ノンフィクション

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

ノンフィクション原題 SUR LE SEUIL
2003年 劇場未公開
カナダ制作
上映時間99分
監督 エリック・テシエ
出演 ミシェル・コテ/パトリック・ユアール

お勧め度 ★2つ

この映画のDVDパッケージ、ものすごいですね。それにおののいてしまいましたが、話はそんなに怖くありません。

普段起こる凶悪な事件ってあると思いますが、それが実はある作家が書いた小説どおりのことが起こるとしたら。つまり小説を真似た模倣犯ということではなく、小説が世に出る前の段階で、自分の書いた小説の内容と全く同じ事件が起こってしまうとしたら…。

自分だったらもう小説は書かないようにすると思うのですが、トマは精神が混乱してしまったのか、突然自分の指を切り落とし自殺を図ってしまうのです。命は取り留めたものの、彼は精神病院で治療を受けることになるのです。彼の担当医のポールは何故自分の指を切り落としたのか、それらをカウンセリングするうちに、トマの書いた小説が、現実に起こってしまうことに気がつくのです。その謎を探るべく、彼の出生から調査を開始するのですが。

ここからネタバレです→(いやはや彼のルーツは悪魔だったというわけです。危ない新興宗教の道に進んでいってしまった神父の一人が、教会で信者らを集め、ともに殺しあうというなんとも凄惨な事件を起こすのです。その中で赤ん坊のトマに悪魔の口付けをするのですね。やがてトマは成長して彼の書く小説が本当になるという、悪魔の仕業に振り回されてしまうのですが、最後には彼はほとんど半狂乱の極みとなり、妊婦の腹を割いて、子供を取り出して口付けするのです。つまり悪魔の子供再び誕生です。

いやそんなことで悪魔の子供になってしまうのかというつっこみはなしです。なんといっても悪魔は何でもありですから。そして不死身です。トマは警官に射殺されますが、悪魔の子は誕生したので、またここで引き継がれますね。いつまでたっても終わりません。ポールはこの子供を一生見ていくと言いますが、彼には悪魔を倒す力はありはしませんので、赤ん坊が成長してもどうにもできないでしょう。
)←ここまでです。

トマの出生の秘密が鍵なのですが、なんともこじつけたような展開なので、なんでもありな世界になってしまっています。とても精神科医のポールの手に負える事件ではありません。

最近私も大人になりました。こういう映画にも寛容な心で臨めるようになったようです。昔なら「ふざけんなよ、何だよこれ」と暴言を吐くところでしたが、最近はマイルドな表現に心がけています。←あまり関係ありませんね。

【Story】
自分の指を切り落としたあと自殺を図り失敗したホラー作家である、トマ・ロワ。彼の担当精神科医ポールは、トマを追う新聞記者から、彼の書いた小説は、その直後本当になるという事実を聞くことになる。
Date : Thursday 31st May 2007 00:02
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タッチ・オブ・スパイス

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ヒューマン・ファミリー・ドラマ

タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション原題 A TOUCH OF SPICE
2003年 劇場公開
ギリシャ制作
上映時間107分
監督 タソス・ブルメティス
出演 ジョージ・コラフェイス/タソス・バンディス

お勧め度 ★3つ半

最近ヨーロッパの国の映画を見るのですが、このあたりは移民の問題というのがとても強く打ち出されていることを知りました。この映画の舞台はトルコにおけるギリシャからの移民というのが発端です。

トルコに暮らすファニスは、おじいちゃんの営むスパイス店によく出入りします。おじいちゃんはファニスに宇宙の星について教えるときにスパイスを引用するほどです。ギリシャ料理というのはスパイスが命なんでしょうか、食べたことがないのでわからないのですが。

ある時ギリシャとトルコの関係が悪化して、トルコに住むギリシャ人は強制国外退去させられてしまうのです。ママはトルコ人ですが、パパはギリシャ人、国外へ出て行かねばなりません。家族がバラバラになるのはできないので、ママとファニスもギリシャへと行くことになります。おじいちゃんだけは、あとから行くよということになるのですが、結局様々なハプニングでトルコに残ったままになります。

そして月日は流れ、離れ離れになった祖父に会える日がやってきました。ここまでの話をファニスの回想を交えて話は進んでいくのですが、おじいちゃんという人は、人生についてをスパイスや料理に例えて話すのが得意です。恋する相手に食べさせる肉団子のスパイスは、シナモンが最適でクミンでは駄目だそうな。シナモンは相手をひきつける作用があるらしい。といったふうな感じで、いたるところに料理とスパイスが出てくるのです。

