手の話というのは、犯人とかオチがすぐにわかるのが難点なんだよね。2時間ドラマと思えばあまり期待しないですむんだけど、中途半端な話なので、着地がズレるのだった。

最初の出だしが、テロの現場で撮影した、別のテレビ局の人間が撮ったテープを、自分の物としてメディアに流したところから起こる事件。これだけだったらネタを横取りした汚いやつで終わるんだけど、このテープに真実が隠されているというものなんだ。だけど黒幕とかすぐに想像つついちゃうし、冒頭で二人組みの犯人の一人の顔は割れているので、どこのどいつが犯人かわからない恐怖というのもそんなに感じないんだよね。

それに納得いかないのは、横取りしたテープで大きなテレビ局に引き抜かれたのだけど、それがばれると元のテレビ局に戻るって、そんなに甘いのか?テレビ局の業界は。あっちが駄目ならこっちっていう精神が気に食わない。←ストーリーと違う方向に怒っている私。

まっ、2時間サスペンスの外国版を見るつもりで見れば、そこそこ楽しめるかもしれない。

【STORY】
テロ事件の現場に居合わせたハンクは、現場で死亡した取材テープを自分のスクープとして発表する。だがそれ以来ハンクの周りでは、知人が謎の死を遂げて行く。
Date : Monday 27th March 2006 21:09
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スケルトンキー

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スケルトン・キー
原題 THE SKELETON KEY
2005年 アメリカ公開
上映時間 104分
監督 イアン・ソフトリー
出演 ケイト・ハドソン/ジーナ・ローランズ

お勧め度 ★5つ

ケイト・ハドソンが出ているホラーなんて、どんなもんか興味深々で借りてみた。宗教的な色が濃いのと、アメリカの南部の人種的な差別の話とがかみあわさったサスペンスホラーかな。どちらかという心理的恐怖が強い作品。DVDのパッケージなんて、すごいどろどろしたオカルトって雰囲気満載だけど、ちょっと違うんだな。へんてこな怪物とかスプラッターは出てこないから安心して。

アメリカの屋敷はやっぱり恐い。古い屋敷には開かずの間のようなものが必ずあって、その部屋で何があったのか?という謎の部分。それに呪術があわさって、怪しい雰囲気満載になっている。そして主人公はその謎解明のためにありとあらゆることをするのだけどという進行で進んでいくのはいつものパターン。だけどそれだけではないというのかな。

ラストのオチは予想外、そうきたかぁーと驚いた。そういう意味で、こんな展開になるんじゃないかと想像していたのを通り越して、その先の展開まであるので、結構楽しめると思う。いろんな伏線も張り巡らしてあるし。そういう話ってあんまり書くと、ねたバレしすぎて面白くないから難しいよね。

この映画に出てくる呪術って、信じなければ全く効果がないというもの。ただし信じたらかかってしまうという。人間って信じるっていうものに対しては、すごいパワーが出たりするよね。宗教だって、信じるものは他から何言っても聴く耳もたなかったりするわけで、洗脳されちゃったりするし、そういうのを利用しているんだろうね。

この映画って日本では劇場未公開だったらしいのだけど、これは結構面白い部類だと思うんだけどね。まあオカルト系は当たり外れあるし、アメリカ南部の呪術っていうと、日本にはなじみが薄いという印象があるのかもしれないけど。

DVDにしてはとても掘り出し物の1本だと思う。

【STORY】
ニュー・オリンズの看護師キャロラインは、求人広告に載っていた住み込みの看護の仕事をみつける。大きな屋敷に住むヴァイオレットと脳梗塞で全く身動きができなくなってしまった夫のベンが住んでおり、ベンの介護を行う仕事だった。ある日のことキャロラインはバイオレットから全ての部屋を開けられる合鍵をもらうが、キャロラインは屋敷の屋根裏をみつけ、その奥の部屋は合鍵でも開けることの出来ない部屋があった。
Date : Friday 10th March 2006 20:00
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ワイルドシングス3

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ワイルドシングス3
原題 WILD THINGS: DIAMONDS IN THE ROUGH
2005年 アメリカ劇場未公開
上映時間 87分
監督 ジェイ・ロウィ
出演 サラ・レイン/サンドラ・マッコイ

