幸せのちから

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幸せのちから [DVD]原題 THE PURSUIT OF HAPPYNESS
2006年 劇場公開
アメリカ制作
上映時間117分
監督 ガブリエレ・ムッチーノ
出演 ウィル・スミス/ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス

お勧め度 ★3つ半

これって実話らしいです。何でも今もアメリカで成功を収めている人の話だとか。悪くない話です。サクセスストーリーだし、子供を抱え不遇を乗り越え成功を手にする。なんて日本人には大好きな話ですよね。私もこういう話好きです。なんですが、大絶賛でもないところが微妙です。

なんていいますか、日本人の私にとっては、こういうのってど根性ドラマだからこその泣きだったり共感だったりするんですが、この映画の主人公は、確かに成功を手にするまでは、家賃も滞納したりするほどの貧乏なわけです。だけど映画の中のでてくるエピソードが、あまり褒められたものではないんですよね。仕方ないとはいえ、タクシー代踏み倒したり、子供をつれて住居を求める列にならんだり、なんかあれってホームレスが食事を貰うので並んでいるような、そんな雰囲気がするんですよね。一応教会が家のない人のためにボランティアでやっているみたいなんですけど。自分だけならまだしも、小さい子供をつれてです。もちろん家賃払えなくて追い出されたわけですよ。なんたって子供と一緒にどっかの公衆トイレみたいなところで寝なくてはならなかったりするんですよ。

確かに追い込まれた生活ではあり、奇麗事いっている場合ではないのでしょう。それでも考えが浅はかではないかと思う場面が多々出てくるのです。道にいた赤の他人に、いきなりこの荷物を見ていてくれと預けて、結局盗まれてしまったり、自業自得ということがてんこもりです。

ハッピーエンドの話ですし、最後は成功を手にするのでめでたしめでたしなわけです。しかし美談とはほど遠いのは何故でしょうか。まぁ、最後までけなげな主人公のど根性美談だったら、それはそれで現実派甘くないんだよ!なんて映画見ながら毒舌言ったかもしれません。←天邪鬼な私ですので。

総合的には悪くない話です。私には泣けませんでしたが。ちなみにウィル・スミスと子供は本当の親子で競演しています。クリストファーは結構うまいですよ。今後も子役として映画の世界に身をおくのでしょうか。

【Story】
クリス・ガードナーは骨密度測定器のセールスマン。5歳になる息子クリストファーと妻の三人暮らしだったが、折からの不況で仕事は思うようにいかず、家賃の支払いもままならない。ついには妻に愛想を尽かされ去られ、家賃滞納で自宅からも立ち退きを命じられてしまう。クリスは一流証券会社の研修生となり、半年後にたった一人だけ採用となる正社員への道に最後の望みを託す。
Date : Saturday 15th September 2007 16:16
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幸せになるための恋の手紙

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幸せになるための恋の手紙原題 THE OTHER SIDE OF HEAVEN
2001年 劇場未公開
アメリカ制作
上映時間 110分
監督 ミッチ・デイヴィス
出演 アン・ハサウェイ/クリストファー・ゴーラム

お勧め度 ★2つ

これはアン・ハサウェイの出ているラブストーリーという雰囲気満載のパッケージですが、そうでありません。確かにアン・ハサウェイは主人公の恋人として出てきますが、彼女は主役ではない上、この映画はラブストーリーというより、トンガに渡った一人の宣教師の話といったほうがいいでしょう。

ジョンはモルモン教の宣教師として、ひとりでトンガに渡ります。トンガに行くまでに一ヶ月以上もの歳月が経過しています。迎えに来るはずの人が来ないなどの手違いで、やっと到着したトンガですが、通訳がいなければ言葉も通じません。ましてやトンガの人は宣教師の言葉には耳もかしません。そんなジョンの心の支えは、アメリカにいる恋人ジーンから届く手紙です。

私はパッケージやタイトルに騙されたくちなので、いつか盛りあがるだろうと期待していラブストーリーが来ないまま終わってしまってがっかりでした。話としてはラブストーリーではなくヒューマンドラマといったカテゴリーっぽく、悪くはないのですが、それならそうと最初がそう言ってよとパッケージに文句言ってました。

