ラブ・レター/パイランより

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

ラブ・レター~パイランより~原題 FAILAN
2001年 韓国公開
上映時間 116分
監督 ソン・へソン
出演 チェ・ミンシク/セシリア・チャン

お勧め度 ★3つ半

浅田次郎の原作『ラブ・レター』を韓国で映画にしたもの。日本でも中井喜一が主演で映画化されたみたい。

カンジェというチンピラと中国からやってきたパイラン。この二人は偽装結婚の相手同士なんだけど、一度も会うこともなくパイランが死んでしまう。(病死みたい)そうするとカンジェは一応戸籍上は夫なわけで、遺体を引き取りに行かなくてはならない、そこでパイランからカンジェに当てた手紙を読むことになる。

といった感じのストーリーなんだけど、途中で涙腺が緩む場面もあるし、カンジェはチンピラでどうしようもない男なんだけど、結構純粋な部分も持ち合わせていて、会うことのない二人の間に流れる何かを感じられる話ではある。

だけど前半が長いのだ。というのもカンジェのチンピラとして、下っ端扱いの様子とか、そういうことに多く時間が割かれ、なかなかパイランとのかかわりが出てこないので、だんだんとこれはチンピラ映画なのかと飽きてくる。

そう思っているとやっとパイランが数多く出てきて、パイランは何故韓国に来たのか、どうして偽装結婚することになったのかっていうことがわかってくる。ここまで来ると比較的スムーズに話しにのめりこむことが出来るんだけどね。

パイランが会ったことのないカンジェにほのかな愛情を持つのはわかるんだ。異国の地で夫と呼べる人の写真を見ていて、だんだんと淡い思いを抱くようになる。ある意味幻想ではあるんだろうけれど、我々だって会ったことのないスターとかに、恋心のような感情を持つことはあるから、それと同じようなものだ。といってもパイランは一枚の写真だけしか持っていないだけなんだけど。

一方のカンジェは、パイランが死んで、彼女からカンジェに対する手紙を読んで、そのことで心揺さぶられる気持ちがわいてくる。今までは誰からも愛されていないし寂しい人生だった。そんな中唯一自分のことを好きですと言ってくれた偽装結婚相手の妻。「カンジェさんは結婚してくれて優しい」と何度も書いてある手紙。そんな手紙を読んで、こんな自分にも優しいと言ってくれる人間がいるとほろっときてしまった。なんとなくわかる。

手紙を読んでいるシーンはぐっと来るし、会うことのない二人だったけれど、二人とも幸せな気持ちが流れる事があってよかったとも思った。決して生きている間は交流することはなかったけれどね。パイランがあなたの妻のまま死んでもいいですか?と書くあたりはせつなかった。

だけどなぁラストはあまり納得いかない。唯一の救いは、カンジェの表情だけだった。優しい穏やかな顔だった。チェ・ミンシクって、『親切なクムジャさん』とか『オールドボーイ』とかに出ていたけれど、うまい役者だなぁとしみじみ思った。ものすごくくどくて、どっちかというと生理的にきもいおやじっていう印象なんだけどね。←褒めてんのかけなしているのか?

【Story】
カンジェはチンピラとして毎日暮らしていた。そんなある日妻が亡くなったという訃報を知らされる。相手は偽装結婚した妻だったことを思い出す。彼女はパイランという名の中国人で、カンジェは一度も会うことのなかったパイランの遺体を引き取りに彼女の住んでいた町へと向かう。
Date : Monday 28th August 2006 09:51
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エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > アクション・犯罪・バイオレンス

エンパイア・オブ・ザ・ウルフ原題 L' EMPIRE DES LOUPS
2005年 フランス公開
上映時間 128分
映倫 PG-12指定
監督 クリス・ナオン
出演 ジャン・レノ/アーリー・ジョヴァー

お勧め度 ★1つ半

あまりにもつまらなかった。『クリムゾン・リバー』の原作者である、ジャン=クリストフ・グランジェの小説が原作らしい。嫌な予感がしたよ、『クリムゾン・リバー』がおもしろくなかったから。あれもジャン・レノが出ているんだけど、これももしやと思ったら、やっぱりそうだった。

もちろん原作と映画は違うのはわかっているのだけど、これもさっぱりわかんなかった。『クリムゾン・リバー』も若い刑事とベテラン刑事の二人が出てきて、それらが事件を追うっていう形式で、今作もそうなんだけど、だいたい話がわかりにくくて、私は最後まで見ても犯人は何をしたかったのがよくわかんなかった。私がアホなのかもしれないけれど、もう一度見直したいという気持ちもわかず、わからないまま見終えた。なのでちゃんと理解して見たら傑作なのかもね。でも私は理解してないので、これポイントとっても低い。