つまり人生というものは、料理と一緒で塩加減が大事だということをうたっています。でも説教臭いことはなく、ファニスの初恋の話なども絡めながら淡々と進んでいきます。

派手さは全くないのですが、わりとしみじみとした話です。いかにもミニシアターで上映されるといった感じの映画といったらいいでしょうか。ハリウッド映画のようなものを期待されるとはずれですが、ちょっと箸休めにはいいような気がします。

私の心に残ったせりふです。→「ホームで振り返ったら駄目だよ、また会えるという約束になる」ええ、このせりふの意味はぜひとも映画で確認してくださいませ。

【Story】
2003年のギリシャで、ヴァシリスおじいちゃんがイスタンブールからやってくるとの突然の知らせに、様々な準備を始めるファニスだった。ソフトは7才の時に離れ離れになり、一度も会うことがなく今日まできた。ところが当日祖父が病気で倒れたとの知らせがはいる。ファニスは遠い昔の出来事を思い出していた。
Date : Wednesday 30th May 2007 00:00
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明日へのチケット

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ヒューマン・ファミリー・ドラマ

明日へのチケット原題 TICKETS
2005年 劇場公開
イタリア・イギリス制作
上映時間110分
監督 エルマンノ・オルミ
出演 カルロ・デッレ・ピアーネ/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

お勧め度 ★4つ

列車を舞台にして3つのドラマが展開されます。監督さんも3人で、それぞれに作っているみたいです。完璧に3つの話が独立しているというわけでもなく、微妙にリンクする部分もあります。

一番目のエピソードは初老の大学の教授の淡い恋の話です。列車の中でパソコンを開いて彼女に手紙を書くための文章を作成し始めるのです。なかなかうまく自分の気持ちを文章にできずもどかしい様は見ていて、なんだか胸がきゅんとしてきます。

二番目のエピソードは、ものすごい傲慢な女性というか、たまにいるかもこんな人っていうような迷惑なおばさんと、彼女の世話をする若者との話。電車の中で自分の買ったチケットの席ではないところに堂々と座り、その席を予約した人物がクレームをつけると、ここは私の席だと譲らない。相当なおばちゃんです。

そして三番目のエピソードはサッカーを見るために列車に乗っていたのだけど、チケットをなくしてしまう3人組み。これは移民の子供が盗んだんだとエキサイト。移民の家族は家族なりに事情を抱えていて、さてこの3人、葛藤が渦巻きます。自分らもお金はないので、簡単にくれてやるとは言えない状況で、彼らはどうするのか。

何の変哲もない列車の中で繰り広げられる、それぞれの人生模様そして、ほんの一齣の出来事ですが、なかなか心温まる仕組みになっています。多数の人生が集まる場所が駅でもあるんですよね。ドラマティックな展開はありませんが、ほのぼのとさせてくれます。どのお話が好きかはそれぞれにあるでしょう。ローマへ向かう列車の旅を一緒に味わうようなお話です。 

【Story】
オーストリアのインスブルック駅。飛行機が飛ばずに列車でローマに帰ることになった大学教授。将軍の未亡人と、彼女に付きそう青年フィリッポ。そしてスコットランドからやって来た、セルティックのサポーター3人組みがローマを目指して列車の中で繰り広げる出来事は。
Date : Tuesday 29th May 2007 00:01
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恋するレストラン

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブコメディ・ロマコメ

恋するレストラン原題 HET SCHNITZELPARADIJS
2005年 劇場未公開
オランダ制作
上映時間82分
監督 マルティン・コールホーベン
出演 ムニール・ヴァレンタイン/マルコ・ヴァン・ゲフィン

お勧め度 ★2つ

オランダ映画なんてはじめて見たので、国の情勢というのが全くわからないままでした。オランダにおける移民について知っていると、もう少し理解が深まったのではないかと思いますが、映画そのものはラブコメディのジャンルなので、小難しく考える必要はありません。ちなみにオランダはトルコやモロッコからの移民が多いらしいです。

いつの時代もそしてどこの国の親でも、自分の子供にはこうしてほしいという希望はあるもので、オランダでもそうです。ノルディップは父親から医者になるようにという期待を一心にうけているのですが、自分の進むべき道はそちらの方面ではないと思っています。

