メリンダとメリンダ
Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブストーリー・ロマンス

原題 MELINDA and MELINDA
2004年 アメリカ公開
上映時間 100分
監督 ウディ・アレン
出演 ラダ・ミチェル/クロエ・セヴィニー/ウィル・フェレル
お勧め度

レストランに集まった劇作家が、メリンダという女性を主人公にしたストーリーを語りだす。一人は喜劇バージョン、もう一人は悲劇バージョン。『スライディング・ドア』みたいな感じなのかと思ったら微妙に違う。
よくポジティブシンキングで、よいことを思っていれば運命もそうなり、悲劇的なことばかり思っているとそうなるっていうのがあるじゃない?それに近い感じ。確かに人生って喜劇にもなれば悲劇にもなるんだけど、自分が落ち込んでいたりする時って、そんないい事を思っていても、ろくでもないことばかり起こるって思ったりするよね。
でもこの映画を見ていると、悲劇バージョンなんて、あんなに暗い顔して思いつめていたら運も逃げるよななんて思ったりもする。だってずーっと悲劇を背負ってそれに酔いしれているような感じがみうけられるんだよね。最初は周囲も気の毒に思って、いろいろ手を差し伸べるけれど、あれじゃあそのうち嫌になると思う。逆に喜劇バージョンは、悲劇と同じように不幸なことが起こって、確かに落ち込んだりもするだろうけれど、根本は前向きに明るく、悲劇を笑い飛ばすような生き方なんだ。だからかメリンダの周りにはそのうちラッキーなことが起こるし、よい運を自分の手でつかんでいく。
現実はいつも前向きに進んでいけないかもしれないし、後ろ向きになってしまうことも多いかと思うんだけど、それでもいつか前を向いて進んでいかないといけない。そうしないと結局悲劇のメリンダは、自分でさらなる悲劇を生み出していくようになっていくんだ。
というような展開の話なんだけど、どっちのメリンダかわけわからなくなるということはない。どちらのメリンダもラダ・ミッチェルが一人で演じているけれど、他の登場人物は同じ設定でも、演じているのは違う俳優だから。
ストーリーはかなり面白いし、こういうテーマって常に人間社会においてついてまわることなので、アイディアはとてもいいと思うんだよね。だけどなんとなくどっちも中途半端な印象があって、結局人生は短いというメッセージが弱くなっている気がしないでもない。
悪い話ではないし、メッセージ性のある映画なんだけど、消化不良になりがちかなぁ。でも小粒ながらうまいとは思う。見て大失敗ということはないと思うので、そこそこ楽しめるかな。
【Story】
メリンダは医者である夫と別れ、ニューヨークにやってきた。メリンダががアパートのドアを開けるところから、ふたつの話が展開してゆく。ひとりのメリンダは、夫が浮気をして自暴自棄になり自分も浮気をしてしまう。そのため夫から離婚を言い渡され子供の親権も奪われてしまい、自殺未遂を図ったという。もう一方のメリンダは、睡眠薬を飲みすぎてしまい、同じアパートのホビー夫妻の部屋へ転がりこむ。やはり医者である夫と離婚したばかりだ。