人体実験みたいなことをしたり、麻薬がかかわっていたり、出だしはなんか面白そうだったんだ。なぜかある女は自分の夫の顔を覚えてないというところからスタート。だがそのあとがおもしろくないんだよ。

話がトルコにかかわっていて、規模がでかくなったせいなのか、そこから私は理解できなくなっていった。どんでん返しがあったらしいのだけど、そのあたりも楽しめずに、はて???っていう間に事件は解決してしまい終わり。ちゃんちゃんである。

それにトルコとフランスの関係も知らない私としては、トルコのテロ組織とかの知識もないし、そのあたりが全くわかんないから、話の面白さも半減しているのかもしれないとも思われる。

はっきりいってジャン・レノが出ていなければ見なかった作品である。やっぱりフランス映画は苦手。

【Story】
パリのトルコ人街で猟奇殺人の3人目の犠牲者が発見された。被害者はいずれも不法滞在のトルコ移民の若い女性で、顔が切り刻まれていた。
Date : Saturday 26th August 2006 00:47
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4人の食卓

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

4人の食卓原題 THE UNINVITED
2003年 韓国公開
上映時間 126分
映倫 PG-12指定
監督 イ・スヨン
出演 チョン・ジヒョン/パク・シニャン

お勧め度 ★3つ

ホラーというカテゴリーみたいなんだけど、純粋ホラーとは違う。だって幽霊らしきものが出てはくるけれど、最初にちょっとっていうだけで、どっちかというとサイコサスペンスみたいなカテゴリーなのかも。

7才以前の記憶のないジョンウォン。それがある日電車の中で見かけた子供が電車の中で死んでいたという事件を知ってから、自分のアパートの食卓に、子供が二人座っている幽霊が見えるようになる。

と書くと怖い感じがするけれど、この幽霊あんまり意味がないんだよね。別に出てこなくても関係ないというのか。唯一関係があるのは、この姉妹の幽霊が見えるというヨンという女性に出会うということだけ。

でも結局はジョンウォンの目を背けたい過去のことや、ヨンが抱えている受け入れがたい現実、それらの駆け引きの話といったらいいのかなぁ。
ヨンは人の過去が見えるという能力があって、それを正直に伝えたことにより、その人間は苦しんでしまう。つまり人間は、受け入れられないものはその人にとって真実ではないということだ。ジョンウォンも過去を見てもらうのだが、それは真実を知らなければよかったというような辛い事実だった。

というような小難しいことが繰り返され、真実とはなんぞや?見たいな哲学的な事を追求した映画だった。かなり重苦しい雰囲気なので、見ていて爽快な気分にはなれないな。ラストもあまりに救いようがないし。悪い映画ではないのだけど、私はあまり好きにはなれなかった。

韓国映画なので、死体や死ぬ瞬間などはかなりリアルであるので、そういうの嫌いな人はみれないかも。

【Story】
ジョンウォンはある日、最終電車の中で眠っている幼い姉妹を目撃する。しかし翌日のニュースで姉妹が毒殺されていたことを知る。以来彼は食卓の椅子に姉妹が座っている姿を目にするようになるのだった。やがて、ジョンウォンは自分と同じようにその姿が見えるという女ヨンと出会う。
Date : Thursday 24th August 2006 21:23
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殺人の追憶

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

殺人の追憶原題 MEMORIES OF MURDER
2003年 韓国公開
上映時間 130分
映倫 PG-12指定
監督 ポン・ジュノ
出演 ソン・ガンホ/キム・サンギョン

お勧め度 ★4つ

韓国で1986年〜1991年の間に、10人の女性が犠牲になった、連続猟奇殺人事件があったそうだ。それを元にして、刑事達の苦悩とかを描いた作品。ただこの犯人はいまだに捕まっていないそうだ。

ノンフィクションの事件ということで、結構リアルな作りになっていて、なんか死体の様子とか、すごいリアルなの。日本映画だともう少し作りもんという印象を与えて、グロさを和らげるような配慮(?)があるのだけど、韓国映画ってかなり本物ちっくというか、死体発見現場にアリがむらがったりする様子なんて、うわって思ったよ。

