バタフライ・エフェクト

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > SF

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
原題 THE BUTTERFLY EFFECT
2004年 アメリカ公開
上映時間 114分
監督 エリック・ブレス/J・マッキー・グラバー
出演 アシュトン・カッチャー/エイミー・スマート

お勧め度 ★5つ

バタフライ・エフェクトの意味は"小さなチョウの羽ばたきが、地球の裏側で台風を起こすこともある"というカオス理論に基づいている話。

おもしろかったよ。テレビドラマの『トゥルーコーリング』とタイムマシーンの話を足して2で割った感じのストーリー。つまり過去に戻って、人生をやり直すことができるんだ。人間ってあの時もしこうしていたら、どんな人生になっていただろうってことたくさんあるよね、まさにそういう話。過去に戻ってやり直すんだ。それは愛する彼女の幸せを願って。だけど何度やり直してもうまく事が進まないんだ。あちらを立てるとこちらが立たずみたいな結果になっていくんだよね。皆が幸せになる未来というのがなかなか無いんだ。

面白いよー、あんなに過去に何度も戻って、疲れるだろうなぁと思うし。主人公のアシュトン・カッチャーって、最近デミ・ムーアと結婚したばかりの、若い夫だと知って、それもびっくり。

見ていて結構ハラハラするし、次はどんな現実になるんだという楽しみもある。何度も何度も戻るから、そのたびに筋書きが変わっていくんだよ。そして彼が最後に選択した過去は、映画を見てちょうだい。あーそうだったのかーって、ちょっと複雑に思いがする。

かなーりお勧めできるかと。あまり書くと面白くなくなるので、これにてやめるけど、DVDには別のエンディングも収録されているので、是非そちらも見てね。私はもうひとつのエンディングは必要ないと思うけど。本編のラストで、あれでいいのだと思う。そうあの結果でいいんだよ。

久々に面白かったー。

【STORY】

少年時代、エヴァンは記憶を失うことがよく起きた。そこで精神科の医師の勧めにより、日記をつけるようになる。エヴァンが13歳の時、幼なじみのケイリーとの別れがある、いつか君を迎えに行くと言い残して。やがて大学生となり、ふと幼い頃の日記を手にとると、幼少の頃のある出来事が鮮明に蘇った。
Date : Monday 31st October 2005 21:55
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モンスター

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

モンスター プレミアム・エディション
原題 MONSTER
2003年 アメリカ・ドイツ公開
上映時間 109分
監督 パティ・ジェンキンス
出演 シャーリーズ・セロン/クリスティーナ・リッチ

お勧め度 ★4つ半

アメリカの連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスを描いた実話。彼女を実際に登場させてのドキュメンタリーみたいなDVDもあるけれど、アイリーンは結局最後は死刑になる。そんな女の話だ。

シャーリーズ・セロンってかなりの美人だと思っていたのが、この映画では13キロ太って外見をものすごく変えて、アイリーンに近づけようとしているのが、結構話題になっている。人ってこんなに変わるもんなんだと驚いた。美人の面影全くなしだもん。そこまでした体当たり演技で、アカデミー賞の主演女優賞をとっている。

実際のアイリーンにホントよく似ているんだよね、すごいよーあそこまで変貌するって。それはいいとして、タイトルのモンスターってアイリーンのことを言ってるんだけど、私にはセルビーの方がモンスターだと思った。あの女に出会わなければ、もしかしたらアイリーンは殺人なんておこさなかったかもしれないと思ったりもした。

私の中でもっとも嫌いな女がセルビー。寄生虫のようだよ。セルビーはレズビアンなんだ。酒場で娼婦をしていたアイリーンに出会うんだけど、アイリーンはレズビアンでも何でもないんだ。だけど今までの過酷な人生の中で、唯一自分のことを愛してくれた人間がセルビーと思ったら、セルビーのためにすべてを投げ出してしまったんだよね。

セルビーは本能的に、自分を絶対無二の存在として扱ってくれると感じ取って、アイリーンに近づいたとしか思えない。もちろん計算してとは思わないけれど、しれっと「私を養って」と言ったあの顔は、忘れられないよ。だってもしもアイリーンを愛していたとしたら、あの言葉の裏は、自分を養うために売春を続けろっていう事なんだよ。そんなこと愛している人間に言える?つまり金に困らないように稼いでくれと、そのために自分は家族を捨ててあなたについてきたという事を強調して。お金がなくなると、「パーティもできやしない」とか言っちゃうんだよ。