最初は浮いていたジョンも、必死に言葉を覚え、トンガの人となじもうと努力していきます。そうしていくうちに心が通いあうという、何でも実話だそうです。トンガの自然は大変すばらしく、ハリケーンであっという間にいろんなものが流されてしまう厳しさとか、そのあたりは楽しめるのですが、わりと地味な作りになっています。それに島で起こるいろんな事件も、とってつけたような感じなので、いまひとつ物語りに入りこめなかったのが残念でした。

【Story】
ジョンは宣教師として、恋人のジーンをアメリカに残し、ひとりで遙かトンガに旅立った。言葉も通じない島で、ジョンはジーンからの手紙が心の支えだった。
Date : Wednesday 6th June 2007 06:38
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タッチ・オブ・スパイス

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タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション原題 A TOUCH OF SPICE
2003年 劇場公開
ギリシャ制作
上映時間107分
監督 タソス・ブルメティス
出演 ジョージ・コラフェイス/タソス・バンディス

お勧め度 ★3つ半

最近ヨーロッパの国の映画を見るのですが、このあたりは移民の問題というのがとても強く打ち出されていることを知りました。この映画の舞台はトルコにおけるギリシャからの移民というのが発端です。

トルコに暮らすファニスは、おじいちゃんの営むスパイス店によく出入りします。おじいちゃんはファニスに宇宙の星について教えるときにスパイスを引用するほどです。ギリシャ料理というのはスパイスが命なんでしょうか、食べたことがないのでわからないのですが。

ある時ギリシャとトルコの関係が悪化して、トルコに住むギリシャ人は強制国外退去させられてしまうのです。ママはトルコ人ですが、パパはギリシャ人、国外へ出て行かねばなりません。家族がバラバラになるのはできないので、ママとファニスもギリシャへと行くことになります。おじいちゃんだけは、あとから行くよということになるのですが、結局様々なハプニングでトルコに残ったままになります。

そして月日は流れ、離れ離れになった祖父に会える日がやってきました。ここまでの話をファニスの回想を交えて話は進んでいくのですが、おじいちゃんという人は、人生についてをスパイスや料理に例えて話すのが得意です。恋する相手に食べさせる肉団子のスパイスは、シナモンが最適でクミンでは駄目だそうな。シナモンは相手をひきつける作用があるらしい。といったふうな感じで、いたるところに料理とスパイスが出てくるのです。

つまり人生というものは、料理と一緒で塩加減が大事だということをうたっています。でも説教臭いことはなく、ファニスの初恋の話なども絡めながら淡々と進んでいきます。

派手さは全くないのですが、わりとしみじみとした話です。いかにもミニシアターで上映されるといった感じの映画といったらいいでしょうか。ハリウッド映画のようなものを期待されるとはずれですが、ちょっと箸休めにはいいような気がします。

私の心に残ったせりふです。→「ホームで振り返ったら駄目だよ、また会えるという約束になる」ええ、このせりふの意味はぜひとも映画で確認してくださいませ。

【Story】
2003年のギリシャで、ヴァシリスおじいちゃんがイスタンブールからやってくるとの突然の知らせに、様々な準備を始めるファニスだった。ソフトは7才の時に離れ離れになり、一度も会うことがなく今日まできた。ところが当日祖父が病気で倒れたとの知らせがはいる。ファニスは遠い昔の出来事を思い出していた。
Date : Wednesday 30th May 2007 00:00
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明日へのチケット

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明日へのチケット原題 TICKETS
2005年 劇場公開
イタリア・イギリス制作
上映時間110分
監督 エルマンノ・オルミ
出演 カルロ・デッレ・ピアーネ/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

お勧め度 ★4つ

列車を舞台にして3つのドラマが展開されます。監督さんも3人で、それぞれに作っているみたいです。完璧に3つの話が独立しているというわけでもなく、微妙にリンクする部分もあります。