それにしてもこの事件、本物としたらすごい猟奇的というか、こういう事件って普通のなんでもない人間が犯す怖さというのをあらわしている。でも前半は、犯人を追い事件解決を望むあまり、誤認逮捕して自白を強要したり、拷問して白状させたりっていうシーンが多くて、これじゃあ犯人取り逃がすだろうなぁとか思ってしまった。時代的にもそういう背景があったんだろうけれどね。

でもそのあたり、地元の刑事のパクとソウルからやってきたソ刑事のアンバランスが絶妙で、暴走しがちなパク刑事と冷静なソ刑事という組み合わせはかなりこの映画を面白くさせている。

かなり面白い作品であるが、ちょっと長くてダレル感じがしないでもない。中盤がちょっとなぁイライラするんだよね。(笑)それに犯人がわかんないまま終わるわけで、だから誰が犯人なんだよ、やっぱりあいつなのか?証拠がないから逮捕できないだけなのか?それとも全然別のところに真犯人はいるのか?という消化不良な部分があるにはある。まぁ実際に犯人は逮捕されていないわけだから、映画でも犯人がわからないのはしかたないのだけど。でもこの殺人の犯人は、今もどこかで普通の顔をして生活しているわけで、そのあたりの怖さをラストで雄弁に語っている。

【Story】
1986年10月とある農村で、手足を縛られた若い女性の無惨な変死体が発見される。地元の刑事パクらが捜査にあたるが、一向に有力な手掛かりが掴めない。そんな時ソウル市警から派遣されたソ刑事は、パク刑事とは性格も捜査手法もことごとく対称的で、2人はたびたび衝突してしまう。
Date : Wednesday 23rd August 2006 20:22
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ダイヤモンド・イン・パラダイス

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 詐欺・泥棒

ダイヤモンド・イン・パラダイス原題 AFTER THE SUNSET
2004年 アメリカ公開
上映時間 98分
監督 ブレット・ラトナー
出演 ピアース・ブロスナン/サルマ・ハエック

お勧め度 ★4つ

外国版ルパン三世みたいな設定。と書くとむちゃくちゃ面白そうだけど、そうでもない。←なんじゃそりゃ。

泥棒の話なんだけど、その泥棒を追いかける捜査官。いつも泥棒にしてやられるというのは銭形警部みたいだよね。それに泥棒にはかわいい女性がついている。不二子ちゃんなみにナイスボディのローラももちろんいる。やっぱりルパンでしょ?

そこそこ楽しいよ、大爆笑のコメディムービーというにはちょっと及ばないけれど、安心して楽しめる泥棒映画。テンポもいいし、マックスとスタン捜査官の掛け合いも面白い。

一応泥棒は引退と言って、恋人のローラとマックスはのんびりと過ごしているのだけど、だんだんと飽きてくるマックス。そこへダイヤモンドがやってくる。と書くと変だけど、でっかいダイヤの展示会があるというものなんだ。絶対にそのダイヤモンドを盗むと確信したFBI捜査官のスタンは、マックスを張り込むんだけど、いやはや二人で仲良く釣りをしたり、でも釣ったのはサメでとか、なんだか南国パラダイスを楽しんでるじゃん。

それでマックスはもう泥輪はやらないと言っているけれど、本当に引退したのか?それとも…。といったあたりを楽しくおかしく描いているし、ある意味ミッションインポシブルみたいな雰囲気もあるし、時間的にもほどほどなので、悪くないと思われる。←結局ほめてんのか?

オチもそれなりの展開が用意されているので、お気楽ムービーとしては合格かと。

【Story】
ナポレオンが所持していたとされる、この世に3つだけ存在する財宝であるナポレオン・ダイヤモンド。そのうちの2つを盗み出したのを最後に泥棒稼業を引退し、バハマでのんびりとした生活を送るマックスとローラ。ところがそこへ2人を追い続けるFBI捜査官スタンがやってくる。
Date : Tuesday 22nd August 2006 20:09
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パニック・フライト

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

パニック・フライト スペシャル・エディション原題 RED EYE
2005年 アメリカ劇場未公開
上映時間 85分
映倫 PG 13指定
監督 ウェス・クレイヴン
出演 レイチェル・マクアダムス/キリアン・マーフィ

お勧め度 ★4つ半

『フライト・プラン』も飛行機内のパニック映画だったけれど、あちらよりこちらの方がよっぽど面白かった。でも劇場未公開。有名女優か否かっていう差なのだろうか。それにしてもこれは劇場公開してもよかったほどの出来、うーんもったいないよ。