お勧め度 ★3つ

ワイルドシングスを1と2と続けて見てきた私としては、やっぱり3も見なくてはいかんでしょうっていう事で早速借りたよ。ワイルドシングスは、大どんでん返しの連発で、誰と誰がぐるなのか最後までわからない、そんな展開が面白いシリーズなんだ。

そういう意味だと1はよくできた話だったんだなって思う。マジで最後の最後までわからない展開で。ラストではうなってしまったもの。それが2ではそういう展開の話と構えてしまうので、騙されるもんかって感じで見てしまって、なんか物足りなかったんだよね。

3までくると話も前作と同じような感じで、あの大どんでん返しの楽しさはどこかにいってしまった。それに2と話が似ていると思うのは私だけ?なのですぐに誰と誰がグルっていうのがわかっちゃって面白くなかった。
あのジェットコースターのようにくるくる回る展開というより、単純なサスペンス映画って感じ。はじめて見る人にはいいのかもしれないけれど、見慣れた私のようなタイプには不満足。だって伏線がみえみえで、絶対にこういうつながりだろうっていうのがバレバレなんだもん。

【STORY】
女子高生のマリーは、死んだ母の形見の400万ドルのダイヤをめぐって義父のジェイと争っていた。そんなある日、突然ジェイが警察に逮捕される。同級生のエレナが彼に暴行されたと訴えたのだ。

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Date : Sunday 11th December 2005 13:49
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クライシス・オブ・アメリカ

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クライシス・オブ・アメリカ スペシャル・コレクターズ・エディション
原題 THE MANCHURIAN CANDIDATE
2004年 アメリカ公開
上映時間 130分
監督 ジョナサン・デミ
出演 デンゼル・ワシントン/メリル・ストリープ

お勧め度 ★3つ半

これは洗脳やマインドコントロールを政治に利用しようという話。さらにこれに利用されるのが、副大統領候補であるレイモンド。そのマインドコントロールの裏にあるものは?結構面白かったよ。

戦場で起きた出来事は、自分の脳に埋め込まれた別の記憶だったとしたら。日常生活でも自分が思っている記憶が、実は現実とは異なり、そう思いこまされていたとしたらなんて考えると、結構興味をそそる話だよね。

マインドコントロールされているという事は、本人は気がつかないんだよ。自分で決めて自分で人生を選択して歩んでいると思っていても、影でコントロールされている操り人形だったしたら。でも記憶を塗り替えても、本当の自分は必ず存在する。その本当の自分が現れるのが夢の中。夢の中までは変えられない。

この洗脳を受けているのは何もレイモンドだけではない。レイモンドが湾岸戦争でクウェートに行ったときの部隊の仲間たち全員もそうなのだ。マルコ少佐(デンゼル・ワシントン)も、そのういう別の記憶を埋め込まれてしまっている。だがそんなことに気がついた時、彼は真実を追究しはじめるんだ。こういう洗脳との戦いって、現実にはたいへんだろうなと思うよ。だって信じ込んでいるものを変えるっていう事ですら、容易にはできないわけだし。まして相手は洗脳の事実を信用しないし。

マインドコントロールをかけるキーワードって言うのもあるんだよ。ある言葉を言うと、それを聞いた途端暗示にかかり、そこで言われたことを実行してしまう。つまり人を殺せと言ったら、知らぬ間に人を殺していたり。でも自分はそのときの記憶はないんだ。そりゃあ恐いことだよ。自分の知らないところで、自分を操られてしまっているようなものなんだから。

【STORY】
湾岸戦争で英雄となったレイモンド・ショー。彼は政界に入り、副大統領候補にまで登りつめる。そんなレイモンドの演説を元上官のマルコ少佐は複雑な思いで見ている。彼は最近、戦闘時の悪夢にうなされていた。

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Date : Friday 9th December 2005 16:59
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フォーン・ブース

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フォーン・ブース
原題 PHONE BOOTH
2002年 アメリカ公開
上映時間 81分
監督 ジョエル・シューマカー
出演 コリン・ファレル/キーファー・サザーランド

お勧め度 ★4つ

これは結構楽しめた。電話ボックスの中での事件なので、動かないんだけど、どこから狙われているかわからないからドキドキするし。ただ犯人の狙いが希薄のような気がするけれど。