それで父には図書館でバイトをしているので、勉強もしやすいしなどという嘘をついて、実はホテルの厨房の皿洗いのバイトをしているのです。この厨房荒くれものの巣窟といったらいいのでしょうか、とんでもない男たちがひしめきあっています。そんななかノルディップはいじめられる対象なんですよね。厨房でのドタバタは、コメディにしてもかなりひいてしまいます。厨房の裏側とは実際はどうなんでしょうか?なんだか料理がとてもまずそうに見えてしまいました。

そんな職場において、ウェイトレスのアグネスという実にかわいい女の子に一目ぼれ。仕事に行くのが楽しいし、気がつくとアグネスを目で追っています。ノルディップは父がモロッコからの移民ということもあるのか、モロッコ人の顔をしているというか、結構濃い容姿をしています。くどい顔というのでしょうか。そのためか笑顔がさわやかというよりかは、スケベ顔に見えてしまうのです。濃すぎる顔のせいか、どうも好きになれませんでした。悪い子ではなくいい子なんですが、にやっととした笑顔がどうも私好みではありません。いや別に私に好かれる必要はないのです。アグネスにさえ好かれればノープロブレムです。

ノルディップは私好みではありませんが、なぜか人をひきつける魅了があるようで、ねたまれたりもしますが、結構みんな彼のことが好きなんですよね。意地悪されてもめげないたくましさもあります。アグネスとの恋の行方はどうなるか、オランダ発ラブコメディは、比較的軽いのりで見られる一本かと思います。

【Story】
父親の期待を一身に受けたノルディップは、医者になることを要求されている。しかし彼は父親に内緒でホテルの厨房に就職する。行ってみると皿洗いが仕事だった。そこは暴君の料理長や先輩がたくさんいた。そんな中ウェイトレスのアグネスに一目ぼれするノルディップだった。
Date : Monday 28th May 2007 08:16
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デス・パズル

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

デス・パズル原題 CLASS OF '76
2005年 テレビメディア公開
イギリス制作
上映時間140分
監督 アシュレイ・ピアース
出演 ロバート・カーライル/ダニエル・メイ

お勧め度 ★2つ

最初にこのDVDが前編と後編に分かれているとは知らずに借りて、一本見終わった時点でそのことに気がつきました。びっくりするくらい中途半端なところで終わったので、いったいこれはどうしたものかと思っていたら、パッケージに書いてありました。そうと知っていたら後編も一緒に借りたのになぁと思っても後の祭りなんですけどね。それで後編を次に借りに行ったら、全部貸し出し中でした。なんとまぁ、結構人気あるのかしら。

前置きが長くなりましたが、イギリスのテレビメディアの作品ということもあって、俳優さんらは全く知らない人たちばかりです。主人公であるモンロー刑事は、ちょっと暗めの人間です。何か心に抱えるものがあるのか、相棒のグラント刑事とは正反対の性格のようです。

ある日パットという男性が交通事故で死んだのですが、どうもそれは車の前に自ら飛び出したという自殺に近いものでした。ですが防犯ビデオに写った彼の一連の行動や、車の中に残されたカセットテープの内容から、モンロー刑事はこれは他殺だと判断して独自に捜査を始めるのです。

そうするとパットの死は、幼い時代に同級生のエイミーという少女が死んだ事件と深くかかわっていることにぶち当たったのです。そこでモンロー刑事は、謎めいてるその事件を再び捜査開始します。そうするとエイミーの同級生が次々と謎の死を遂げていることに気がつくのです。

いやぁ、面白くなりそうな展開ですよね。いかにもサスペンスミステリーといった風情をかもし出しています。なんたって、エイミーの同級生たちの記念写真に謎の人物が写っていたり。なかなか芸が細かいのです。

ここからネタバレです→(実はモンロー刑事の恋の相手にケイトという女性が出てくるのです。彼女もこの昔の事件の関係者なんですが、モンロー刑事といい仲になっていきます。無口で不器用そうなモンロー刑事にも人生の春が訪れ、喜んでいるのもつかの間、彼女はこの事件に深くかかわっているんですね。事件関係者との恋はご法度ですよね、イギリスは大丈夫なんでしょうか?