『スクリーム』の監督が作ったということだけど、これはホラー映画ではない、サスペンス映画ね。リサは父のいるマイアミに向かう飛行場で、リップナーという男性と知り合うんだ。優しそうでおしゃべりも楽しい人間で飛行機を待ってる間とても楽しく時間を過ごすことが出来る。そして飛行機が離陸すると、なんと隣の席の人物はリップナー。楽しい飛行機の旅が始まる…。ってな展開で始まるのだ。

ネタバレ→(ところががってんで、そのリップナーは暗殺者であったのだ。その暗殺を遂行するには、お前が必要なんだと変貌するんだよ。それも飛行機の中で。怖いっす、周りはリサとリップナーは仲よさそうなカップルとしか映らない、だけど本当は違うのだ。逃げ場はないし、助けてくれる人もいない。自分一人ならいいが、このリップナーはもしもリサが自分の要求を受け入れない場合は、マイアミにいる父親を殺すと脅されてしまうのだ。絶体絶命の危機。)

『フライト・プラン』のジュディー・フォスターが演じた役は、主人公に感情移入できないキャラクターなんだけど、この映画の主人公のリサは、一人頑張る姿に応援を送りたいというか、感情移入しやすいのだ。
危機的状況なのに、一生懸命なんとかこの状況を打破できないとか奮闘するんだけど、それがなかなかうまくいかない、そんなハラハラ感もあり、順調に話は進む。決してあきらめない姿勢が好感持てるというのか。

キリアン・マーフィって、よーく見ると不気味な男だよ。青すぎる瞳の色が怖い。それがまたこの映画を面白くしているというのだろうか。

これはレンタルでしか見れないし、DVDの本数も少ないけれど、見かけたら借りてみて頂戴。とくに『フライト・プラン』でがっかりしたあなた、こちらの方が断然面白いから。

【Story】
ホテルのマネージャーとして働くリサは、マイアミへのフライトを待つ間、優しい男性リップナーと知り合う。無事飛行機は離陸。しかし、隣の席に座ったリップナーの正体は…。
Date : Monday 21st August 2006 08:42
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SAYURI

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > ラブストーリー・ロマンス

SAYURI原題 MEMOIRS OF A GEISHA
2005年 アメリカ公開
上映時間 146分
監督 ロブ・マーシャル
出演 チャン・ツィイー/渡辺謙/ミシェル・ヨー

お勧め度 ★3つ

映像は綺麗だよ。日本の美しい季節や風景、そして着物の美しさというのはよく現れていたと思う。チャン・ツィィーは中国人だけど、綺麗だし芸者の格好も似合っていた。色彩のあでやかさがそれぞれの美しさを引き立てていた。

でもストーリーがいまいちなんだよね。さゆりという一人の芸者の半生というか、子供の頃から一流の芸者になるまでの話なんだけど、女社会なので、いじめとか嫉妬があったりするんだよね。それに会長さんとの出会い、秘められた恋心なんてものが絡み合ってくるんだけど、あんまりさゆりに感情移入できなかったんだ。なんたって私はアメリカンドリームな話かと思っていたから。つまりいろいろあったけど、それらを乗り越え、芸者として超一流になってなんてのを想像していたら、何のことはない、普通のラブストーリー&ハッピーエンドかよだった。もちろん芸者としても大成はするけどね。

ラブストーリーがメインだったら、それなりに盛り上がる恋模様がもっと欲しかった。だってひっぱるだけ引っ張って、ラストにあれれー、だったら最初からくっつけよって言いたかった。それでもその時代はあんなもんなのか?

それと私は芸者という世界はよく知らないので、外人が感じるのと同じようなイメージしかないのだけど、芸者ってあれが正しいのか?芸者は娼婦ではないと強調して言っていたけれど、どうみても最終的にはお金と体という図式があるように感じられるんだけど。水揚げという制度というのか、あれは明らかに金銭とバージンの駆け引きだよね?まぁ、最初から体を売る目的のものと、そうではない芸を売るのが目的だが、借金などの理由にしかたなくという場合の違いなのか?もう一度芸者を勉強しなくてはならないな。

まっ、綺麗に描いてくれているので、そのあたりはよしだし。桃井かおりさんのインパクトある女将も見ものだとは思うけれど、かなり長い映画なので覚悟は必要かと。

【Story】
9歳で花街の置屋に売られた千代。そこには、おカボという少女と、花街一の売れっ子芸者である初桃がいた。ある時千代に会長と呼ばれる立派な紳士が優しく声を掛ける。それ以来芸者になって会長さんにもう一度逢いたいと夢見る千代だった。
Date : Saturday 19th August 2006 00:20
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フライトプラン