いくら今手を怪我しているから仕事ができないといって、お前も働けよと思った。セルビーは働いて二人で生きていこうなんて気持ちはさらさらない。アイリーンがセルビーのために売春で稼いだ金を、いとも簡単に使って遊んで、アイリーンの愛を利用して、最後はアイリーンを売るんだ。もちろんアイリーンは殺人を繰り返しているので、それは裁かれなくてはいけないと思う。セルビーがアイリーンが犯人と言ったとしても責められないとは思う。だけどもセルビーの根性が気に入らない。あいつは人に幸せにしてもらおうとばかり考えて、最後は被害者ヅラするのがねぇ。無邪気さは一番罪作りだと思うんだけど。

決して明るく楽しい映画ではない。連続殺人犯の心の闇が、淡々と語られている。別に同情してくれとか、お涙頂戴でもない。ただ見る人にゆだねられているだけ。救いのない終わり方だし、胸が痛くなるラストでもある。でも私は見る価値大いにあると思う。もしかしたら自分の中にも、こういう危うい部分がないとはいえないのかもしれない。それは誰にもわからない。

【STORY】
1986年のフロリダで、ヒッチハイクをしながら売春で生計を立てていたアイリーン。そんな生活に疲れ果て、有り金の5ドルを使って自殺しようと思っていた。最後に飛び込んだ酒場で、一人の女性セルビーと出会う。セルビーは同性愛であり、社会から特異な目で見られ続け、疎外感を感じて生きていた。そんな彼女に、初めて自分を偏見なく受け入れてくれる人間と感じたアイリーンは、セルビーと一緒に暮らしたいと提案する。しかしそのためにお金が必要で、彼女は再び客を取るため道路に立つことになる。

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Date : Friday 28th October 2005 14:33
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セラピスト

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > エロティック

セラピスト [DVD]原題 THE CROSSING SNAKES
2002年 ドイツ公開
上映時間 95分
監督 ミヒャエル・クーシュ
出演 ドリーン・ヤコビ/アナトーレ・タウプマン

お勧め度 ★1つ

これもドイツのテレビムービーのひとつ。エロティックサスペンスという名目。サスペンスとしては、二時間サスペンスみたいな感じであるのは否めない。だけどサスペンスをエロティックにしたいというのがありありで、うまくかみ合っていないような気がする。

愛やセックスの悩みを解決するためのセラピー研究所が舞台なんだけど、そこの研究所はインドの古典『カーマ・スートラ』を使用しながら、個人の悩みを解決していくというものなんだ。

実際のカーマ・ストーラを読んだことはないけれど、それを実践するだけでそんなにすぐに解決できるもんなんだろうか?だって相談者の悩みって、結構奥深いもので、セックスがうまくいくようになったら、すべて解決するとは思えないと思う。夫が愛人を作って捨てられて、夫以外は考えられないとか、自分はセックス依存症だとか、夫婦の関係がうまくいかず、妻はとても嫉妬深くて、それを解決したいので夫婦で研究所にきたとか。心の悩みの問題をすべて解決できるとはとうてい思えず。

そこの経営者の妻が殺されてしまい、犯人はその研究所内にいるのではないかと、そこで女刑事のバネッサが潜入捜査するというもの。潜入捜査するには、一応彼女も愛や性の悩みを持っていなくてはいけないという事になる。実際に夫との仲がうまくいってないこともあるんだけど、そこの研究所のセラピーって、なんじゃいそれって感じなんだけど。

ヨガみたいなポーズをとってみたり、なんかフリーの時間にはセックスしても文句も言われない。別にいいんだけど、そんなのがセラピーなんだ???っていう感じなのよ。中盤がそんな感じで、結局潜入捜査しているバネッサも、なんかくどい顔の男(名前忘れた)に心引かれていったりなんかして、そんなことしてる暇あったら、早く犯人みつけろよと突っ込みたくなる感じ。それに潜入捜査って、絶対にばれたら失敗じゃない?なのに、途中で自分は刑事なんてばらしたりして、ドイツの潜入捜査って、そんな簡単に白状しちゃうんだと驚き。