おちはよくあるパーターンと言えばわかる人にはわかるでしょうね。そう今流行のあれですよ。トラウマが原因の。やっぱり人間人に優しくしなくちゃいけません、ひどいことをすればそれから何年もたって、その恨みをはらされることにつながりますよ。

)←ここまでです。

これは連続ドラマみたいに話を膨らませていったら、結構面白くなるんじゃないかと思ったのですが、なんせ2話までしかありません。つまり2時間ドラマののりですね。なので途中から話の展開が早く、よくあるパターンで事件が変化していくのです。途中にモンロー刑事の恋の話も刺身のつまのようにあるのですが、これも所詮は添え物程度なんですよね。最後の方はそんなことじゃないかという形になり話が読めてしまったのが残念です。

【Story】
交通事故で死亡したパットの遺品にカセットテープがあった。そこには奇妙なことが録音されていた。しかもガソリンスタンドの防犯カメラには、突然おびえ道路を疾走するパッとの姿が映っていた。モンロー刑事はこの事件は他殺と判断し、独自の捜査を開始する。
Date : Sunday 27th May 2007 09:29
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プラダを着た悪魔

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > コメディ

プラダを着た悪魔 (特別編)原題 THE DEVIL WEARS PRADA
2006年 劇場公開
アメリカ制作
上映時間110分
監督 デヴィッド・フランケル
出演 メリル・ストリープ/アン・ハサウェイ

お勧め度 ★3つ半

プラダの製品が大好きな私としては、この邦題実にそそられます。ファッションが大好きな方は結構楽しめるかなぁと思いました。みんなおしゃれですし、ブランドものもたくさん出てきます。ストーリーとしては仕事と私生活の線引きの難しさなんかを描いています。

メリル・ストリープ演じるミランダはファッション雑誌業界のカリスマ編集長。彼女位のキャリアと地位を得るには相当の努力と、私生活の犠牲の上に成り立っていると思うのですが、そこへアン・ハサウェイ演じるアンディがやってきます。

ミランダのアシスタント2ですが、とてもファッション雑誌の仕事をしているとは思えないようなダサさ。みんなからも白い目で見られます。そんなアンディだけど、だんだんと仕事ができるようになっていくと大変身するんですね。もともと美人なので、ちょっとかっこいい服を着ればそれなりに様になるとは思いますが、おしゃれになって垢抜けたのはいいのですが、仕事重視の生活はプライベートがおろそかになっていくのは世のつね。それにより恋人ともギクシャクするようになってしまいます。

働くことは厳しいし辛い、でもそれが仕事というのを実によく提示しているのだけど、私としてはミランダの仕事のやり方というか、部下に自分のプライベートの用事までいいつけるというのはどうかと思ってしまったのですね。自分の子供のために、まだ出版前のハリーポッターの本を手に入れろなんていう無理難題の要求は、明らかにやりすぎといっていいのではないでしょうか?アメリカのビジネスの世界はああなんでしょうか?

部下たちはミランダのやり方にみんなビクビクしているのです。でもミランダはミランダで、そんな傲慢な面もあるけれど、本当は部下のことを実によく見ていて、才能を適切に評価する部分も持ち合わせてはいるのです。

悪魔という表現の通り、確かにある意味デビルミランダといったほうがいいような上司ではありますね。ファッション業界の華やかさに隠された、ビジネスの世界の厳しさやえげつなさをよく描いているとは思います。なんでも「ヴォーグ」の元アシスタントが書いた暴露本が原作とのこと。アメリカのファッション雑誌の業界の一端が垣間見れます。

仕事と私生活を天秤にかけて、果たして自分はどこまでを仕事に費やすことができるでしょうか。そんなことをアンディを通して考えさせられました。そしてアンディはどんな選択をするのかは映画を見てください。

それにしても自分の上司がミランダだったら、私ならすぐにねを上げて退職していることでしょう。

【Story】
ジャーナリストをめざすアンディが就いた職業は、一流ファッション誌『RUNWAY』の編集長ミランダのアシスタントだった。ミランダはファッション業界の大ボスで、誰もが恐怖におののく存在だった。アンディは四六時中呼び出され、理不尽な命令に振り回され、次第に恋人ともすれ違いの生活が続いていくことになる。
Date : Saturday 26th May 2007 14:19
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LOOP ループ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

LOOP ループ原題 SALVAGE
2006年 劇場未公開
アメリカ制作
上映時間80分
監督 ジェフ・クルック
出演 ローレン・カリー・ルイス/クリス・フェリー