コリン・ファレルの一人芝居もお見事だった。たまたま公衆電話が鳴り電話を取ると、電話を切ったら殺すと言われる。最初は冗談だと思って開き直っているのに、実際に電話を早く切れと文句を言ってきた人間が、打たれてしまうわけで、警察はこの発砲はスチュ(コリン・ファレル)だと思って、電話を置いて出てこいというが、スチュは出てこれない。

つまり自分がどこの誰ともわからない犯人に狙われているのに、警察は自分が犯罪者と誤解して包囲している。スチュはどんどん追い詰められていくんだよね。妻まで説得に登場しちゃって、犯人は妻のことも知っていて、妻をも狙っているような事を言うから、ますますどうにもできない。彼の焦りとかが実によく現れていた。

でもよくわからないのが、犯人がなんでまたスチュを標的にしたかという事。目的はスチュみたいな傲慢な男への天罰みたいな意味合いではあるのだけど、なんでそこまでするのか?別にスチュにひどい目に合わされたやつというわけでもない。変な正義感で自分は世直しでもしているつもりなのだろうか?まあいかれた犯人なんだろうけど。

電話ボックスだけでもハラハラした映画ができるもんなんだね。あまり期待していたわけではなく、なんとなく借りたのだけど、結構あたりだったな。時間も適度だったし、これは借りて損はないと思うけどな。

【STORY】
エージェントをしているスチュは、マンハッタンの1台の電話ボックスに寄り、クライアントの女優パメラに電話をかける。受話器を置くとすぐさまベルがなり、思わず電話に出てみると、電話の主は「電話を切ったら殺す」と脅迫してきたのだった。
Date : Tuesday 29th November 2005 23:00
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失踪

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失踪
原題 The Vanishing
1993年 アメリカ公開
上映時間 110分
監督 ジョルジュ・シュルイツァー
出演 キーファー・サザーランド/ジェフ・ブリッジズ/サンドラ・ブロック

お勧め度 ★2つ半

この映画もデジャヴ。と思ったら以前にたぶんテレビかなんかで見たようなんだ。なので見始めた途端、展開を思い出してしまった。そういうのをなしにしたとしても、サスペンスとしてはいまいちのよう。犯人は最初からわかっているし、では何でこの犯人はこんなことするの?っていう動機が異様に弱い。

もちろん動機なき殺人っていうのもあるし、わけわからない理由で犯罪を犯す狂った人もいるのはわかるんだけど、あまりに中途半端すぎて、いったい犯人は何がしたいのかよくわかんなかった映画だよ。ある意味理由と呼べる動機も、はぁ?何それ?だし。

恋人が突然ドライブインのトイレに行ったままいなくなったら。失踪したら…。何年も気になって気になって、前向きに生きていけなくなってしまう。だからいったい何が彼女の身に起きたのか真実を知りたい。そこまではよーくわかるし、彼の苦悩も理解できるんだけど、そのあとの展開がねぇ。
だってさ自分に置き換えてよ、犯人とおぼしき人間が、彼女の身に何が起きたか知りたかったら、このコーヒーを飲めばわかるって言われて飲むか?私なら飲まないよ。だって毒が入ってるもん。犯人は眠くなるだけだ、目が覚めたらわかるよなんて言ったとしても、そんなことで飲むとは思えない。

だから信じられない展開なんだよね。犯人の犯罪もよく計画が練られているようでいて、そうでもなく穴だらけで、あれでは駄目だろうって思うことばかりなり。まあさらりと犯罪を犯す、ある意味危険人物というより、中途半端な弱っちさがなんともいえず、この映画をあららーって感じの終わり方に導いているような気がする。

大どんでん返しとか、入り組んだサスペンスミステリーを見慣れている我々としては、あっけない終わり方だと思う。まあ1993年のものだから、当時だったら面白かったのかなぁ?いや、前にテレビで見た時も、そんな面白かったという印象がないから、無難なサスペンスなんだと思う。ついでサンドラ・ブロックが出ているけれど、すぐに出番はなくなるので、彼女目当てで見たら肩透かし食らうと思う。

【STORY】
ジェフとダイアンは恋人同士だ。ドライブの途中にあるサービス・エリアから、トイレに行くと忽然と失踪したダイアン。ジェフは何年も捜し歩くが手掛かりは何も無かった。そんなおりジェフはリタと知り合い、恋人同士になる。だがジェフの心の中には、ダイアンの失踪の真実がいつも気になっていた。そんな時犯人と名のる男バーニーがジェフの前に現れ、ダイアンの身に何が起きたか知っているというのだった。
Date : Sunday 13th November 2005 16:55
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1.0〔ワン・ポイント・オー〕