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > サスペンス・ミステリー・スリラー

フライトプラン原題 FLIGHTPLAN
2005年 アメリカ公開
上映時間 98分
監督 ロベルト・シュヴェンケ
出演 ジョディ・フォスター/ショーン・ビーン

お勧め度 ★3つ

これ巷ではあまり面白くないとかって言われていたよね。でもうちのTSUTAYAでは結構人気の作品みたいで、なかなか借りれなかったんだ。

飛行機の中で忽然と自分の娘がいなくなる。探してくれと従業員や機長に訴えても、そんな娘が搭乗したという記録がないとか言われてしまう。みんな頭がおかしくなった母親という目で見るが、そんなはずはない、絶対に娘は飛行機に乗ったとカイルは主張する。

それでカイルは、自分の言い分を信用しない客室乗務員や乗客、そして機長らはあてにならぬと悟り、たった一人で娘を探し出す、そんな話なんだけどね。なんていうのか飛び立った飛行機は密室なわけだから、娘は絶対にいるはずなんだけどさ、カイルがヒステリックなタイプで、ちょっと横柄なんだよね。だからなのか、突然娘がいなくなったと騒ぎ始めても、あらかわいそうにみんな協力して探しましょうって雰囲気が生まれにくいというのだろうか。

そんなキャラクターだもんだから、乗客名簿に載っていないとか、カイルが精神安定剤を飲んでいる、だから娘と飛行機に乗ったというのは妄想だと言われると、乗客の皆もそうだそうだって思い込むんだよね。

まあ娘を失ったと思ったら母親たるもの冷静にはなれないし、みんなあんな感じに大騒ぎするというのはわかる。だけどそれをサスペンス映画にしても、なんか面白くなかったんだよね。あまり緊迫感がないんだよ。だって見ているこっちは、乗客と同じで、なんだよ妄想女が騒いでるとしか思えず、客観的な視点で、娘はいずこに?犯人の目的は?なんていう楽しみ方は出来ないというかな。だってそのあたりは、最後まで引っ張るから、途中が退屈なんだもん。

それでもジュディ・フォスター演じるカイルは、たくましい女で、頭もいいんだよね。自分が設計した飛行機ということで、内部の作りは熟知しているので、その中をいろいろな策を練って探し回る様子は、すごいなぁと思う。自分はあんなところまで頭は回らないだろうと思うし。

それにしても自分の乗った飛行機で、あんなことが起きたらとってもいやだよなぁと思ってしまった。あまりハラハラドキドキするのは苦手と思う人なんかはいいかもしれないよ。ほどほどのサスペンスだから。ただし過剰な期待は禁物かも。

【Story】
突然の夫が事故死して、カイルと6歳の娘のジュリアは、実家のニューヨークに買えるため、夫の遺体とともに飛行機に乗り込んだ。機内に乗り込むと、うとうとと眠りについたカイルは、目を覚ますと隣に座っているはずのジュリアがいないことに気がついた。
Date : Thursday 17th August 2006 21:14
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箪笥-たんす-

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > 韓国映画

箪笥-たんす-原題 薔花、紅蓮
2003年 韓国公開
上映時間 115分
監督 キム・ジウン
出演 イム・スジョン/ムン・グニョン

お勧め度 ★4つ

これは「号泣ホラー」だそうだ。だがこの映画どこで泣くのかよくわかんないよ。というか泣ける場面なんてあるのか?それにしても最近韓国映画を見るようになったのだけど、結構凝ってるね。

これは前半というか1時間くらい、淡々と話が進み、私はちょっと退屈になってしまった。所々ビクッとする場面はあるよ、でもそれは音響効果によるもので、場面としてはそんな怖くなるようなものでもない。

そしていよいよ話の本筋に行くというときに、一言「スヨンは死んだ」えっえーっ!!なんだよこの展開って形にはいり、話は転がりだす。

以後完全ネタバレ→(いやはや、今まで存在していたはずの妹スヨンは死んでた???じゃああれは幽霊なの?と思ってみていくと、結局はスミの妄想の産物というか、スミは多重人格だったというおちか?