お勧め度 ★2つ半

タイトルからいって無限状態というのがわかりますが、まさにいつまでたっても終わらない地獄の苦しみというのでしょうか。クレアはガソリンスタンドにあるコンビニみたいなところで、深夜のバイトをしているのですが、朝になり仕事を終えて外で恋人のジミーを待っていると、代わりにジミーの知り合いという実に不気味な男デュークがやってくるのです。ジミーに頼まれているので車に乗れといわれた時点で怪しさ満載なのですが、クレアは車に乗ってしまうのですね。そうするとやはり案の定というか、デュークに襲われ殺されてしまう。と思ったら、あれ、夢?とジミーと待ち合わせた場所で目が覚めるのです。

ネタバレここからです→(あ〜夢かぁよかったって思ってジミーと一緒に帰るのですが、それ以来クレアの周りでは奇妙なことが起こり始め、なぜか微妙に設定は違うものの、自分がデュークに襲われ殺される苦しみを味わう夢を見て、気がつくとバイトを終えた時点に戻っているという繰り返し。どうしてこんな事になるのか、頭がおかしくなったのか?ジミーに相談してはみてもあまり真剣に取り合ってくれなかったりして、ますます混乱していってしまうのです。

確かに苦しいですよね。だって殺される恐怖とか苦しみというのは、一度ならずも目が覚めるとまた同じような形で殺される。夢でも嫌です。そのうちまた殺されると予測がついてしまうし、それを避けようと思ってもなぜか避けられないように物事が進んでいってしまうのですから。

つまり何故このようなことが起きるかというと、この殺されるクレアは、実はデュークそのものなんです。デュークが殺人を犯したことは間違いないことで、自分が殺したクレアに成り代わってしまったのです。つまり自分が殺した相手に自分がなってしまったことで、自分の犯した殺人を永遠に与えられ苦しみ続けるという、ある意味自業自得のような罰の話です。デュークそのものは警官に撃たれて死んでいるので、この世の人ではないのですが、あの世にいってから自分の犯したことで自分が苦しめられるという、まさに地獄責め苦を味わっているというのがこの映画みたいなんです。
)←ここまでです。

無限状態ということに関しては、最後まで見ていただけるとわかるのですが、ちょっぴりわかりにくい部分があって、頭を整理するのに少し時間がかかってしまいました。
謎が解明されるとあっという間に終わってしまうので、そこにもっていくまで引っ張って、その謎を楽しむのがこの映画です。だけど最初はそのループ状態を楽しんで見ていられるのですが、途中から見ているほうも、いったいいつまでこのループが続くのか不安になってしまうのですね。そしてそのうちどうせ次も同じ展開なんだろうと思ってしまうので、興味がそこで薄れてしまうのが残念です。

サンダンス映画祭から誕生ということですが、このサンダンス映画祭なるもの、確かにこれはなかなかと思うものもあるのですが、時に滑ってしまうものも多数です。それでも掘り出し物はないかとついついチェックしてしまうのですね。

【Story】
クレアはバイトを終えて、恋人のジミーを待っていると、見知らぬ男から声をかけられる。ジミーの知り合いというその男に言われるまま車に乗り込むと、突然襲われ凄まじい暴力を受ける。そして気付いた瞬間、また先ほどの朝だった。そしてまたクレアは何度も惨殺される無限地獄が待っていた。
Date : Friday 25th May 2007 00:00
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ジェニファー・ラヴ・ヒューイットのセレブリティ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > コメディ

ジェニファー・ラヴ・ヒューイットのセレブリティ原題 CONFESSIONS OF A SOCIOPATHIC SOCIAL CLIMBER
2005年 テレビメディア公開
アメリカ制作
上映時間 89分
監督 ダナ・ラスティグ
出演 ジェニファー・ラヴ・ヒューイット/コリン・ファーガソン

お勧め度 ★1つ半

現実にこんな女性がいたらかなり痛いし、友達にはなりたくないと思ってしまいます。カチャはセレブになるためならどんなことでもするというタイプの女性。仕事はそれでもかなりできるとされていて、広告業界で働いています。その仕事ぶりも放漫で、かなり自分勝手に周りを振り回しています。でも仕事の結果としては成功しているらしいので、会社の方も彼女の性格ややり方はどうであれ、会社に利益をもたらすほうを選んでいるといったらいいのでしょうか。