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1.0〔ワン・ポイント・オー〕
原題 ONE POINT O
2004年 アメリカ公開
上映時間 92分
監督 ジェフ・レンフロー/マーテン・トーソン
出演 ジェレミー・シスト/デボラ・カーラ・アンガー

お勧め度 ★0つ

最近『SAW』を超えるとかいう映画が多くて困るなぁ。どれもこれも『SAW』を超えるものに出会ったためしがない。そしてこの映画もだ。この映画私にはちっとも面白くなかった。
意味がよくわからない部分もあるし、とても疲れる映画。暗いしすっきり爽快感はなし。衝撃もない。ふーんって感じて終わったよ。

どうもSFちっくなことと、スリラー的要素が私には向いてないみたいだ。謎の箱が届けられ、箱を開けても何も入ってない。捨ててもまた次の日には同じ箱がある。とちょっと興味を引きそうな出だしであるが、それからが長いよ。暗くて長くて退屈で飽きてくる。最後の方になり展開が読めても、だから何よとか言いたくなるようなつまらなさ。

ひたすら牛乳を飲み続ける主人公。こいついかれてるのか?とか思ったし。ちっとも恐くないし、だんだんイライラして見るのやめようかと思った。伏線の張り方もへたくそなので、意外性もないしなぁ。とぼろくそ。

以下ネタバレ、お読みになりたい方は反転モードでどうぞ→ようは箱の中身は入ってないのではなく、目に見えないものが入っており、それに感染すると、ある企業の作成した商品ばかり買ってしまったり、その賞品の名前ばかり自然口をついて出てしまったり、広告洗脳みたいな感じになるだけのこと。この実験に選ばれたのが、アパートの住民で、この感染から逃れるには脳みそくりぬいて頭をリセットしないとと思っている逝っちゃってるじいさんが、脳みそくりぬいてまわるという話だと思うのだけど、ちがうの?私の解釈まちがってる?

この手の話は好きな人は好きなんだろうか?私にはよくわからない映画だったよ。

【STORY】
プログラマーのサイモンは、差出人不明の箱が部屋の前に置かれているのに気がづく。箱の中は何も入っていなかった。しかしサイモンが何度捨てても、箱は次々と彼の部屋に置かれてゆく。それと同時にアパートの他の住人が変死体で発見される。死んだ住人も謎の箱が届けられていたのだった。
Date : Thursday 10th November 2005 12:27
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モンスター

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モンスター プレミアム・エディション
原題 MONSTER
2003年 アメリカ・ドイツ公開
上映時間 109分
監督 パティ・ジェンキンス
出演 シャーリーズ・セロン/クリスティーナ・リッチ

お勧め度 ★4つ半

アメリカの連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスを描いた実話。彼女を実際に登場させてのドキュメンタリーみたいなDVDもあるけれど、アイリーンは結局最後は死刑になる。そんな女の話だ。

シャーリーズ・セロンってかなりの美人だと思っていたのが、この映画では13キロ太って外見をものすごく変えて、アイリーンに近づけようとしているのが、結構話題になっている。人ってこんなに変わるもんなんだと驚いた。美人の面影全くなしだもん。そこまでした体当たり演技で、アカデミー賞の主演女優賞をとっている。

実際のアイリーンにホントよく似ているんだよね、すごいよーあそこまで変貌するって。それはいいとして、タイトルのモンスターってアイリーンのことを言ってるんだけど、私にはセルビーの方がモンスターだと思った。あの女に出会わなければ、もしかしたらアイリーンは殺人なんておこさなかったかもしれないと思ったりもした。

私の中でもっとも嫌いな女がセルビー。寄生虫のようだよ。セルビーはレズビアンなんだ。酒場で娼婦をしていたアイリーンに出会うんだけど、アイリーンはレズビアンでも何でもないんだ。だけど今までの過酷な人生の中で、唯一自分のことを愛してくれた人間がセルビーと思ったら、セルビーのためにすべてを投げ出してしまったんだよね。