まっ、後半はあっという間に犯人が誰かわかり、動機もなるほどねぇ、こういうのってあるかもねぇという展開で終わり。さらにバネッサと夫との関係も簡単にもとにもどり、早くねぇーか?と突っ込みながら終わった。所詮テレビ映画だよなと思った。

【STORY】
愛とセックスに関する悩みの相談をうけるセラピー研究所で殺人事件が発生する。被害者は研究所の所長の妻モニカ。女刑事のバネッサは、この研究所に潜入捜査としてもぐりこむことになる。
Date : Thursday 27th October 2005 10:42
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サイドウェイ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > コメディ

サイドウェイ 特別編
原題 Sideways
2004年 アメリカ・ハンガリー公開
上映時間 123分
監督 アレクサンダー・ペイン
出演 ポール・ジアマッティ/トーマス・ヘイデン・チャーチ

お勧め度 ★3つ半

一言で言うと、中年の男たちのロードムービー。アカデミー賞の脚色賞を受賞している。マイルズは離婚して二年経つが、まだ前妻のことが忘れられず、英語教師をしながら小説家になることを夢見ているがうまくいかない。なんかいじいじした男。そしてジャックは、一週間後に結婚式を控えているのに、結婚前のアバンチュールに命をかけている、売れない役者。

そんな二人が、ジャックの結婚前の一週間に、ワインをしこたま飲んで、ゴルフをする旅に出かけるわけさ。最初はつまらなかったよ。というか平坦な話で飽きちゃって、でもどうして後半は結構面白くなって、最後はなんかうるうるきちゃって、こりゃあどんな映画じゃって感じだった。

中年のいい年した男二人が旅に出るのはいいとして、旅の費用を実家の年老いた母親のへそくりを盗んで出かけるって、それはありえねぇーだろって思っちゃった。それはやっちゃいかんだろうと、私の倫理観を大いに刺激してくれたシーンよ。さらにジャックなんて、結婚まであと一週間なのに、ワイナリーで知り合った女とアバンチュール。マイルスはいつまでも女々しく前妻を思うんだけど、それはそんなすぐに割り切れないというのはしかたないとは思うよ。さらに小説の出版の話が流れたりして落ち込むのもわかる。でもいつまでも、俺は駄目な男なんだって暗くいじいじしているのは、いい加減にしてくれと言いたくなるくらいなんだ。さらにハゲで腹も出ていて、決していいルックスでもないんだな。

またワインのことがとても多く出てきて、ワイン通にはそれも楽しめるのだろうけど、私は酒飲まないし、ワインの銘柄を言われてもさっぱりなんだ。唯一わかったのは、オーパスワンっていうワインのことだけ。お高いワインだよ。

ワインの話題と人生を掛け合わせた会話とか、大人の映画だと思う。つまり若さ溢れるエネルギッシュな話ではなく、中年の人生折り返し地点にきた男達が、今までの人生を見つめなおしていく話なので、地味で黄昏てる話。ただジャツクがおバカなキャラなので、笑いありのエピソードも交えてるので、異様に暗いという事はない。

でもさ、人間だからそんなときもあるよなぁなんて思わせちゃうのが、この映画のすごいところかもしれない。人間はかっこ悪いところもたくさんあって、そんなとこもみんな見せちゃって、でも最後はちょっと勇気を出して踏み出してみようかっていう映画。私としては見終わったあとに、結構いい映画じゃんって思った。笑えるところもあり、ほろりとくるところもありの、中年映画はどうでしょうか?