一番目のエピソードは初老の大学の教授の淡い恋の話です。列車の中でパソコンを開いて彼女に手紙を書くための文章を作成し始めるのです。なかなかうまく自分の気持ちを文章にできずもどかしい様は見ていて、なんだか胸がきゅんとしてきます。

二番目のエピソードは、ものすごい傲慢な女性というか、たまにいるかもこんな人っていうような迷惑なおばさんと、彼女の世話をする若者との話。電車の中で自分の買ったチケットの席ではないところに堂々と座り、その席を予約した人物がクレームをつけると、ここは私の席だと譲らない。相当なおばちゃんです。

そして三番目のエピソードはサッカーを見るために列車に乗っていたのだけど、チケットをなくしてしまう3人組み。これは移民の子供が盗んだんだとエキサイト。移民の家族は家族なりに事情を抱えていて、さてこの3人、葛藤が渦巻きます。自分らもお金はないので、簡単にくれてやるとは言えない状況で、彼らはどうするのか。

何の変哲もない列車の中で繰り広げられる、それぞれの人生模様そして、ほんの一齣の出来事ですが、なかなか心温まる仕組みになっています。多数の人生が集まる場所が駅でもあるんですよね。ドラマティックな展開はありませんが、ほのぼのとさせてくれます。どのお話が好きかはそれぞれにあるでしょう。ローマへ向かう列車の旅を一緒に味わうようなお話です。 

【Story】
オーストリアのインスブルック駅。飛行機が飛ばずに列車でローマに帰ることになった大学教授。将軍の未亡人と、彼女に付きそう青年フィリッポ。そしてスコットランドからやって来た、セルティックのサポーター3人組みがローマを目指して列車の中で繰り広げる出来事は。
Date : Tuesday 29th May 2007 00:01
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麦の穂をゆらす風

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麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション原題 THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
2006年 劇場公開
イギリス・アイルランド・ドイツ・イタリア・スペイン制作
上映時間 126分
監督 ケン・ローチ
出演 キリアン・マーフィ/ポードリック・ディレーニー

お勧め度 ★4つ半

キリアン・マーフィが出ている映画はとても気になるので、これも見たかった作品です。イギリスとアイルランドの関係がわかっているとよいのですが、私は詳しくは知りませんでした。『プルートで朝食を』でもアイルランドの立場というものが平行して描かれていましたが、これもいかにアイルランドがイギリス政府の圧政に苦しめられてきたかというのを前面に打ち出しています。

前半ではイギリス軍の極悪非道な様子が描かれています。ほとんどいいがかり状態にもかかわらず、アイルランド人を殺していきます。母の前で子を殺すなんていうのも朝飯前の非道ぶりです。単に仲間同士で集まっていただけでも、軍はいちゃもんつけてきます。

デミアンは医者であり、ロンドンの病院に行く予定だったのだけど、自分の友人らが殺されたり、ロンドン行きの列車に乗ろうとしたら、イギリス軍が車掌に暴力を働いていたり、そんな様子を見て彼は義勇軍に入ってしまうのです。

彼の人生はここで狂いはじめます。優しいデミアンも、イギリス軍を追い払うのを目的に戦ってはいきますが、裏切り者にも銃を向けるのです。戦いにおいては愛しているものだろうが、親や兄弟だろうが関係ないのです。

最初はイギリス軍がこのアイルランドの地から去ってくれることを目的に戦っていくのだけど、しまいには内戦へと発展していってしまうアイルランド。そんな中でデミアンをめぐる周囲の人々、その者たちとのかかわり、そして引き裂かれていく関係。

私は戦争ものってほとんど見ないのです。とてもむなしく思ってしまうのと、見ていると心が痛くなって苦しくなってくるからです。やはりこの映画も辛い展開が待っています。

戦いが最後に残したものは悲痛な思いです。

【Story】
1920年イギリスの支配を受けてきたアイルランドでは、独立運動が高まっていた。医師をめざしているデミアンは、戦いの様子を目の当たりにして、兄テディと共にアイルランド独立に向けた戦いに身を投じる決心をする。
Date : Wednesday 23rd May 2007 09:47
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トランスアメリカ