つまり実母が箪笥の中で首吊り自殺をして、それを発見した妹スヨンは、母を助けようとした瞬間バランスを崩し、箪笥が倒れてくる。箪笥の下敷きになったスヨンは息絶える。何かもの音がしたと、のちの継母であるウンジュが見に行くと、そこには箪笥の下敷きになっているスヨンの姿を発見。しかしウンジュはそのまま部屋を出てしまう。おいおいお前見殺しかよとつっこみを入れたい。部屋を出るとスミと出くわすウンジュだが、スミはウンジュのことを快く思っていないので、ひどい言葉をなげつける。そこでウンジュは言う「この瞬間をあとで後悔する」と。やっぱウンジュは見殺しにするんだ。

結局スミは妹がそんなことになっていることに気がつくことなく、出かけてしまい。自分のせいで妹が死んだと精神を病んでしまうというのが話の大筋でないかと思われる。

前半のスヨンは死んだと父が言うまでの出来事は、すべてスミの中の多重人格が演じていたということだ。だから父はそんな娘にだんだんと耐えられなくなっていくのだ。
)

『カル』の時もそうだけど、かなり凝った作りではある。だから二転三転するような話で、意外性を楽しむにはいいと思う。また映像は実に綺麗だ。レトロな雰囲気に落ち着いたカラー、奇妙なアングルといい、このあたりは見て損はない。ストーリーも一度見ただけだと????ってな感じの部分も多く、これももう一度巻き戻してみようかってことになるかと思う。

それにしても韓国映画は、複雑な話になっていて、映画プラス謎解きの本がある。といってもどれもこれも全部本があるというわけではないが、『カル』もこの『箪笥』も本があるみたいで、映画を見たならそのあとで本を読むことで、謎が埋まるらしいよ。私も今度その本探してみようかな。
【Story】
ある日スミとスヨンの姉妹は、ある一軒家に帰って来た。2人を笑顔で迎える継母のウンジュ。新しい母親に対し、姉妹は嫌悪と警戒心を抱く。
Date : Wednesday 16th August 2006 06:39
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ファイナル・カット

Category : 映画・DVD・ビデオ(ジャンル別) > SF

ファイナル・カット原題 THE FINAL CUT
2004年 カナダ・ドイツ公開
上映時間 94分
監督 オマー・ナイーム
出演 ロビン・ウィリアムズ/ミラ・ソルヴィノ

お勧め度 ★3つ

ちょっと地味な映画だ。ゾーイと呼ばれるマイクロチップを頭に埋め込むと、自分の一生の記憶がそのチップに記憶されるというもの。そして故人の人柄を惜しむために、追悼上映会というものが流行っている近未来の話。

なかなか興味をそそる話ではある。そのチップは一生分の記憶なので、それを編集する仕事というのがあるんだ。その仕事をするのが、ロビン・ウィリアムズ演じるアランなんだ。

でもさそんなチップを編集して、自分の人生のいい部分だけを人々の心に残すといっても、編集者にはすべて見られちゃうわけだから、私ならそんなチップ必要ないね。どんなに立派な人間とされている人であっても、人には隠したい部分はある。DV男だったり、幼児虐待をしていたり、でもそんなマイナスの部分は編集でカットされるのだ。つまり裏で極悪非道なことをしている人間でも、そのチップを編集すれば、人々に対しては聖人という印象を与えることが出来るというわけ。

よくさ結婚式の披露宴の時に、自分たちの出会いから結婚までをビデオで編集したりして見せたりするじゃない?あれの一生バージョンと思ってくれればいいかと。いいところしか見せない。

まっ、そんなことから問題もたくさん持ち上がって来るんだ。だって不正とかがそのチップに記憶されているとしたら、それをスキャンダルにと思っているやつとかに狙われるわけよ。でいよいよここらあたりから、盛り上がり派手な展開がと思っていると裏切られる。あれっと思っているうちに終わっちゃった。なんだ予定調和で終わるのか。で結局何が言いたかったのか?人間にはこんな記憶システムなどはいらない、記憶の改ざんなんてよくないってこと?いやそんなことは百も承知だよね?

という感じで、知りつぼみな話だった。それでも設定は面白いので、ちょっとしたSF小説を読んでみるという感覚ならよろしいかと。
【Story】
ゾーイ呼ばれるマイクロ・チップは、脳に移植することで全人生の記憶をそこに記録することができる。人の死後、ゾーイ・チップは編集者によって再構成され、追悼上映用の美しい記憶を留めた映像として甦る。
Date : Tuesday 15th August 2006 20:24
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