【STORY】
小説家志望の中年のバツイチ英語教師マイルスと、売れない役者のジャックは、ジャックの結婚一週間前に二人でワイナリーを巡る旅に出かける。マイルスは旅先のレストランでマヤと再会する。マヤも離婚していたのだ。一方のジャツクは、ワイナリーでステファニーに出会うことになる。

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Date : Wednesday 26th October 2005 23:57
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クリミナル

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 詐欺・泥棒

クリミナル
原題 CRIMINAL
2004年 アメリカ劇場未公開
上映時間 87分
監督 グレゴリー・ジェイコブズ
出演 ジョン・C・ライリー/ディエゴ・ルナ

お勧め度 ★2つ半

騙し騙されの映画だけど、劇場未公開。DVDのパッケージに面白そうなことが書いてあって、騙しの映画は好きなので期待したよ。でも騙しの映画って最初からわかってみていると、ついつい疑ってしまって。結局最後のオチまで読めてしまった。悪くはないんだけど、爽快感に達しないというか、中途半端な形で終わってしまったよ。

騙しもそんなに壮大ではなく、小粒な話だった。何でもアルゼンチンの映画『ナイン・クィーンズ』のリメイクだとか。といってもその映画見てないので、比べられないのだけど。

こういう映画って、誰と誰が仲間で、誰を騙しているのかっていうのが、途中からひっくりかえって、えっえーっていう展開に終わるのが楽しいわけなんだよね。でもそのかわりその騙された謎も解明してくれて、なるほどそうだったのかーっていう事で、話が納得するもんなんだ。だけどこの映画、最後のどんでん返しはいいけれど、その何でこの人らがグルなのっていうのがわかんないんだ。それぞれの関係性というのか。それがないので、なんかよくわかんないうちに終わってしまったんだよね。『ナイン・クィーンズ』はどうだったんだろう。

それにロドリゴもリチャードも、二人で組んで仕事をする反面、関係が築けていないというのか、二人とも腹の中では信用していないのがよくわかるんだ。それが話しに乗り切れない原因のひとつでもある。つまり騙されるというのは、相手を全面的に信頼していて、それでやられたとなるわけだけど、映画の中ではその信頼がないんだよね。あるようには見せかけているんだけど、こいつら絶対に信用してないだろうって、ひしひしと伝わってくるもん。

騙しあいの映画なので、詳しく書くとネタバレ満載だから書かないけれど、なんとなく物足りないまま終わってしまった。悪くはないけれど、中途半端にて不完全燃焼は否めない。

【STORY】
メキシコ人のロドリゴがカジノでつり銭詐欺を働いていた。ギャンブルでマフィアに借金をした父を救うために、詐欺を働こうとしていた。だが詐欺を見破られ、たまたま居合わせた刑事に逮捕されることになる。だがその刑事は本物ではなく、プロの詐欺師のリチャードだった。
リチャードは相棒を探しており、ロドリゴに組まないかと持ちかける。希少価値のある昔の貨幣を偽造し、ホテルに宿泊する大富豪、ハニガンに売り込もうという作戦を結構するのだったが。
Date : Tuesday 25th October 2005 21:24
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クローサー

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブストーリー・ロマンス

closer / クローサー
原題 CLOSER
2004年 アメリカ公開
上映時間 98分
監督 マイク・ニコルズ
出演 ジュリア・ロバーツ/ジュード・ロウ/ナタリー・ポートマン

お勧め度 ★1つ半

「カラダを重ねるたび、唇が嘘を重ねる」というのが公開時のコピー。確かにこの映画はそーだわな。これって舞台でも有名な話らしいんだけど、4人の話でどんどんと話が進んでいく。

この映画って評判よかったんだっけ?私的には駄目。なんなんでしょうねぇ、ひたすらやったのやらないのでお互い勘ぐりあって、それで挙句そのことが原因でケンカしはじめて、いやはやあんぐりしてしまった。一応この映画はR15指定だよ。たぶんそういった言葉の表現があまりにも直接的だからだと思う。

それもなんかいっつもセックスの話しているみたいで、おまえらそのことしか頭にないのか?と言いたくなる話だった。だってまいどまいど「あいつとやったのか?」とか、「あいつとはよかったのか?」とか「感じたか?」とかそんなことばっかなんだもん。嫉妬心からなのかもしれないけれど、うんざりすると思うんだけど、そんなこと言われると。

愛って形あるものではないし、いくら愛していると言っても、それの存在証明を得るには、相手を信じることしかないわけなんだよ。それで自分の話していることは真実だと言い、相手にも真実を語るように求める。それが相手と寝たかどうかという事実確認のために語られるのだよ。