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トランスアメリカ原題 TRANSAMERICA
2005年 劇場公開
アメリカ制作
上映時間 103分
映倫 R-15
監督 ダンカン・タッカー
出演 フェリシティ・ハフマン/ケヴィン・ゼガーズ

お勧め度 ★4つ

何が衝撃って、フェリシティ・ハフマンって女性だったのね。この人絶対に男だと思っていたから。男顔っていったらいいのか、それとも演技力が抜群なのかこの役に嵌っていた。見事なおっさんだったよ。

性同一性障害のスタンリーは、自分をブリーと名のり近々女に体を変える性転換手術を受ける予定だった。ところが昔男だったころ、一度関係を持ったことのある女性との間に子供がいたのだった。ニューヨークで補導されたと連絡がありブリーはニューヨークに向かう。そして息子とともにロスまでの大陸横断の旅に出るのだ。

最初はもちろん自分が父親であることも隠し、トランスジェンダーであるということも言わない。教会のおせっかいなおばさんっていう形で一緒に旅をする。なんといってもブリー自身、親は自分のことを認めてくれないという葛藤があり、さらに手術を控えているという心の不安定さもあるところへもってきて、実の息子の登場である。複雑な気持ちのままでも親としての心情がとても心地よく描かれている。

一方のトビーは子供のころから養父に性的虐待をうけていて、実の父親に対して強い憧れの気持ちがある。決して褒められた子供でもなく、ドラッグをやったりなんと男娼の真似事をしてお金を稼いだりしているという、とんでもない子供でもある。

たぶん世間からは異質な目で見られがちの二人なんだけど、反発し合い時に心通い合わせたりしながら、自分というものを見つめていく物語。なんだか不思議と心温かくなる話でさ、ブリーが病院で泣くシーンなんて、私もつられてぽろぽろと泣いちゃったもの。

子供からしたら、実の父親が実は女に変身してましたなんてことはかなり衝撃的なことであることは間違いないんだけど、二人ともなぜかお互いを最後には認め合えるというのかな、口では許さないと言ってはみてもね。ゲイのAVビデオの男優をやるようになった息子であっても、ちゃんと「見に行くわ」って認め、もう手術したのかどうか聞きににくる息子。なんだかいい映画観たなぁというのが感想。

【Story】
男性であることに違和感を感じ、女性として生活を送るブリー。ようやく肉体的に女性になるための手術の許可が下りた途端、彼女のもとにニューヨークの拘置所から電話がかかってくる。トビーという17歳の少年が実の父親スタンリーを探しているというのだ。トビーはブリーがまだスタンリーという男性だった時代に、一度女性と関係を持ったときに出来た子どもだったのだ。
Date : Thursday 12th April 2007 00:39
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潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ

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潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ原題 WRESTLING ERNEST HEMINGWAY
1993年 劇場未公開
アメリカ制作
上映時間 123分
監督 ランダ・ヘインズ
出演 ロバート・デュヴァル/リチャード・ハリス/サンドラ・ブロック

お勧め度 ★5つ

この映画劇場未公開らしいよ。こんなにいい映画なのに?じいさんが主人公の話だから、オールマイティに客を呼べないと思ったからなのか、そのあたりはわかんないけど、BS放送とかでやっていたらしい。それでとてもすばらしいという感想を聞いて、では借りてみようって思ったわけなんだけど、DVDは発売されていない。ビデオのみ。

舞台はフロリダ。太陽のまぶしい明るいこの地域に、フランクという75歳のアイルランド人のじいさんと、キューバから移民してきたという床屋のじぃさんであるウォルターが主人公の二人。フランクは20歳で船長になったことと文豪ヘミングウェイとレスリングをしたのが自慢で、4回も結婚と離婚を繰り返していて、息子から送られたへんてこな帽子がお気入り。さらに75歳になっても女をくどくことをいとわないパワフルジジイ。