セルビーは本能的に、自分を絶対無二の存在として扱ってくれると感じ取って、アイリーンに近づいたとしか思えない。もちろん計算してとは思わないけれど、しれっと「私を養って」と言ったあの顔は、忘れられないよ。だってもしもアイリーンを愛していたとしたら、あの言葉の裏は、自分を養うために売春を続けろっていう事なんだよ。そんなこと愛している人間に言える?つまり金に困らないように稼いでくれと、そのために自分は家族を捨ててあなたについてきたという事を強調して。お金がなくなると、「パーティもできやしない」とか言っちゃうんだよ。

いくら今手を怪我しているから仕事ができないといって、お前も働けよと思った。セルビーは働いて二人で生きていこうなんて気持ちはさらさらない。アイリーンがセルビーのために売春で稼いだ金を、いとも簡単に使って遊んで、アイリーンの愛を利用して、最後はアイリーンを売るんだ。もちろんアイリーンは殺人を繰り返しているので、それは裁かれなくてはいけないと思う。セルビーがアイリーンが犯人と言ったとしても責められないとは思う。だけどもセルビーの根性が気に入らない。あいつは人に幸せにしてもらおうとばかり考えて、最後は被害者ヅラするのがねぇ。無邪気さは一番罪作りだと思うんだけど。

決して明るく楽しい映画ではない。連続殺人犯の心の闇が、淡々と語られている。別に同情してくれとか、お涙頂戴でもない。ただ見る人にゆだねられているだけ。救いのない終わり方だし、胸が痛くなるラストでもある。でも私は見る価値大いにあると思う。もしかしたら自分の中にも、こういう危うい部分がないとはいえないのかもしれない。それは誰にもわからない。

【STORY】
1986年のフロリダで、ヒッチハイクをしながら売春で生計を立てていたアイリーン。そんな生活に疲れ果て、有り金の5ドルを使って自殺しようと思っていた。最後に飛び込んだ酒場で、一人の女性セルビーと出会う。セルビーは同性愛であり、社会から特異な目で見られ続け、疎外感を感じて生きていた。そんな彼女に、初めて自分を偏見なく受け入れてくれる人間と感じたアイリーンは、セルビーと一緒に暮らしたいと提案する。しかしそのためにお金が必要で、彼女は再び客を取るため道路に立つことになる。

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Date : Friday 28th October 2005 14:33
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検屍官

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検屍官
原題 SEKTION - DIE SPRACHE DER TOTEN
2002年 ドイツ公開
上映時間 92分
監督 マルクス・ブラウディガム
出演 カリン・ギーゲリヒ/ティム・ヴァイルト

お勧め度 ★2つ

ドイツ版の法医学教室っていう2時間ドラマみたいな雰囲気なんだけど、なんかヨーロッパの映画だなぁっていうような雰囲気満載で、太陽のようなまぶしさが足りない。というかサスペンスだから明るさは必要ないのかもしれないが、どうも私はヨーロッパの曇りの風景が好きになれないのだな。

話としてはまあまあ面白い部分もあるのだけど、主人公の夫婦の不倫トラブルと事件を掛け合わせようというのが無理だと思う。なんで検屍官の不倫がこの映画に必要なんだろうって思った。それに虫のいい話というのか、自分が不倫しておいて、旦那がもう駄目だ別れようと言っても、やり直したいというのは、私には共感できないんだ。いくらこの不倫相手とは別れたといってもさ、まずお前が不倫したのがいけないんだろうと思ってしまうのだ。

まあ旦那も嫉妬深くて、別れたと言っても信用しないところもあるんだけどね。とここまで書いて、別にこれは不倫の話ではない。そーなのだ、日本で言えば監察医務院の話なのに、なぜか不倫話もありで、変な映画なのだ。

娼婦の変死体が発見されて、監察医の(ドイツでは検屍官と呼ぶらしい)へレンが解剖した結果、その娼婦はニューハーフだったという所から始まるんだ。まあ普通の謎解きサスペンスという出来だったかな。

【STORY】
ヘレンは、法医学研究所に勤務する検屍官。ある日女性の撲殺死体が発見される。ヘレンは、遺体を解剖すると性転換手術の痕跡を発見する。被害者のアンドレアは娼婦で、最近よく通っていた客の一人は、なんとアンドレアの実の父親だった。

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Date : Wednesday 12th October 2005 21:03
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