その時点で愛はない様に思うのだけど。相手のすべてを知りたいと思っても、それは不可能であり、どんなにお互い言葉を重ねても、決して交わることはないように思うのだけど。

それに私がすごく嫌なシーンは、離婚届けにサインするから、自分の診療所で最後にセックスしてくれって言う所。私こういうのって駄目なんだよ。ぶん殴りたい。(笑)ついでそれに応じるって……。絶句よ。

という事で、この映画は好き嫌いが分かれそうと思う。決して純愛チックな映画ではないので、そのあたりを期待して見るとたいへんな目にあうと思われる。まっ、大人の映画という事で。

【STORY】
小説家志望のジャーナリストであるダンは、ロンドンでニューヨークから来たストリッパーのアリスと出会う。2人は間もなく同棲を始める。1年半後、ダンの小説が発表され、そのための写真撮影でカメラマンとしていた、アンナに心引かれることになる。アンナもダンに惹かれていたが、アリスとの同棲を知って身を引くことに。半年後、アンナは水族館で医師のラリーに出会うのだった。

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Date : Monday 24th October 2005 13:07
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東京タワー

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブストーリー・ロマンス

東京タワー プレミアム・エディション
原題 東京タワー
2005年 日本公開
上映時間 126分
監督 源孝志
出演 黒木瞳/岡田准一

お勧め度 ★3つ半

えーと、いい年して岡田君好きだったりするんだ。てへへ。この映画は二つの不倫カップルの話だ。一方はおしゃれで、仕事もうまくいってる女。もう一方は主婦という面を前面に出した女。そして相手はどちらもかなり年下。

詩史はずるくて欲張りすぎと思った。私はぶっちゃけ不倫は好きではない。というのもとくにどちらか一方が家庭持ちというのが駄目だ。なんでかというと、どんなに冷めているような家庭であっても、家庭という守りの中にいて、いざとなれば逃げられる家庭をもちながら、というのがどうにも駄目なんだ。配偶者にはないものを求める気持ちが、ふとした瞬間にあるのだろうが、すべてを捨てる事もできないのに、おいしいところだけ得ようとするのが嫌なんだ。まして片方が独身で片方が既婚だと、独身の方だけが我慢したりしなくてはいけないことが多くなる。

お互いに恋愛のおいしいとこだけ味わえればいいという、割り切った遊び前提ならば文句もないし、それを貫いて楽しい恋愛生活を送ればいいと思うけれど、結局は人の気持ちというものは、最初はそうであったとしても、どちらかの気持ちが強くなっていったりするものだったりする。もちろん不倫から発展して、本当に心から愛する人とであったという事もあるだろう。ただしそれならばお互いに離婚するべきで、離婚するにはしがらみがとかどうとか言い訳している内は、それが真剣だと言ったとしても、裏切り行為以外なにものでもないと思う。まっ、それでも恋は既婚でも未婚でも落ちてしまうものなんだけどね。

とここで私の不倫論を語ってもしかたないのだが、男が家庭持ちというのでなく、どちらも女の方が家庭もちというのがみそである。両方とも家庭環境は微妙に違うものの、子供がいない家庭というパターンだ。

透はもう若さ故どこまでも突っ走ってしまっているほどのめりこんでしまっている。あそこまで透を振り回すのはひどい。私の嫌いな不倫の典型。

つまりエリートの夫がいて、生活には不自由がなく、仕事も自分で店を経営して順調だ。夫は不器用なので、愛情表現がいまいちなのだが、詩史のことを愛しているにはいる。逃げ出したいようなDV夫とか、浮気しまくりの夫という事もない。なので多少の不満はあっても、そこそこ夫との生活も維持はしているのだ。そういう逃げ場を作っておいて、若い透との情熱的な恋愛の蜜だけ味わっている。

一方の喜美子はちょっと違う。喜美子の夫は駄目だありゃあ。妻のことなんてなんとも思ってない。単に家で家事をやってくれる存在程度にしか考えていないような夫だ。そんな日常の寂しさの中、駐車場で車の車庫入れを手伝ってくれた耕二に恋してしまう。耕二はどうも年上の女が好きみたいで、遊び半分の気持ちもあったようだ。だけど遊んで捨ててやろうというほどひどい男でもない。若いから人妻を夫から奪ってどうのという所までの真剣さまでもてないだけなんだろうな。耕二なりに喜美子のことは愛していたとは思うが、喜美子の愛と耕二の愛は点で交わっても、線で交わることはないと思う。なのでこの二人の未来は最初から見えているよなぁ。