一方のウォルターは真面目な床屋で、移民してきたもんだから、英語を覚えアメリカの地で床屋として成功するのを一筋に頑張ってきて、気がついたらジジイになっていた。そのため結婚したことがなく生涯独身。ベーコンサンドが大好きで、一日二回食べるのが日課。

正反対の二人が公園で出会い、友情を暖めあい時に喧嘩をし、それぞれ好意をよせる女性たちへの淡い恋心にときめき、そして人生とは人生の終焉とはっていうことをさらりと描いている。かけがえのない友達って、年とってくると大切な人との別れとか、孤独であることとか、そんなことを実に明るいオブラートに包んでいるけれど、胸にグサリとくるものがある。

なんていうのか暖かいのまなざしが。でも暖かいからこその寂しさもあり、なんともいえない気持ちになる。ラストは涙が出たねぇ。ウォルターがフランクに向かって「ひげを剃ったんだな」っていうシーンで涙がとめどなく。←観てないと何のことかさっぱりだろうけど。

ジジイの映画なので、若い人はサンドラ・ブロック演じるエレーンしか出ていない。サンドラは実に優しい女を演じている。この映画すべてのレンタル店においてないかもしれないけど、もしも機会があったら是非に。

【Story】
元船乗りで75歳のフランクの自慢は、昔文豪ヘミングウェイとレスリングをしたこと。ある日のこと公園で毎日ベーコンサンドを食べているウォルターという老人に出会う。
Date : Wednesday 4th April 2007 00:11
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プルートで朝食を

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プルートで朝食を原題 BREAKFAST ON PLUTO
2005年 劇場公開
アイルランド・イギリス制作
上映時間 127分
監督 ニール・ジョーダン
出演 キリアン・マーフィ/リーアム・ニーソン

お勧め度 ★5つ

これはまさに私のツボに嵌った映画だ。
アイルランド紛争真っ只中、キトゥンは両親に捨てられそして女装するから変人と思われている男の子。キトゥンはアイルランドを離れ、ロンドンにいるとされる実の母を捜す旅に出るのだ。

キトゥンの人生は泣きたくなるほど哀しいのに、それでも不思議と悲壮感が全くない。彼はいつも微笑んでいる。その笑顔の奥には痛々しい位の悲しみがあるというのに。彼は自分を守るために、いつも笑っているんだ。そんなキトゥンは周りの人も彼に引き込まれていく。誰もが彼を好きになっていく。

ホント不思議な映画なんだ。見ればみるほど引き込まれていく。スルメイカのような映画。キトゥンの繊細さとたくましさ。たまらなく切ないのに、とても一途。キトゥンと周囲の係わり合いでは、人間って嫌だなっていう部分もたくさんある。裏切ったり偏見の目でみたり。でもそんなところも受け入れながら、キトゥンは前向きにそして淡々と生きていく。

それがカラフルな映像と美しい音楽がよりいっそう引き立てている。キリアン・マーフィの引き込まれそうな青い目にすっかりやられた私は、何度もこの映画観てしまっている。お勧めの一本。

【Story】
アイルランドで生まれたパトリックは、赤ん坊のころ母親に捨てられる。パトリックは近所に住むブレイデン家の養子として育てられるが、幼い頃から綺麗なドレスや化粧に興味を示し、周囲からは変わり者のレッテルをはられる。
Date : Monday 2nd April 2007 00:16
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天使のくれた時間

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天使のくれた時間 デラックス版原題 THE FAMILY MAN
2000年 劇場公開
アメリカ制作
上映時間 125分
監督 ブレット・ラトナー
出演 ニコラス・ケイジ/ティア・レオーニ

お勧め度 ★5つ

たまたま目に入った作品で、結構大当たり。これも楽しかった。もしもあの時こうしていたらというのは『スライディングドア』もそうだけど、この映画もそれ系の話。

ジャックは13年前に恋人をおいてロンドンに行った、その後仕事で成功を収めて、億ションには住み、会社の社長にもなり優雅な独身生活を送っていたんだよね。ところが一晩経って見ると、なんと13年前に分かれた恋人が隣に寝ている。部屋の様子も違う。????っていう顔で見回すと、なんとケイトと結婚して子供も二人いる自分になっていたんだ。