そんなカチャの目標は、セレブリティが集うチャリティパーティにデビューすることです。でもそのパーティの主催者は、ダフ。ダフというのはカチャに対してかなり恨みを持っているのです。かつてカチャはダフの結婚式に招かれたときに、なんと新郎と火遊びしてしまうというとんでもないことをしでかした経緯があり、ダフから嫌われていました。なのでもちろんダフが主催するパーティに呼ばれるはずがありません。

だけどカチャはそんなことでめげているような性格ではなく、あの手この手を使ってそのパーティの招待状を手に入れようと奮闘するのです。ですがその奮闘振りがひんしゅくをかうので、なかなかカチャに対して感情移入ができず、カチャが暴走すればするほどひいていってしまうというから回りです。

コメディなのであれこれ文句をつけても仕方ないとはわかっているのですが、やはり少しはカチャという人間に対して同感できる部分がないと、これは見ていて苦しいです。

そんな中カチャが改心していく様子もあるのですが、どうにも無理やりな感じがして私はあまり楽しくありませんでした。そんなに単純にこのカチャが今までの自分を反省できるとは到底思えないというのでしょうか。

カチャのはちゃめちゃぶりを楽しむ場合は適していると思われますが、私はカチャという人間に対してムカムカしてきたので、後味はよくありませんでした。悪気はなくて憎めないというレベルを超えているような気がするのです。一応ラブロマンスもありなので、女の子向けかもしれませんね。

【Story】
カチャは広告業界で働いている。目標はサンフランシスコのセレブリティが集う社交界でトップになること。ある日ダフ主催のチャリティパーティ"ロイヤルボール"が開催されることになる。しかしカチャは以前ダフに非礼をしたため招待を拒否されてしまう。しかしなんとかロイヤルボールの招待券を手に入れようと、あの手この手を使って手に入れようとするが失敗が続く。
Date : Thursday 24th May 2007 19:54
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麦の穂をゆらす風

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ヒューマン・ファミリー・ドラマ

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション原題 THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
2006年 劇場公開
イギリス・アイルランド・ドイツ・イタリア・スペイン制作
上映時間 126分
監督 ケン・ローチ
出演 キリアン・マーフィ/ポードリック・ディレーニー

お勧め度 ★4つ半

キリアン・マーフィが出ている映画はとても気になるので、これも見たかった作品です。イギリスとアイルランドの関係がわかっているとよいのですが、私は詳しくは知りませんでした。『プルートで朝食を』でもアイルランドの立場というものが平行して描かれていましたが、これもいかにアイルランドがイギリス政府の圧政に苦しめられてきたかというのを前面に打ち出しています。

前半ではイギリス軍の極悪非道な様子が描かれています。ほとんどいいがかり状態にもかかわらず、アイルランド人を殺していきます。母の前で子を殺すなんていうのも朝飯前の非道ぶりです。単に仲間同士で集まっていただけでも、軍はいちゃもんつけてきます。

デミアンは医者であり、ロンドンの病院に行く予定だったのだけど、自分の友人らが殺されたり、ロンドン行きの列車に乗ろうとしたら、イギリス軍が車掌に暴力を働いていたり、そんな様子を見て彼は義勇軍に入ってしまうのです。

彼の人生はここで狂いはじめます。優しいデミアンも、イギリス軍を追い払うのを目的に戦ってはいきますが、裏切り者にも銃を向けるのです。戦いにおいては愛しているものだろうが、親や兄弟だろうが関係ないのです。

最初はイギリス軍がこのアイルランドの地から去ってくれることを目的に戦っていくのだけど、しまいには内戦へと発展していってしまうアイルランド。そんな中でデミアンをめぐる周囲の人々、その者たちとのかかわり、そして引き裂かれていく関係。

私は戦争ものってほとんど見ないのです。とてもむなしく思ってしまうのと、見ていると心が痛くなって苦しくなってくるからです。やはりこの映画も辛い展開が待っています。

戦いが最後に残したものは悲痛な思いです。

【Story】
1920年イギリスの支配を受けてきたアイルランドでは、独立運動が高まっていた。医師をめざしているデミアンは、戦いの様子を目の当たりにして、兄テディと共にアイルランド独立に向けた戦いに身を投じる決心をする。
Date : Wednesday 23rd May 2007 09:47
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アダム -神の使い 悪魔の子-

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

アダム -神の使い 悪魔の子-原題 GODSEND
2004年 劇場公開
アメリカ・カナダ制作
上映時間 102分
映倫 PG-12
監督 ニック・ハム
出演 グレッグ・キニア/レベッカ・ローミン=ステイモス