といったような不倫が展開されて、それぞれの最後が描かれている。

映画としてはどうなのかと思うが、綺麗にまとまってはいるよ。ああいう終わり方で正解なんだろうなとも思うし、東京の夜景も美しくおしゃれだし。ただ現実にはあんなふうに恋愛は進まないだろう。もっとお互いに傷つけあいどろどろになるのが人間だし。なので不倫を美しく仕上げていて、そういうのに浸りたいなぁと思う時はいいと思う。つまらなくはないけれど、これは究極の不倫映画よというほどのものでもない。

【STORY】
エリートの夫を持つ詩史は、自身もセレクトショップを経営している。そんな詩史は3年前から、店を訪れた友人の息子で当時18才の透と恋に落ちる。そして現在も、大学生になった彼と愛し合っている。一方、透の高校時代からの友人である耕二も、同年代の彼女がいながら、人妻の喜美子と関係を持ち始めるのであった。

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Date : Friday 21st October 2005 23:11
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パズラー

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > オカルト・ホラー

パズラー
原題 VERFLUCHTE BEUTE
2004年 ドイツ公開
上映時間 95分
監督 ミヒャエル・カレン
出演 マリー・ツィルケ/アントニオ・ヴァネック


お勧め度 ★2つ

このDVDのパッケージ『SAW』にそっくりなんだよ。だからあの映画みたいなやつかとすごい期待して見てみたんだ。でも『SAW』とは似ても似つかない話だった。

この映画一言で言えば、最初から警察に届けていればこんな目にあわないのにっていう教訓の映画かよって思った。というか普通は警察届けるだろうって思ったので、不可抗力というより自業自得な部分が大きい話だった。

つまり人が死んでいるのを発見したのに、そいつが泥棒だとニュースで言っているのを聞いたら、その泥棒が盗んだ金品を自分たちが奪おうというあさましい考えのために起きた事件なんだよ。おまえらそれを犯罪だというのだとテレビに向かって言いたくなる話だった。

なんだかついこの前もドイツの映画を見たばかりで、これもドイツの作品。悪くはないけれど、無難なサスペンスという仕上がりだった。

【STORY】
5人の仲間達とバカンスに出かけ、山中にある古びたロッジに到着する。ロッジに着くと嵐になり、急いで入ると、5人をそこで待っていたのは、キッチンで死んでいる3人の男達だった。テレビでは、その日美術館を襲った強盗がアルプスに逃走した事件を報じていた。

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Date : Thursday 20th October 2005 16:54
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デンジャラス・ビューティ 2

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > コメディ

デンジャラス・ビューティー 2
原題 MISS CONGENIALITY 2: ARMED AND FABULOUS
2005年 アメリカ公開
上映時間 115分
監督 ジョン・パスキン
出演 サンドラ・ブロック/レジーナ・キング

お勧め度 ★3つ半

前作の『デンジャラス・ビューティ』が楽しかったので、これはかなり期待してみたよ。今回もドタバタコメディという感じかな。グレイシーは相変わらず、鼻をぶひぶひ鳴らしているし、FBIの中でもまだまだ強い女だし、でも前作の終わりに恋人同士になった同僚との恋が、今作ではいきなり振られている設定になっていたのは残念だ。彼にふられて涙したりする部分もあって、今回は前回より女らしいじゃないの。

今回は面が割れているので、潜入捜査みたいなことが出来なくなってしまったんだよ。前作でミスコンに出てしまったので、顔が全国的にわかってしまっているから、それでFBIの広告塔になれと上司から言われ、テレビに出たりするようになるんだ。なもんだから前と同じで、女らしくして化粧に気をつかったりしなくてはならなくなったんだ。それになんだかアイドル並みの扱いで、サイン求められたりしちゃって。

事件はなんじゃそりゃっていう程度のものだけど、コメディだからね、許せるというのか、サンドラの魅力はよく出ていると思う。ただ私はパート1の方が面白かったなぁとは思うけれど。このグレイシーはシリーズ化するのかしらねぇ。