ジャックはめんくらったなんてもんじゃない。今の自分の生活は否定したくないんだよね。あの時ロンドンを選んだ自分を肯定したい、そのおかげである今の地位に対してもね。でももしもあの時ロンドン行かずにいたら、社長にはなれないし、高級スーツを着ることもできない。そんな生活なんて嫌だって否定はしてみるが…。といった展開で話は進む。

ジャック(ニコラス・ケイジ)がバリバリのスーツを着こなして、でも一晩たったらなんと真っ赤なジャージを着ていたなんて爆笑よ。私もも自宅ではジャージみたいなだらしない服装しているけれど、あの赤のジャージはすげーよ。

なんとなくジャックの気持ちがわかる私。私も仕事オンリーの生活をしてきたからなのかな。ジャックがケイトとの結婚生活を送る自分の幸せも、そして仕事での成功している自分も、どっちも欲しいと願う気持ちだとか。そこのあたりの葛藤みたいなのがよくわかる。

邦題の通り、確かに天使のくれた時間だよね。普通はこんな時間もらえないからさ、どっちかの人生しか歩めないし。ジャックとケイトはどうなるのか、ラストは皆さん自分でみてね。

【Story】
恋人ケイトと別れロンドンへ旅立ったジャックは、13年後の今大手金融会社の社長として、優雅な独身生活を満喫していた。クリスマスイブの夜、自宅で眠りについたジャックだが、目覚めるとケイトと我が子2人に囲まれた家庭人ジャックになっていた。
Date : Thursday 29th March 2007 00:07
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セックス・アンド・マネー

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セックス・アンド・マネー原題 FRIENDS WITH MONEY
2006年 劇場未公開
アメリカ制作
上映時間 88分
監督 ニコール・ホーロブセンナー
出演 ジェニファー・アニストン/フランシス・マクドーマンド

お勧め度 ★3つ半

これは友人同士である女4人の出来事。3人は結婚しているがオリビアは独身。これはいいのだけど、結婚している3人はみんな年が近いというのはわかるのだけど、オリビアはどう見ても年が違うだろうって言うところに無理がある。年の違う友人って言うのはいるけれど、だってあの映画では、みんな学生時代の友達っていう設定なんだよね。とするなら世代が一緒じゃないと違和感があると思うんだ。

オリビアの役をジェニファーがやっているからかもしれないけれど、いくらなんでもまだ更年期っていうことはないだろうって思っちゃうんだよね。だって他の3人はやっぱり更年期の女って言う感じで、それによる心のゆれとか、そういうのがよく出てくるんだ。そうするとジェニファーはどう見ても30歳代にしか見えないから、ビジュアル的に無理が生じる。

他の3人とは違って独身のオリビアは、教師の仕事を辞めて家政婦をしているんだけど、留守宅の家で掃除をしつつ、男連れ込んだりちょっとありえないことをやっているんだよね。それに貧乏だから、デパートの化粧品売り場を巡回して、クリームの試供品をいくつも貰う様子とかは、なんだか妙に現実感溢れていて、あきらかに他の3人とは違うっていう感じ。

そこいらを差し引くと、みんなそれなりに幸せそうではあるが、やっぱりいろんなことがあるわけさ。冷めた夫婦関係とか、更年期に差し掛かったホルモンの崩れによる感情の不安定さとか、中年になる女の様が描かれているのはうまいと思う。

オリビエも自分にとって一番合っている恋人というのが誰なのかというのを見つけ出してゆくし、それぞれの夫婦のあり方とか、4人の友情という名の絆とか、結構それなりにうまくまとめているかと思う。

それにしても邦題がなんじゃそれだ。原題の通りでいいんじゃないかと思ったのは私だけ?

【Story】
学生時代の仲の良い4人の女友達。3人はキャリアを積んで結婚もして順風満帆。ところがオリビアは失業中で家政婦として生計をたてている。未だ独身で元彼が忘れられずにいる。
Date : Wednesday 21st March 2007 00:01
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