お勧め度 ★2つ

この映画の邦題を見ると、『オーメン』みたいな悪魔の子の話かしらと思って、オーメン好きの私は心躍らされて、ついついレンタルしてみたのですが、悪魔の子の話ではなかったです。

最愛の息子を交通事故で亡くしてしまった一組の夫婦。心は張り裂けんばかりで、嘆き悲しんでいたときに、遺伝子学者であり医者でもあるウェルズが声をかけてきました。ウェルズの話というのは、死んだ息子アダムの細胞からクローンを作らないかというものでした。つまりアダム二世を作成しようと持ちかけられたわけです。

この夫婦にとっては、アダムは何ものにもかえ難い子供なわけで、アダムを失った悲しみを第2子に託してみてはという周囲の声には耳をかさず、アダムを生き返らせてほしいという願いばかりが心に募るのです。確かに子を失った悲しみは計り知れないものがあると思いますし、もしも生きかえらせることができるならば何でもしたいという気持ちはわからないでもないのですが、現実には死んだものを生きかえらせることは不可能です。そこでクローンのアダムをこの世に誕生させるという提案に、最初は躊躇していたものの、このウェルズ医者にすべてを任せてクローンアダムを誕生させることを決意するのです。

もともとアダムは8才までは元気に暮らしていて、そのあと交通事故で死んでしまうのですが、クローンアダムも8才まではつつがなく成長していきます。夫妻はアダムが生き返ったとして、非常に幸せな毎日を送るのですが、ところがアダムが死んだ8才を過ぎると、クローンアダムは誤作動を起こしたのです。

今まではいい子だったのに、突然暴言を吐いたり、家が燃える絵を描いてみたり、明らかにいじめっ子を殺しただろう?というような悪事を働いたりするんですね。

ネタバレここからです→(クローンアダムを誕生させたウェルズ医師は、自分の子供がいて、この子供はやはり死んでいたのです。その子供はかなり凶暴で粗悪な子供だったようで、なんとウェルズ医師は自分の子供の遺伝子を操作してクローンアダムに細工したらしいのです。深く考えると、それじゃあ100%のクローンアダムじゃないような気がします。アダムの遺伝子と自分の子供の遺伝子を掛け合わせた別人というのが正しいといったらいいのでしょうか。

またなんで8才を超えたらウェルズ医師の子供の凶暴な性格のほうが露呈するのかがよくわからないのですが、クローンは未知のものなので、そういうことだと言われればそうなんでしょうね。無理やりな気がしないでもないですが、そのことを知った夫妻ですが、もう後の祭りなわけです。今更そんなアダムは要らないとはいえないですし、でもこの凶暴な子供をどうしていけばいいのか夫妻には皆目検討もつきません。

よく人の臓器を移植すると、その人の記憶が残るなんていう話ありますよね。?角膜移植なんかで、ドナーの見ていたものが見えるなんていう映画もありましたが、それと一緒で、クローンも遺伝子細胞が記憶を持つというのでしょうか。

題材は結構おもしろいし、今時のクローンを扱っているのですが、最後がなんだか早送りで終わらせました状態だったので、問題解決には至らず、さーてクローンアダムどうなるでしょうか、次回お楽しみにーで終わっちゃうのが残念です。最後にドタバタとウェルズ医師も亡くなってしまいますし、クローンアダムを更生させる手立ては何も施さないままなので、いっけんいい子に戻ったように見えて、実は凶暴な部分はまだまだ残っているというような終わり方でした。まさかパート2はないとは思うのですが、クローンアダムはやはりこの先も悪事を働いていくのでしょうか。
)←ここまでです。

後半何故クローンアダムがこんな行動をとるのかということが解明されていきます。ちょっと盛り上がりに欠けた終わり方と、早送りで終わらせてしまったような印象があって残念です。

【Story】
ポールとジェシーの間には一人息子のアダムがいた。だが8歳の誕生日を迎えた翌日交通事故で死んでしまう。悲しみに暮れる夫妻の前に、ウェルズ医師が現れ、クローン技術によるアダムの再生を持ちかける。ウェルズ医師の提案を受け入れ生まれたアダムは、8歳の誕生日を迎えた頃から、不可解な言動口にするようになる。
Date : Sunday 20th May 2007 21:48
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