エンドロールまで見ましょうね。というのもエンドロールでNG集が出てくるから。結構笑えるよ。

【STORY】
爆破予告の標的にされたミスコンの潜入捜査で一躍有名になったグレイシー。そのために顔が世間に知られたため、潜入捜査に支障をきたすようなる。そこで上司から、FBIの顔として広告塔の仕事に従事するよう命じられる。テレビ出演や自伝の本を出版するなど忙しい毎日を送っていた中、親友のミス・アメリカがラスベガスで誘拐されたとの情報が入る。

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Date : Wednesday 19th October 2005 22:30
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オーシャンズ12

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 詐欺・泥棒

オーシャンズ 12
原題 OCEAN'S TWELVE
2004年 アメリカ公開
上映時間 125分
監督 スティーブン・ソダーバーグ
出演 ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット

お勧め度 ★2つ半

この映画、なんでヴァンサン・カッセルが出るんじゃ。私嫌いだっちゅうねん。フランス映画でもないからと油断したら、ハリウッド映画にまで出ていたとは。それによくわかんないけれど、ヨガポーズみたいなのまでやっちゃって、彼は何?って感じ。

駄目だ。たぶんこれは、英語を母国語として使い、アメリカ文化の中で育った人には受けるのかもしれないが、私には全く理解できなかった。ジョークを言ってるんだろうなって言うのはわかるんだけど、意味がわかんない。さらに難しいんだ、言葉のかけ合いの意味が、???な会話が多くて、さすがに今の何?っていう感じで、私はネットであの場面の意味って何?っていうのを調べまくったよ。つまり内輪ネタを知らないと、面白くもおかしくもないし、全く意味が通じないという。

雰囲気はオーシャンズ11の時のような楽しさがあるにはあるんだけど、いまいち乗れないんだよね。日本語吹き替えの方がまだいいのかなぁ。でももう一度見直すのも面倒で止めちゃったんだけど。それにこれは前作見てないと果てしなくわからないと思う。前作を見ていても、私は半分くらいまで、いったい何やっているのかさっぱりわからなかった。後半からこういう展開で話が進んでいるんだっていうのがわかってからは、それなりに楽しめそうな予感がしたんだけど、そう思ったら終わっていたよ。

なんか前作は皆で協力して、大泥棒をするっていうまとまったものがあったのに、今回はどっちかというとスケールでかすぎて、わかりにくいんだよね。凝りすぎてわけわかんなくしたと言ったらいいのかな。

一応お金を集めるためにヨーロッパまで行ったのに、フランスの大泥棒「ナイト・フォックス」に邪魔されるという話なんだけどね。そのナイト・フオックスは自分は泥棒中の泥棒で、自分が一番の大泥棒というのを認めさせたくて、オーシャン達の邪魔をしたりするわけ。それでナイト・フォックスは美術館の金の卵を盗むという挑戦状を叩きつけるのだ。フランス大泥棒対アメリカ大泥棒の戦いといったらいいのだろうか。この勝負はいかにっていう話みたいなんだよ。(たぶん、私の解釈が間違っていなければ)なので、泥棒の話というより、詐欺の話。

内輪ネタというか、ダニー(ジョージ・クルーニ)は自分の顔が50才代に見えるかという問いかけがあったり、みんな50代と答えたり。テス(ジュリア・ロバーツ)が妊娠しているジュリア・ロバーツを演じるとか、スキンヘッドのあのお方が登場したり、面白くしようとするのがてんこもりなんだけど、盛り込みすぎ。豪華絢爛さは前作以上なんだけどね。もっと単純な話の方が楽しいのにと思った。

なのでこの映画いいんだか悪いんだかよくわかんない。ただゴージャス感を味わいたい方にはお勧めかもね。

【STORY】
ラスベガスのカジノから1億6000万ドルが盗まれて3年経つ。復讐を誓うベネディクトはオーシャンたちの居所を突き止め、2週間以内に利子を付けて返済するよう脅迫するのだった。追い詰められたオーシャンたちは再び集結することになる。
Date : Tuesday 18th October 2005 22:09
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